詩人:綾 | [投票][編集] |
気付けば
通学路を歩くことは
なくなっていました
バスや車で
走り抜けるこの町も
景色を変えてきました
思い出は
いつも優しいから
帰りたくなる日もある
でも悩みの数は
きっと同じくらい
あの頃の僕だって
泣いていたから
何もできなくて
途方に暮れていたから
制服に守られていた僕もいつからだろう
守りたいと思うものが
できるようになってきました
抱きしめる強さを
もてるようになってきました
切ないこともありますが苦しいこともありますがふと幸せな知らせも
舞い込んできます
だからまた笑えるんだ
だからまだやれるんだ
何度も自分を信じ直して成長の道をたどります
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面影をなぞると
俯いて泣く君が
最後の姿だった
哀しい事実を
片付けられないのは
君を愛していたから
さよならに冬が積もれば白んでくるだろうか
自由を与えられたのに
ため息が夜の空に
吸い込まれていく
約束はほどけて
一本の糸になり
元の形になった
一人でいた自分を
取り戻せないのは
君が心にいたから
さよならに冬が積もれば忘れていくだろうか
誰かが君を抱きしめて
苦手な寒い日を
越える時もくる
さよならにさよならを
雪が降るその前に
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右手と左手を重ねて
私と君の中に流れはじめた思いを守りたい
人々が寄り添う季節に
誰かを求めた時に
私と君がそばにいた
それも運命と呼ぶの?
白が深くなるほど
もっと必要になっていく
壊れてしまうことに
臆病な私達は
別れ際にキスを交わす
まだ自信はもてなくても離れたくないと感じてる
予想してなかったこの展開を愛しはじめている
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一緒にいる時間は
百通のメールよりも
大きいものだと思う
本当に大事なものは
簡単には手放せない
どんな言葉で飾っても
今ある形が現実なら
君はまた恋をできるよ
しっかりと掴みなさい
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夕日に透かしてみた
おれんじの手紙
ひみつの声を詰め込んだ
少しさびしい匂いがした
時のうめかた尋ねても
水面にさざ波が立つだけ
空にとけこんでく色が
私と君を染めあげる
ひとにぎりの言葉
ためらってしまうから
また背中を見送るだけ
小さな幸せ残したくて
つま先でくすぶる想いを
今日の上に転がして帰る
家路に向かうけれど
寄り道したいような
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忘れようとしても
忘れられないのは
素直な気持ちを
しまいこんだから
伝えたいことは
ずっと変わらないのに
季節がすぎるたび
余計に言えなくなる
雨がふりそうだとか
星がこぼれそうだとか
言い訳を見つけるのが
得意になっていました
君を呼んだら
ふり返るのに
涙が落ちそうで
空を見上げました
私のことを
好きになって
くれませんか
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雪の足あとに
つづいてく
ときどき
あなたがふり返る
白い空から
ふわりふわり
はしゃいでいる私に
手をさし伸べたあなた
笑顔があったかくて
駆けよった銀色の朝
日差しは冬の向こうでも
幸せをまとっていた