詩人:哀華 | [投票][編集] |
消えない
意味ない
ポツリと吐いた
ノイズだらけの
音の横
求め、探し
泣くときのように
安堵の表情
お道具箱の中身
幾重にも織った
千代紙の行方
ガラクタだらけの
部屋の隅
叫び、喚き
探すときのように
泣けない
意味ない
サラリと言った
節々が痛むのは
生きているって訳
最低な物象って
触れない
訳ない
グシャリと死んだ
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体に染み着いた癖を
病と呼ぶならば
痛いところは
パニック的な症状で
視界は下半分から
切り取られ
上半分が乳白色に
濁る始末
そうだね意識の下
完全に潰されて
しまいそうなのは
分かっているけれど
明後日には
血まみれた右手など
跡形もない程に
後片付けしてるはずだ
この際それを
病と呼ぶならば
支配は貪欲な程に
私を蝕んで
楽しむこと
重なること
返さざること
完治と呼ばれた物を
意図も簡単に
やってのけた振り
してみたってだけ
やっぱりね
ホラ、
再発ってなわけか
ごごう、ごごうと
うねり
呑まれた体
痺れた両手
ああ
疲れた、悲しい
本当に
本当に
消えたいよ
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さあ、お帰りは
あちらとなって
おりますです
舐めあいごっこ
馴れ合いごっこ
貴方は本当に
辛かったのよね
本気でそんなこと
言っているの
だとしたら
軽蔑に値しますれば?
ははん。
脅かし
ひねくれ者の最後
脳天から顎まで
鋭利な物で
お通しさしあげて
くださいますです
ははん。
策略は無効へと
それが臆病者の
結末としたなら
腹をかっさばいて
笑ってくれ
喉を切っかいて
笑ってくれ
海は染まる
悲しげな深い緑へと
笑ってくれ
私なんかを
救ってくれ
この体を
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所詮
ここから
ここまでだ
次第に
視界は狭まって
はっきり
言ってしまえば
どん底な気分で
ここへ
存在するもの全て
最後は移ろい
消え去るもの
いつしか夜の端に
予定より早めに
とけ込んで
しまえたら
どんなにか楽に
なれるだろうか
私はここへ何をしに
落とされたのかと
本気で何度も
問うていた
はにかんだ雨
私はその中に
黄色の傘を閉じ
感じていた
黒い空の大声
本気で鳴く音を
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この際
もうどうでもいいよ
その口はどうせ
出任せばかり
話すのだから
恐ろしいほど
真っ黒な眼
きっとそこには
私の背中に彫られた
バラなんか
目じゃないくらいの
小さくて可愛い
赤い花が
写るんだろう
気ままに
そのまま砕けたら
つながることも
きっと億劫になって
私たち
花びら散るように
儚く終わって
しまうんだろうね
足元すくわれて
立てなくなったのは
地面が驚くほどに
不確かだったから
やわらかすぎる土は
水分過多で
少しずつ着実に
沈んでいく
もがくのは
思ったより
疲れてしまうから
もういいや
その眼にはどうせ
私など写らないから
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例えば
私が風に苛まれ
悲しみに
暮れていた時にも
貴方は新しい家
幸せ溜まる
暖かな場所で
それも知らずに
笑って
いたのでしょうか
憎しみと愛情が
混同して
貴方を日々
深く否定し続けた
私を捨てたこと
今更間違いだなんて
言えませんが
日増しに増して
疲れていく女に
初めて煙草を
押しつけられた日
思い出したのは
白い壁の
大きな家の中
ポツリと散った
小さな目から流れる
水音なんかで
それで泣くことを
辞めたのは
記憶の断片
大きな手で
頭を撫でる
貴方の面影が
よぎったからでした
今日も眠れぬ
そんな夜
貴方は苦しんで
死んでいったと
人から聞いています
愛していると
一度だけでも
言うべきでした
過去は過去なりに
意味を帯びて
最低の記憶でも
懐かしさが
こみ上げるのです
愛していたと
遅すぎた報告を
今ここで
パパ。
最低の毎日は
そこに貴方が
生きていると
思えたから
私もなんとか
息をして
居られたんだ
愛していたから
本当に
届かないとしても
今、呟いて
みたかっただけ
いいでしょう
笑わないで
聞いていてね
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この列車は各駅停車
よし分かった
酷いもんで
飛び降りたのは
さっきので
81人目だったかな
何時かは皆飛び降りる
可笑しなもんで
私が乗ってから早数年
思い返したよ
冷えきっていた
空気が妙に光ってた
朝6時30分の
妙ちきりんな笑い声
満員の電車に揺られて
車内は寝息に
浸食されて
お隣いいですか
そう珍しくかけた
気遣い声にも皆
答えぬ始末
さっきから
体の置き場が
よろしくなくて
腕の重みが
驚くほどに
苦痛だった
この列車は各駅停車
終点は最期逝きです
途中下車は
不可能となっております
霞む目の玉
あの駅で急行に
乗り換えりゃあ
良かったかな
だって人より早めに
終わりにしたいもの
後悔ばかりが
頭をよぎり
昨日のあの言葉を
思い出してる
今日もまた始まって
今日もまた終わってしまう
例えばここに
居たくはないと
心から
望んだとしても
どこにも行けない
空へは飛べやしないんだ
絶対に
絶対に
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分かるかい
いつも大きな
プレッシャーに
押し潰されそうに
なりながら
生きてるんだ
そしていつしか
きっと本当に
潰れてしまう
そんな気がするよ
君はどこに
行ったんだっけ
記憶が障害を起こして
頭の骨が
ガタガタと
音をたててる
場末の側面
いつしか名シーンは
言い伝えでしか
なくなるし
私はと言えば
世界の隅の方で
心底人を恐れ
自分を恥じて
いたりもするし
分かるかい
息をするのが
苦痛なんだ
分かるかい
前へ進むのが
怖くて仕方がないんだ
愛されたい
ただそれだけの理由じゃ
生きてる意味には
ならないなんて
聞いちゃったもんだから
どうしようか
迷ってるんだ
混乱の渦の中で
ただ一人きり
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動きたくなかった
午前1時
これでも世間では
世話焼きで
まかり通る
勘違いだと
言われようが
たった独りそうなのだから
仕様がないだろう
しけたクッキーなど
噛みながら
答えぬ
電子会話機と
警報を鳴らし続ける
電子新聞箱を
睨みます
分かっていないじゃないか
私のことなど
誰一人として
知らぬふりじゃないか
世間の事など
誰一人としてさ
今日二人死んだよ
西と東その間で
明日三人死ぬよ
北と南その間で
涼しい顔で
知らぬふりだ
自分には
関係ないものね
この先だって
関係
あり得ないものね
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そう遠くない
昨日のことです
馬鹿笑いを
絶えずしていました
理由は
単純明快で
嘘つきな腹の中身を誰にも
見せたくなかったって
まあそんな所さ
二人とも
大きく罰点
背中に刻んで
格好付けているだけ
ふと見つめる横顔に
見飽きた二重の瞳
それは愛と呼ぶには
淡すぎて
友と呼ぶには
深すぎた感情さ
気ままに
縁取られた形は
教科書なんかに
出てきそうなほど
鋭角で
他の誰にも
気づかれぬよう
絶えず耐えて馬鹿笑いを…
あの日笑顔で
嘘をつく私は
気づかれぬようにと
ひきつる顔で
祈るばかりでした