詩人:綾 | [投票][編集] |
おろしたての靴のよう
まだ馴染まなくて
擦れてしまった痛み
ためらいともどかしさに
桃色を溶かした恋煩い
こなれた頃には
今よりもっと私らしく
歩めることでしょう
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あの綿雲を食べたいと
あなたは言った
あたしは夏の夕刻に
甘い夢を見てる
ぎこちない距離と
行き場のない片手
海風が強くて
伸びた髪を耳にかける
見守るように月は
昼も夜も空にいてくれた
優しい色のシャツを着て
眠れることを
幸せと呼んでみたい
指先でいいから
近くにいたくて
寝息をたてる
あなたに触れた
気付かれないように
柔らかくそっと
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見えなくなる最後まで
あなたは私を送った
そこに特別な意味が
あったらいいのに
「またね」が次回を繋ぐ
あたしの小さな望み
コールして
留守電になって
あたしの勇気は
またもちこされ
恋をしてるなんて
認めたくなくなる
待ち遠しくなるから
切なくなってしまうから
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魚になれたら
雨も泳いでいけた
愛を得たその魚は
いつまで生きるだろう
温められた朝の
丸い空気が浮遊する
たとえ泣いたとしても
忘れようとは思わない
二人になったふたりが
私と僕になろうとも
君の名を音にすれば
天井に消えてゆく
海の底で憧れていた
あの遠い揺らめく光
それを味わった者は
同じ場所には帰れない
この世の幸福は
体温と鼓動と重力で
なんとも愛おしい
そして儚いものだ
だからきっと
君はまた愛するだろう
心配なんて要らない
死ぬまで生きるから
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シャワーのように
言葉が降ってくる
綺麗なものだけ残して
後は洗い流してしまおう
筆にのせた鮮やかな色
思いのままに足して
紙の上で自由に遊ぶ
胸に落ちることもある
知らない誰かの上に
寄せ集めて恋した一文
ミュージックも混ぜて
紙の上に自由に並べ
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カーテンの隙間から
こぼれるセンチメンタル
夕焼けが微睡む部屋
空いたグラス
畳み重ねた服
一周し終えた音楽
出番のないメガネ
送り損ねた手紙
壁の写真と落書き
1日を寝過ごしたように
恋をしてしまったように
佇んで泣きたくなる
好きだ。
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指でなぞる明日が
青く清くあるように
あなたを追うこの胸に
どんな名前も与えない
茜色は忘れられない空と
切ない影を作っていく
音の階段を
かけのぼるように
こみ上げる懐かしさを
いつからか知っている
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音楽はなくても
会話と笑いが流れてた
悩みや迷う心
広い海の前では忘れて
私の昔話と君の昔話を
月に浮かべながら
優しい夜を走る車
上り坂から眺める
懐かしい思い出の街は
きらきらと光っていた
澄んでいく心の隣に
君がいた特別な一日
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桜が舞いふるときは
とどめておけないから
夢のように綺麗なんだ
写すこともできなくて
離れてしまえば思い出の中
だからまた君と歩きたい
幸せをつかむように
花びらを追いかける
柔らかくこぼれる春の雨は
足元を淡紅色で染め上げる
また会えますように
この季節と君といる私に
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三日月の夜をすべって
君のもとへ帰るんだ
鏡になった水たまり
そっとそっと触れてみる
ゆうわりと
僕を見つめるボクが揺れた
好きをこの世にばらしたら
もっと好きになる予感がする
きらきら星を見上げて
僕は猫だから鳴いた