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さみだれの部屋  〜 投稿順表示 〜


[233] サテライト
詩人:さみだれ [投票][編集]

真っ白のシャツ
羽のついた
あひる口のあいつが来る
照明に消えた
黒いとこがない
スクリーンのような
うらやましいやつ
いつにもまして
輝いてる
これからずっと
輝いてる

輝いてる
眩しいよ
空に溶けていけ
お願いだから

2011/08/22 (Mon)

[234] 百合の花
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死ぬまで一緒に
そう言って死んだ
あの瞳はまだ
輝いていたのに
誰が置いたのか
百合の花が
うつむいている
私の隣で
遠い昔の話
たくさんしてあげるね
遠い先の話
たくさんできるよね

月明かりに映った
長い睫毛から
最後の涙
どこへ向かうの
地平線の先
大気圏の向こう
青い屋根の上
水溜まりへ
ちょっと昔の話
たくさんしてあげるね
ちょっと先の話
たくさんできるよね
遠い昔の話
たくさん聞かせてよね
遠い先の話
たくさんできるよね

もうすぐ今の話
たくさんするからね

2011/08/22 (Mon)

[235] スーパーノヴァ
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退屈だと笑えば
忙しいと泣く
肩を叩くのは
いつも感情だった
だから今日は
君のために
誕生会を開いたんだ

机にクロス
シャンパンとごちそう
リビングには
プレゼントの山
好きなだけ甘えていいよ

嬉しいのはきっと
君だけじゃない
泣きそうなのは僕も
同じだから
肩を叩くよ
君から僕へ
僕から君へ

君から僕へ

2011/08/22 (Mon)

[236] 虹色の羽の天使
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寂しくなったら
枕元のイヤホン
アルペジオのイントロ
黙りこむ室外機
そろそろ天使が
虹色の羽の天使が
やってくるころだろう

窓から飛び降りて
ティンカーベルが撒いた光の粒
ああ飛べるんだっけ
どうでもいいことばかり増えて
飛んでるんだっけ

知らぬ間に覚めていた
薄明かりの中
誰にも言えない胸の内
保存しておこう
だってこれから
虹色の羽の天使が
窓からそっと
やってくるのだから

2011/08/23 (Tue)

[237] サンゴの森
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あの子が手を振っている
遠い日の夢の面影を背に
僕はどうしよう
何か言わなくてはいけない
踵を返して消える前に
何か言わなくては
だけど川があって
虫の声がうるさくて
太陽が嫌というほど近くて

蜃気楼のように
空を漂流する雲が
あの子をさらっていく
王子様でもない
不審者でもない
ただの雲が
あの子をさらっていく

だけど今
サンゴの森は祭りの時期で
どうやっても僕の声や
僕の体は思ったように進まない
そのうち月が巡って
一瞬の内に旅立つのだろう
あの子を見失って
後悔ばかりが巡るのだろう

2011/08/24 (Wed)

[238] パズル
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いくつも言葉を並べた
それなのに
たった一言が並ばない
出来上がりは見えてるのに

簡単な話
心が反対に引っ張ってるから
行きたいのに行きたくないと
子供みたいに駄々をこねるから

もう昨日は終わった
今日が始まってる
たった一言が並ばないせいで
すべての言葉が散らばった

2011/08/25 (Thu)

[239] 狂想曲
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くだらない
その愛欲を捨てたらもう
君は書けなくなるんだろう
くだらない
生きる喜びを見いだしたらもう
君はここには来ないだろう
価値を与えようと頑張ってみても
最初からあるんだよ
価値は

魂をすり減らして
だんだん虚無に近づいて
ついにひとつの感性を失う
おそらく俺はもう頭がどうかしてる

キチガイの懺悔
滑稽でしょ
生まれたての魂を
欲しがるあまり
ないことを悔いたわ

俺の肉を新鮮なうちに
しゃぶしゃぶにでもしてくれ
残った骨を揚げて
皿まで舐めてくれ

たぶん俺はもう頭がどうかしてる

2011/08/25 (Thu)

[240] ガラスケース
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非売品だろうか

余り物だろうか

どっちでもいいか

どっちも同じようなもの

そうだろ

2011/08/25 (Thu)

[241] 無題
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日向ではしゃぐ子供
まっすぐな流れ星
音をいくつも探して遊んでいる

陰で見守る大人
屈折する星屑
音をたてずひそやかに遊んでいる

線の上で飛んでる誰か
瞬く星空
音を大切に仕舞って遊んでいる

もう夕日が沈んだよ
雲が見えなくなったよ
ヘッドライトが邪魔して遊べない

ベッドの中で抱いた
ロボットの角が
音をたてず突いてくる

テーブルの上に並べた
夕食の残りが
音をたてず冷めていく

平らな世界に座って
ジグザグになぞった
星が音になって遊んでくれる

2011/08/25 (Thu)

[242] 夢に見る君
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夢見ていよう
いつまでもそのままに
空があるなら
夜も朝も来るから
夢見ていよう

楽しいことも忘れて
悲しいことも埋もれて
幸せな時間だけが
永遠に続くように

それでも君は
いつまでもそのままに
幸せもツキがないときも
大切にしてる

夢が終わる頃
何が待ってるのだろう
変わってしまっても
変わらないものがあるから
夢見ていたいと思う

2011/08/26 (Fri)
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