詩人:山鳩 | [投票][編集] |
夕暮れの空を見つめて
翳り行くこの部屋でひとり
ただ救われるのは
君の決心が僕を悟らせたこと
途切れた愛にすがりつき
心の弱さに埋もれてしまう
無言のままに去りゆく勇気
自由になること
君はそれを教えてくれた
明日の朝
君はいつものように出てゆく
昨日に背を向け振り返らずに
苦しみの涙はもういらない
安らぎが生まれ
ささやかな自信を感じながら
夏が通り過ぎてゆく
詩人:山鳩 | [投票][編集] |
夏に巡り会い夏に別れてゆく
いつも傍にいてくれた君
君の匂い そのほほえみ
いつしかうすれて忘れゆく
やさしく語る君の声
そよぐ風にのせて
私のこころに沁みてゆく
夏は通り過ぎやがて秋
季節は巡り知らぬ間に
白い冬を迎えやがて花の香り
君と過ごした幾つかの季節
そして君が去ったこの夏
君が残してくれてもの
君が教えてくれたもの
この手にあるのは
すべて君からのもの
嘘のない君の愛に
ひとときの倖せさえ与えられず
私は返す言葉もなく
ただ心のなかでつぶやくだけ
詩人:山鳩 | [投票][編集] |
色鮮やかな赤いバラ
じっと見つめているとその深紅の花弁に吸い込まれそう
でも
この赤いバラは本当に赤い色をしているのだろうか
花びらに反射した光の波長が赤と勝手に決め付けているだけで
もっている本来の色は全く違う色をしているのではないか
このバラを
心の眼で見たらいったいどんな色をしているのだろう
詩人:山鳩 | [投票][編集] |
君が好きだったこの丘で
声を張り上げ歌う
君が教えてくれた 愛することの意味
何もできなかった自分を変える為にも
だから私は歌い続ける
いつかどこかで君がこの歌を耳にするまで
なんども なんども・・・
詩人:山鳩 | [投票][編集] |
時とともに消える思い出なら
遠く帰らぬ若き日々のように
ただ過ぎ去ってしまえば
それで気がすむ
果たせなかったあの約束も
時がたてば
色褪せ消してくれるなら
生きる道も確かめられる
君の微笑がよみがえる
君のほかに誰かを愛せれば・・・
もう悲しみに慣れてしまい
やすらかな眠りさえも
今日もまた
一日のおわりに感じる
詩人:山鳩 | [投票][編集] |
空を見上げやがて雨も上がる
雲間から差し込む薄紫色の陽の光は
暗く沈んだこころに
ぬくもりを感じさせ和ませる
別れた人を想い涙する
この世に生まれ
偶然あるいは必然か
君と同じ時代に生きたこと
命ある限りふたり
見つめあい夢を抱いた
信じあい傷つけあい
零れ落ちた愛は何処へ
時は流れても
あのすばらしい思い出は
きっといつかよみがえるだろう
そんなささやかな望みをこの胸に
こころの片隅に記憶を刻み込み
また新しい何かを始める
雨もあがり哀しみも通り過ぎる
こころも晴れて
安らぎと自信を与えてくれる
詩人:山鳩 | [投票][編集] |
君が言いたかったこと
気付いて欲しいと願うこと
その意味をようやく
理解したような気がする
ふたりが倖せになる為に
別れてゆく それでいいじゃないか
そんな簡単な勇気が出せなくて
ただ現実に背を向けてきた
君と遠くはなれた今
君の私への真の姿を見つけた
私はようやく
終着駅に着こうとしている
揺られ続けたこの列車を
終に降りる時がきた
詩人:山鳩 | [投票][編集] |
君が好きだった
この『花みずき』という歌
君と会う時いつも聴いていた
君はどこか自慢げに
私にこの歌を教えてくれた
この街並みにも
花みずきの花が
ようやく咲き始める
白い花弁が十文字に
春の木漏れ日に揺れて
清楚に咲きはじめる
季節はめぐり
君が去ったこの街で
今ひとりこの歌を聴く
詩人:山鳩 | [投票][編集] |
また暑い季節が巡り来る
君との思い出つまったこの夏
楽しい思い出 笑顔の時
悲しみの思い出 涙の時
その折々の感情が
波のようにこみ上げて来る
あれからもう五年の月日
君は何を思い
どんな暮らしをしているのだろうか
ひとときの間でも
想いめぐらしてくれているのだろうか
それを知る術もなく
今は坦々と
こころ満たされぬ日々を過ごすだけ
詩人:山鳩 | [投票][編集] |
やっと逢えたねと
君にこの言葉を告げる日を
もう何年待ち続けているのだろうか
君は今何を思う 何も伝えず
私の心はあの時のまま
凍結し解けることなく
ただ行き着く所なく
亡霊のように過去を彷徨う