詩人:夕凪 | [投票][編集] |
忘れていた声を
聴いたんだ
夢の中だろうか ‥
残酷な程の
温もりを含む
強く優しい声を
聴いたんだ ‥
声は両手となり
この体を
抱き締めた ─‥
忘れていた声が
泣きながら
この体を
抱き締めた ‥
きつく
抱き締め返したら
私も
泣いたんだ ─‥
忘れていた声が
愛を
伝えにきたんだ ‥
愛を
忘れないよう
私を愛で
抱き締めたんだ ─‥。
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逢いたいから
逢いたいから
あなたの写真を
抱き締め
目を閉じる ‥
心臓でもない
もっと奥の
それは心へと
温かく熱を伝え
気付けば涙となり
あなたの優しさが
蘇るのです ‥
形なきものに
触れる感触を
確かに私は
知りました ‥
それは同時に
触れたいと願う
純粋さこそが
得る事の出来る
感じる事の出来る
不思議な力だと
知りました ‥
逢いたくなったら
逢いたくなったら
私はいつでも
あなたに逢える ‥
私はいつでも
あなたの傍で
生きられるのです ‥
だから私は
寂しくとも
辛くとも
生きたいと
願えるのです ─‥
あなたが
教えて
くれたから ─‥
優しさという
強さが
光をもたらす事を
信じる勇気を
与えられたから ─‥
その優しさの分まで
生き抜くと
誓ったのです─‥。
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「優しさが一番」
幼き頃から
嫌というほど
母に言われてきた
言葉の一つ ‥
父と母の教えは
子供心に聞くと
まるで違っていた
父は、
強くあれと言う
すると母は
弱くてもいいと言う
父は、
常に歩めと言う
すると母は
立ち止まっても
いいと言う
父と母の教えは
まるで正反対な
気がしていた ‥
けれど、
2人の教えは
気付くと私の中で
結び付いていて
それは
長い歳月を
共に生き歩んだ
夫婦だからこそ
言える
信頼し合った
教えだと知った ‥
私は
母の教えが好きだ
皆、血を分けた
身内だと思って
優しくあれ。
どんな状況に
立たされても
ひたすら
正直者であれ。
全てに
飢えたとしても
決して人のものを
奪ってはいけない。
この3つが好きだ。
素朴で当たり前で
けれど大人になる程に
この3つが
難しく尊い事だと
思い知らされる ‥
だからこそ私は
この教えを忘れずに
母の遺影に
日々手を合わせ
約束する ‥
「優しさが一番」
特にこの言葉は
何百回聞いたか
分からない
母の生き様は
まさに
優しさそのものだった ‥
そして、
その優しさが
どれほど強いかを
証明して死んだ。
私にはきっと
生涯敵わないだろう ‥
それでも、
この3つの教えは
片時も忘れる事なく
私はこの先もずっと
生きていく ─‥。
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二人目の甥っ子が
産まれた ‥
1000グラムと少し‥
一般的には
超未熟児とされる
けれど
我が家族は何も
怖れてはいない
一人目の甥っ子は
540グラムだった ‥
100%の確率で
何かしらの障害を
持つとされていた ‥
だけど
そんな100%を
跳ね返して
3歳になった甥っ子は
朗らかでやんちゃ
元気一杯だ
この世に
あるとされる
100%の絶望など
私には関係ない ‥
耐え難い
絶望とされる
苦しみさえ
糧にしてやろうと
思えるからだ ─‥
私は
絶望などいらない
綺麗事で構わない
希望を抱くのだ ─‥
何かを変える為
何かを得る為
何かを愛する為 ‥
私は全てを
希望で
受け入れるのだ ─‥
そんな生き方も
悪くないと
そんな生き方だから
好きになれる気が
してるんだ ─‥。
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ふと、考えた
数年後の自分 ‥
分からないと
思った
ふと、考えた
数ヶ月後の自分 ‥
それもまた
分からないと
思った
ふと、考えた
明日の自分 ‥
やっぱりそれも
分からないと
思った。
ふと、気付いた
人生は
そんなものだと ─‥
過去は
塗り替えることは
出来ない
そして
未来は全く
予測不可能だ
今を生きるとは
何だろうかと
考えた
それは多分
明日死んでも
悔やまないと
いうことだ ─‥
明日死んでも
悔やまない為の
今日とは
何だろうかと
考えた
それはきっと
今日が
幸せだったと
眠れることだ ─‥
幸せな眠りに
就く方法とは
何だろうかと
考えた
それは
今日という、今
笑っていると
いうことだ ─‥
つまりは
こういう事かと
笑みがこぼれた
幸せな人生とは
今日という
今この瞬間に
心から
笑えるという
ことなのだ ─‥。
過去は
塗り替えることは
出来ない
そして未来は
一寸先さえ
予測不可能だ
だから私は
眠りに就く前の
今日という今に
感謝の笑顔を
浮かべる
ことにした
ただそれだけで
なぜだか人生が
最高に幸せに
思えた ─‥。
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あのね ‥
微笑んでみて
欲しいんだ ‥
苦しくて
悔しくて
声を上げて
泣いた後でいい ‥
力なく
肩を落とし
うつむいたままでいい ‥
微笑んでみて
欲しいんだ ‥
馬鹿馬鹿しい
矛盾と理不尽に
苛まれても
わずかで
構わないから
微笑んでみて
欲しいんだ ‥
ただ微笑んだ
その一瞬に
呆れる位に
何かを許せる気が
するんだよ ‥
立ち上がれる気が
するんだよ ー‥。