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剛田奇作の部屋  〜 投稿順表示 〜


[178] 紡いだら
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

永遠とか
無限とか
別れとか
高揚とか


自分とか
君とか
私とか
貴方とか


矛盾とか
性欲とか
野菜とか

森とか
水溜まりとか
太陽とか


価値とか
肉体とか
歴史とか
妥協とか


少数派とか
優しさとか
儚さとか
傍観者とか


始まりの終わりから
おしまいの始まりに
真ん中の永久
はみ出した


物語という悪戯
循環という呼吸


真実の虚空に

高まる呼吸






2009/01/25 (Sun)

[179] 地底大陸への問い
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

原生林に敷き詰められた
無数の万札を

片っ端からブルドーザーで拾ってもいいですか


積木を組み替えたら大富豪になる世界を

何と呼べばいいですか


祖母の死んだ
まだ温かいベッドで
性交しても良いですか


小川に流れていたのは
紙飛行機ではなく

削ぎ取られたママの乳房であったと

子供に教えていいですか


聖書とポルノ雑誌が
同じお金と引き換えなのは何故ですか


死刑囚の孕んだ胎児が
不敏といえば

誰かが育ててくれますか


人や金くらいしか悩みはありませんが

命を語って良いですか



答えを知るのは罪を侵したことのない人ですか



罪を創った神の名を
何と呼べばいいですか






2009/01/26 (Mon)

[180] 不徳の学び
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

涙の川を
大股一歩で踏み越えた唯一の少年は


恐怖を感じないことに罪を覚えた


屋根裏の死体から滴る
体液で転んだ少年は


予感を述べたら崇拝だと叱られた


命を大切にしろという先生は、命とは何か教えてくれない


見ず知らずのものを大切にするにはどうすればいいのですか


時間ってどこに行けば触れますか


ファミコンの電源も切れない僕は
命を守れますか


優秀と言われた生徒の作文を聞く

魚のような目をした凡人の卵たち


施された
傷付けない教育は

気付かない子供をつくるのに有効なのです


大人が勝手に見出だした可能性を
正しい夢と教わる


疑問には答えが存在すると教わる


答えを知ることで
優れると
教わる


優れることが幸せへの道、
幸せがゴールだと教える


子供が裏切られたと知った時


教師は大概死んでいる





2009/01/26 (Mon)

[181] 私は知らない
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

私は知らない

植物の名前を
まだまだ知らない

私は知らない

空の名前を
まだまだ知らない

私は知らない
木々や深海魚の歌を
まだまだ知らない

燕の涙を、大地の声を、
宇宙の突き出た破片を
私は知らない

眠っていたマリーがなぜ殺されたのか知らない

アフリカの少女がなぜ性器を切り取られるのか
知らない

私は知らない

鶏舍のニワトリがなぜ大量の卵を産むのか

リサイクルショップになぜ先人の命が並ぶのか

私は知らない

串刺しにされたヒツジの悲鳴を

その民族に受け継がれた、荘厳な儀式を


私は知らない

なぜ空は黙っているのか

なぜ雲は抗わずに消えていくのか


そして私は知っている

私が知らないということを

私は知っている

詩が私を書くのだということを

私は知っている

私が
あらゆる無数の生命を奪ったということを







2009/01/26 (Mon)

[182] それと呼ばれた名前
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

それを知っているのが
幸福なのかどうか

いまだに、わからない

だが、
知っている私は

菜の花を
美しいと
よい香りだと
語る

菜の花や美しさや良い香りを知らない時

どうなるのかは
知らない

知らないことに遭遇した時、湧き起こる感情よりも

名前や仕組みなどを優先させたのは

他でもない私


ただの美しいものは

ただのそれでしかない

本来、ただのそれでしかないものを、
どう受け止めようと

受け止めたものが

貴方だ

そして皮肉にも
ただのそれが
ただのそれでないと
知っている私は

貴方を
貴方と
語る


私の名を唱える歌が
不毛の海岸に横たわり

今も宿主の還りを待っている





2009/01/26 (Mon)

[183] 例えば別の何かになりたいとき
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

例えば午後
いつもブラックコーヒーを頼むサラリーマンが

息子とお揃いのクリーム金時を注文するとき


例えば春
薄めのブラウスを来て散歩するお姉さんの傍らに犬がいたとき


例えば明け方

可愛がっていた熱帯魚が死んでいたとき


例えばいつもと違う街で女を抱くとき


例えば田舎に帰る途中
列車の窓に雪が掛かるとき

白くて艶やかな抗がん剤を飲み込むとき

例えば
冷たい針を抜いては吐き
抜いては吐き
するとき

例えば それは

苦い嘘を吐くとき

涙で微笑むとき






2009/01/26 (Mon)

[184] 
詩人:剛田奇作 [投票][編集]



それは誰もが欲しがる砂の栄光
小刻みに奮え求めた夢

虹のような吸引力で我々を惹き付けてやまない

前例のない真実



それは
清らかなるもの
聖なる祈り


それはコンピューターの目盛り、法則性、プログラム
星の動く角度


それは無限の生命を生む大合唱
神秘という名の核



それは我々の舞台
すべてが興り
すべてが栄え
すべてが争い
すべてが廃墟と化し
すべてが塵になり
すべてが無に還る場所







それは存在
過去と現在の正しい座標の点

未来への細い導火線





2009/01/26 (Mon)

[185] 浴槽
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

ぬかるんだ浴槽に
生ぬるい夢をはり

しなびた性器を垂れ下げて男は浸かっている

これも毒のような眠りに立ち向かう儀式である


男はいつまでも
浸かり続ける


内蔵も眼球も完全に冷え切って霧のように溶けていくけれども

眠りはこれ以上に寒いことを男は知っていた


最期の骨の微塵が
溶解しきるその直前

男はざぶりと上がる
凍る夢を滴らせ

男はしづかに
欲望の形をした蛇口をひねり

時間というシャワーを体中のシワや間接に念入りに染み込ませる


眠りに
煮えたぎる虚無に向かうために


男は腐っていた夕食を吐き出すわけには行かず

かと言って飲み込めもせず
肺の中に押しやる


死にかけの金魚の小尾のように垂れた首の皮をいじりながら


男はただ
虚無を足元に広げ
呆然と立ち尽くしていた


男はただ


遺された唯一の温かいもの―…自らの心臓を祭壇に置き


廃水の行く先に詰まっている明日からの
簡素な抱擁を求めていた






2009/01/27 (Tue)

[186] 動物たちは
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

かつて人々が野性の動物の中に神の姿を見たように


動物はみな神聖なものだ


彼らは自然界において


絶対の掟に従って生きる


己の命が燃え尽きる時でさえ

血の一滴にいたるまで他の命の礎になりながら


潔く大地に還るだろう


その姿は美しいだろう


一方で人間は窮地に追い込まれたら


自分が死に値しない理由を箇条書にし


温かいベッドの脇に張りつけるだろう


そして私が、窮地に追い込まれたなら


ぶざまな醜態をさらして
狂い泣き

言い訳をするだろう

生という母の裾をわしづかみにし

偽りの笑みを浮かべ
へつらうだろう


そして息絶えた後も


私の髪の毛じゃヒナドリは冬を越せないだろう

私の皮じゃ楽器を作ることはできないだろう

私の剥製じゃ、金にならないだろう

私の体は黒く
異臭漂う油となり

燃料にすらならない
油となり


神聖な
清らかな大地を汚すだろう





2009/01/26 (Mon)

[187] んじゃ、いくよ、、
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

用意はいい?

よーい…
カラカラジョセフィーン


赤と黒、と…ショッキングピンク

トルストイ

ボヴァりー婦人、神経質だなもぅっ
一緒に秋葉原でコスプレしようよ

アン、おどおどしないで

さぁ

ヘレンをご覧…あんなに堂々としてる

サリバン先生

そくらてすのべんめーってなに?


(弁明ね、それは)

いわゆる冷蔵庫の奥にある いざという時のハチミツと、電話の子機みたいなものよ

じゃあ
あるばーと・あいんしゅたいんって?

それは、免許証の更新日に持っていき


コンビニでピッてやるやつよ


えむ.しーえっしゃーとチャットしたよ

つぶつぶ
いっぱいかけたね
君はどんなつぶつ
ぶが

好きかい

めんたまにどくろの
つぶつぶは

好きかい

きゅうめんたいの
おもちゃはいらないかい?





2009/01/27 (Tue)
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