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チェシャ猫の部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] みかん色のそら
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キミの髪からふっとリンスの薫り
たったそれだけでボクの胸は高鳴るのに
キミは例えボクが抱きしめたとしても
少し困ったような顔で微笑むだけなのだろう

眠れない夜にキミの声が聞きたくて
何度も電話を手にしてはみるけれど
結局最後の番号を押せないまま
こみ上げる切なさにまたほほを濡らす


放課後の教室でキミと二人
不器用な言葉を繕って伝えた気持ち
キミは少し照れながらそっとうなづいて
耳元で「私もだよ」って そうささやいてくれたよね

帰り道のバスの中から
窓越しに見た夕暮れの空の色は
まるで絵の具をこぼしたようにキレイで
忘れないようにそっとパレットにうつした

長く伸びた二人の影法師
流れる川の音を聞きながら
ただみかん色のそらを見ていた
茜色に染まったキミの横顔に
思わず胸がキュンとなる
キミがあの人を忘れられなくたっていい
なくしたピースはボクが埋めてあげるから
いつか真っ白なジグソーパズルに
二人で今日の空を描こう
ずっと忘れないように・・・

2003/10/13 (Mon)

[2] 月のキオク
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今日もまたゆっくりと一日が終わり
ボクはたった一人の家路をたどる
吹き抜ける冷たい風と
田園から薫る稲の香が
そっと秋の訪れを告げてゆく

新緑の風を感じながら
キミと通ったこの道は
もうすっかり秋の色がにじみこみ
空っぽになってしまったボクを
ただ立待月が照らしている

あの夜浜辺で語り合ったことは
笑えるくらいにしょうもないことで
少ししめっぽい潮風と
砂のぬくもりを感じながら
二人でいることがただうれしかった

だけど月日は流れ時はたち
浜辺に書いたLOVEの字は
波が静かに運び去ったみたいで
変わってしまったキミと浜辺は
ただ立待月に照らされて

二人夜空を見上げて
寄り添いあった
ふっと優しく見つめて
口づけあった
あの夜感じた不思議なぬくもりと
言葉にできない優しい気持ちだけは
きっと両手に抱いていようと

きっと、変わらないものなんてない
そんなの分かっているけれど
それでもボクらは願っていたい
ずっと変わらないようにと
美しく輝くあの月に

2003/10/14 (Tue)

[3] 今夜もまたボクは眠りにつく
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肩並べて歩いた夕暮れの河川敷
初めて手を重ねたあの日
キミとの距離が消えたと感じた帰り道

あの日の手のぬくもり
少し困ったような君の笑顔
そして懐かしい薫りを求めて
今夜もまたボクは眠りにつく
朝目が覚めたときには
ただどうしようもない寂しさが残るだけだと
知っているのに

一分一秒すべての瞬間が愛おしかったころ
いつかすべてがなくなるんじゃないかと
笑いながら泣いていたあの時
小さな裏切りさえも許せなかった幼い夏

二人での最初で最後の帰り道
空の色まで覚えてる
もう二度と
この手にすくい上げることはできないけれど
あの日感じた言葉にできないあったかさだけは
ずっと色あせないようにカギをかけておきたいから
これからどれだけの時がながれても
きっと夢の中のキミは あの日のままで
ボクに微笑んでくれるから

だから今夜もまたボクは眠りにつくよ
あの日のキミに会うために・・・
ずっと変わらないものを見つけるために・・・

2003/10/14 (Tue)

[4] enough dream
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あのころのボクらは地図さえ持たず
ただ夢中になってはしゃぎまわっていたね
なにか理由があるわけでもないけれど
いつも微笑を浮かべていられたんだ

道端で見つけたネコジャラシ
くすぐりあって転んだあの日
ガッコの帰りに見つけた路地裏の道
二人の秘密って指切りしたね

幼き日のボクらはきっと
笑えるくらいに単純で
嘘を覚えて育った今のボクを見ても
なにも知らぬ顔でほほえむのだろう
今を生きていたキミ達は
過去を振り返るボクに
切ないくらいにまぶしく映る

僕達は皆 十分すぎるくらいの夢を抱えて
生きてきたはずなのに
いつの間にか一つずつカギをかけてしまっていたんだ
「現実」という言葉のせいにして

さあ重い腰を上げよう
たまには振り返るのもいいけれど
やっぱ最後に残るのは前へ進むって道
覚えちまったなら 忘れればいい
忘れちまったなら 思い出せばいい
地図もコンパスも時計だって埋め
あの日の笑顔の意味を探しに行こう

2003/10/14 (Tue)

[5] キンモクセイの思ひ
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ほんのこないだまでは
キミと手を重ねて歩いたこの道
新緑の木々達はすっかりと衣替えを終えて
ボクの寂しさにそっと後押しをする

なにかが足りなかったわけじゃなかった
ましてや気に入らない所があったわけでもなかった
昔、オレがホレた女がこんなことを言っていた
「貴方が好きだから付き合いたくない」
あの時のオレにその言葉は難しすぎて
わかったふりして心のどっかに閉まってた

随分時間がかかってしまったけでど
今ならその意味がわかる気がする
満たされすぎていて怖い
いつかすべて
泡のように消えてしまうんじゃないかって・・・

自分勝手だって思うかもしれない
酷い男だって思われるかもしれない
ボクはそれでもかまわない
この先、キミにもっと深い傷を刻んでしまうくらいなら

風に吹かれ漂うキンモクセイの薫りにつつまれて
この道をまたたった一人で歩き出す
カサカサとゆれる落ち葉の音を聞き
捨てたものの大きさに気づく・・・

2003/10/17 (Fri)

[7] つじつまの合わない物語
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僕たちの夢にきっと
ストーリーなんて決められていなくて
ただその時その時の感情で
新しい物語を描いていくんだ

大人たちはみんな理解できないものを嫌う
理論立てて説明できないものを切り捨てようとする
子供たちの想像と創造を恐れて型にはめようとする

だけどきっと僕たちに型なんてなくって
はめようとしたってきっとあふれ出す
そう、ケーキ屋さんを目指していた主人公が
次の日には勇者となって魔王と戦う
そんな物語があったっていいんじゃないか

もっと遊ぼう
もっといろんな経験をしよう
もっともっと楽しもう

きっとボクらの明日なんて
どんなにすごい預言者にも予測できないから
だから自分達で明日を描こう
キャンパスからはみ出すくらいに大きく
ピカソよりもむちゃくちゃに

色とりどりの未来を飾ろう・・・

2003/10/18 (Sat)

[8] べすとふれんど
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お互いにお互いをホメあったり
お互いにお互いをなぐさめあったり・・・
マンガに出てくるような
そんな甘ったるい関係じゃないけれど
心の奥で尊敬しあえる
自分にないものを持っている
そんなやつ・・・

親友なんて言葉ハズかしすぎて口にしない
一日中一緒にいるわけでもない
ましてや相手のこと干渉したりしない
だけどやっぱりどっかで繋がってる
そんな関係・・・

きっとこの先一生親友だなんて詞
口にしてやらないけれど
それでもこの先ずっと
何十年経っても
隣で酒飲んでいれたらって思う
縁側で将棋でもさせたらって思う

そんな関係・・・

2003/10/18 (Sat)

[9] いつかきっと・・・
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気丈なキミが初めてボクの前で見せた一粒の雫
初めてあいつの存在の大きさに気づく

きっとキミは
ボクがどんなにキミを批判したって
どんなにキミを傷つけようとしたって
何もなかったような顔して
さらっと流してしまうはずなのに

あいつはたった5文字のわかれようって言葉で
キミの涙を呼んでしまう

涙に溺れたあとに見せたとびきりの笑顔
改めてあいつの存在の大きさを知る

だってキミは
キミが一つの恋を失ってから
ボクが毎日毎日話しかけて
やっと少しだけ・・・
淋しく笑ってくれるようになったのに

あいつはたった6文字のやりなおそうって言葉で
彼女にとびきりの笑顔を与えられる

今はまだぜんぜんあいつには敵わないけれど
それでもキミを思い続けたい
いつか自信を持って
思いを伝えられるように
好きですって言えるように

キミにとびきりの笑顔を与えられるように・・・

2003/10/18 (Sat)

[10] orange train
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逃げるように沈んでく
みかんみたいな夕日見ながら君は
照れくさそうに手をかざす
指の隙間から漏れるその色に染まった君は
キレイだった・・・。。


あの頃の僕はただただ一本道で
そんな僕が好きだって、キミは言ってくれた
今、キミの目に僕はどう映っているんだろう
嘘を覚え駆け引きを知り
少しずつ変わってしまった僕は・・・

キミの横にふさわしい男になれないけれど
せめてその心離したくなくて
臆病だった僕は
君の笑顔に背を向けた・・・。。


電車の窓
キミの横に立っておんなじオレンジ色見つめて
少しだけ君の手を握り締める

せめてこの距離が消えないようにと・・・。

2004/07/14 (Wed)

[11] 沈み行く茜色の女神
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少しずつネオンが色づき始め
煙ったい街が茜色に染まる
こんなにも疲れ果てた僕の心に
赤紫の千切れ雲から覗く夕日は
こんなにも深くしみこんでくる
切なすぎるその色に
きみの笑顔をふっと思い出す

広がりすぎた二人の距離と心にも・・・
きっとこの色は同じようにしみこんで
キミも今どこかでこの色につつまれて
ボクの笑顔を思い出しているのだろうか・・・

幼き日には
靴も履かずに追いかけたあの夕日・・・
ビルの陰に沈んでしまう前に
追いつこうと思いながら・・・

沈み行く茜色の女神に
いまはただそっと背を向ける・・・

2003/10/20 (Mon)
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