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さみだれの部屋  〜 投稿順表示 〜


[243] 心の断片
詩人:さみだれ [投票][編集]

踊るような
湧き上がるような
虚ろになった
満腹になった
つれないね君も
でかすぎる夢を抱えるばかりに
小さすぎた妖精や
風のような踊り子を見失う

のらないね君も
でかすぎる夢を抱えるばかりに
空を飛んでるUFOや
闇のような怪物に触れられない
本当はもっともっと見えてたのに
遊んでるような
転んでるような
つぶれてるような
穴が空いたような
蔑ろにした
呼吸を止めさせた
つれない君
のってよ
もっともっと触れてよ

2011/08/28 (Sun)

[244] 家族
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弟は生まれたばかりの
純粋無垢なその手を伸ばす
君は遠くへ
庭も川も国も越えたところへ
向かうのだろう

姉は夜な夜な泣いてる
階段の下で歯を食い縛り
あなたは閉じ込められてる
ように思っているけれど
大切だから開けられないんだ

母は布団の中で
おかえりと呟く
あなたは夢の中で
穏やかに暮らしてる
夕日のさす部屋で

父は毎朝ココアを
僕に差し出し家を出る
誰より長く外にいて
誰より大きなその手で
スプーンを回す

ああ、あれはたぶん
生まれてくる前の記憶
僕が生きた匂い
君の声やあなたの仕草
忘れちゃいけない
そんな気がするだけ

2011/08/28 (Sun)

[245] 
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鏡の中

眠らず独り言

楽しかった?

奴は言う

しみったれた顔

月は半分

片方の目が睨み

もう片方は闇の中

閉じられた窓

それは背景

虹色の蛇

それは輪郭

開けて出られない

鏡の中

飛び散る破片

欠けた奴

ない

言葉もない

眠りもしない

朝が来るまで

息を止めて

ねぇ

2011/08/29 (Mon)

[246] ミラージュ
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世界地図の真ん中
飛び出した僕ら
太陽が笑う
無謀だ、やめときな
丈夫な船と
いくらかの食料
いつだって僕ら
帰ってこれるさ
簡単な旅
光の航路
見送りも後腐れも
置いていくんだ
最高の旅
コンパスはプリズム
なんてことはない
いつだって帰ってこれるさ

2011/08/29 (Mon)

[247] 単純な心
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単純なことは寝かしつけよう

難解な言葉忘れてしまおう

単純な心遊びに連れていこう

難解な僕はお留守番さ

もぬけの殻

自由だ

単純なことは寝かしつけよう

難解な言葉はベッドの下

単純な心窓を叩いてる

もぬけの殻

自由だ

テレビの前

断続的な赤、青、緑

単純なことが落ち着いてくれない

難解な言葉クローゼットの奥

単純な心

今にも怒り出しそうな

単純な心

今、もうシーツに包まって眠った

眠った

2011/08/29 (Mon)

[248] 投獄
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自分には何もないんだろう
生きてる価値すらないんだろう
死んでいいなら、いいよ殺して
夜が明ける前に
心がちぎれるよ
体から、ゆっくり
それは魂?
星になるんだろうか
認められることも認めることもなく
与えられることも与えることもなく
壁が迫る夢と
鳥を撃った音と
水面を跳ねた石が
笑いにきた
理想や現実が
泣きついてきた
悪いけど
全部、ゆめ
見たことない、ゆめ
詩人めいた、ゆめ
死にかかった、ゆめ
恋をしたような、ゆめ
番狂わせの、ゆめ
闇のような、ゆめ
幸せだった、ゆめ
傷のついた、ゆめ
光るような、ゆめ
羽が生えた、ゆめ
落ちるだけの、ゆめ
帰りたい、ゆめ














2011/08/29 (Mon)

[249] タナトス
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散らばった本
晒された月の痴態
うっとうしいカーテン
緑の曲線
与えられた赤と
掘り起こした青で
夕日を沈めた

今日も会いに来る
ひとりきりの逢瀬
抱擁する
一緒にいよう、と
タナトス
夢や現実を剥がしてくれ
理想や虚言を裁いてくれ
ことあるごとに僕を
抱きしめ惑わしてくれ
タナトスよ
確かな実像をあやふやになるまで粉々に
僕を星だと罵り
その身を寄せてくれ

















2011/08/31 (Wed)

[250] 生命反応
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涙は地下に
乾いた唇は海に
キスはだめ
命を削るわ
ごめんね
あなたのために泣けないの
つまりあなたは悲しく映らないの

喜びは屈折し
感情はバランスを無くし
繋ぐのは嫌
この手はあなたのものじゃないの
私のための手なんだから

出番を終えた雑貨
新しいものはそこに
いつもそう
魂なんてないのね
ごめんね
あなたがいなくてもいいの
だってあなた幽霊みたいなものでしょ
いるときはいて
いないときはいない
むなしい生き物なのよ

2011/08/31 (Wed)

[251] ステラ
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レコードの針が
飛び出す頃には
私はきっと
変わっているはず
手の中の本が
破れないように
優しくそっと
ページをめくってる
この物語が
終わる頃には
雲が白みはじめて
色んなことが見えるはず

レコードの針が
飛び出す頃には
私はきっと
帰ってくるはず
明るいときには
読めない心も
今夜はきっと
読めるはず
その物語が
終わる頃には
みんな起き出して
色んなことが見えるはず
だから

2011/08/31 (Wed)

[252] スローブギ
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一度だけ踊ろう
凍りついた海の上で
人魚と船乗りは恋を始めたけど
僕らは踊ろう
夜が明けるまで
その曲が終わるまで

2011/09/01 (Thu)
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