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綾の部屋  〜 投稿順表示 〜


[81] 無題
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おろしたての靴のよう
まだ馴染まなくて
擦れてしまった痛み

ためらいともどかしさに
桃色を溶かした恋煩い

こなれた頃には
今よりもっと私らしく
歩めることでしょう

2009/08/03 (Mon)

[82] わたゆめ
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あの綿雲を食べたいと
あなたは言った

あたしは夏の夕刻に
甘い夢を見てる

ぎこちない距離と
行き場のない片手

海風が強くて
伸びた髪を耳にかける

見守るように月は
昼も夜も空にいてくれた

優しい色のシャツを着て
眠れることを
幸せと呼んでみたい

指先でいいから
近くにいたくて

寝息をたてる
あなたに触れた

気付かれないように
柔らかくそっと

2009/08/07 (Fri)

[83] またね
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見えなくなる最後まで
あなたは私を送った

そこに特別な意味が
あったらいいのに

「またね」が次回を繋ぐ
あたしの小さな望み

コールして
留守電になって
あたしの勇気は
またもちこされ

恋をしてるなんて
認めたくなくなる

待ち遠しくなるから
切なくなってしまうから

2009/08/07 (Fri)

[84] 愛を得た魚
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魚になれたら
雨も泳いでいけた

愛を得たその魚は
いつまで生きるだろう

温められた朝の
丸い空気が浮遊する

たとえ泣いたとしても
忘れようとは思わない

二人になったふたりが
私と僕になろうとも

君の名を音にすれば
天井に消えてゆく

海の底で憧れていた
あの遠い揺らめく光

それを味わった者は
同じ場所には帰れない

この世の幸福は
体温と鼓動と重力で

なんとも愛おしい
そして儚いものだ

だからきっと
君はまた愛するだろう

心配なんて要らない
死ぬまで生きるから

2009/08/20 (Thu)

[85] 創作パレット
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シャワーのように
言葉が降ってくる

綺麗なものだけ残して
後は洗い流してしまおう

筆にのせた鮮やかな色
思いのままに足して
紙の上で自由に遊ぶ

胸に落ちることもある
知らない誰かの上に

寄せ集めて恋した一文
ミュージックも混ぜて
紙の上に自由に並べ

2009/08/20 (Thu)

[86] 数センチメンタル
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カーテンの隙間から

こぼれるセンチメンタル

夕焼けが微睡む部屋

空いたグラス

畳み重ねた服

一周し終えた音楽

出番のないメガネ

送り損ねた手紙

壁の写真と落書き

1日を寝過ごしたように

恋をしてしまったように

佇んで泣きたくなる

好きだ。

2009/08/26 (Wed)

[87] 風のいたずら
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指でなぞる明日が
青く清くあるように

あなたを追うこの胸に
どんな名前も与えない

茜色は忘れられない空と
切ない影を作っていく

音の階段を
かけのぼるように

こみ上げる懐かしさを
いつからか知っている

2009/09/11 (Fri)

[88] 再会
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音楽はなくても
会話と笑いが流れてた

悩みや迷う心
広い海の前では忘れて

私の昔話と君の昔話を
月に浮かべながら
優しい夜を走る車

上り坂から眺める
懐かしい思い出の街は
きらきらと光っていた

澄んでいく心の隣に
君がいた特別な一日

2009/09/30 (Wed)

[89] 桜ふるとき
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桜が舞いふるときは
とどめておけないから
夢のように綺麗なんだ

写すこともできなくて
離れてしまえば思い出の中
だからまた君と歩きたい

幸せをつかむように
花びらを追いかける

柔らかくこぼれる春の雨は
足元を淡紅色で染め上げる

また会えますように
この季節と君といる私に


2010/05/07 (Fri)

[90] みなもに月
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三日月の夜をすべって
君のもとへ帰るんだ

鏡になった水たまり
そっとそっと触れてみる

ゆうわりと
僕を見つめるボクが揺れた

好きをこの世にばらしたら
もっと好きになる予感がする

きらきら星を見上げて
僕は猫だから鳴いた

2010/05/13 (Thu)
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