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さみだれの部屋  〜 投稿順表示 〜


[273] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

時は重たく
身を削るけど
慈しむ心は
変わらずに
あなたはか弱く
身を焦がすけど
愛しい心は
残っている

時は色を変え
年を取るけど
恋しい心は
若いままで
僕はさみしく
忘れられるけど
愛しいあなたは
記憶の中に
時は静かに
そばにいるけど
慈しむ心は
あなたの中に


2011/09/15 (Thu)

[274] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

誰よりも素敵な詩を

誰よりも素敵な言葉を

誰よりも素敵な人に与えられたら

心が躍り疲れて
太陽は声を潜めるだろう

何よりも悲しい涙を

何よりもさみしい気持ちを

何よりも深い空の果てに捨てられたら

心がお腹を空かして
月は眠りこけるだろう



あなたが頬を弛ませて
この詩を見ているのであれば
この詩は初めて完成する
素敵な詩へと変貌する

2011/09/16 (Fri)

[275] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

少しずつ離れていく
引力がなくなっている
寄り添うことはできなくなる
手のひらに乗るほど小さくなって

手って
こんなにも脆いものなんだ
ずっとは繋いでいられないんだ

光が届いているうちに
声が聞こえているうちに
支えあっているうちに
楽しい時間が過ぎればいいのに

背中に隠したもの
庭に植えたもの
守りたいと思ったもの
そのすべてがずっとあることを
人知れず祈っている

2011/09/17 (Sat)

[276] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

そこはきっと暖かくて
音に溢れているんだろう
きらきらしてるのはたぶん
誰かがいるからなんだろう
いつでも触れられるように
痛くない形と心
それでも触れられない僕は
きっと尖っているんだろう

もしもそこに友達や恋人や家族が
手を広げて待っているのなら
今すぐにでも飛び込みたい
ギザギザの形と心
割れてしまわないように
そっと抱き締めてくれるなら
今すぐにでも飛び込みたい

ほんの少しの優しさや勇気で
今すぐにも

2011/09/17 (Sat)

[277] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

気ままに歌う
熱を冷まして、と
凍りついた海と
溺れかけた人魚姫
船乗りに会えないと嘆く
月の光は散り散りに
私やあなたのもとへ来て
手をとり、引いていく
ガラス張りの星屑の街に
あなたは大丈夫かしら

2011/09/17 (Sat)

[278] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

ぼろ雑巾のような毛
目は白く濁った
歩くのも面倒で
小屋の中に引きこもっている
たまに言うことを聞けば
ごちそうにありつける
でも撫でられるのは気持ち悪い
噛みつけば叩かれるから
我慢している

逃げないように鎖をしているけど
逃げたあとの生き方がわからないから
逃げようなんて考えちゃいない

俺はもう諦めてる
爪を研ぐことも
手の汚れを落とすことも
ただそこにいて
たまに名前を呼ばれて
悪いことは聞かないようにすれば
生きていけるんだから

2011/09/18 (Sun)

[279] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

コマンドはひとつ
これで奴らは一掃
ゲームの中じゃ
誰にも負けない
仲間なんていらない
邪魔になるだけだ
魔王なんて
ひとりで十分だ

手の中のコントローラ
ボタンはひとつ
AでもBでもない
ボタンがひとつ
コマンドはひとつ

物語なんて必要ない
魔王が最初で最後
レベルは99
仲間はいない
勇者の剣は
振りかざすだけ
勇者の盾は
見た目以上の効果はない
コマンドはひとつ
魔王の攻撃
百度目の全滅
なぜなんだ!?

手の中のコントローラ
ボタンはひとつ
上も下も横もない
ボタンがひとつ
コマンドはひとつ


2011/09/18 (Sun)

[280] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

あんたらは何か嫌なことがあるとすぐ腕を切るね
薬を飲んで楽しい夢を見ようとするね
あんたらは何かいいことがあると何をするの
くたくたになって見る夢はどうんな感じかな
生きるために腕を切るなんて馬鹿げてるね
プールで死んだふりしてぷかぷかするのもいいね

そうやって生きてるから
死にたくなるんだよ
いつでも死ねるなんて強がりや
いつ死んだっていいなんて諦めは
うまいもんでも食って消化してしまえばいい
忘れてるの
あんたらの身の回りにもあるでしょ
わからないならもういっそ死んでしまえ
中途半端な希望すら切って
死んでしまえ

2011/09/18 (Sun)

[281] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

よくない天気
グラスに半分
ため息注いで
ソーダで割るの
泡の出口を封鎖
部屋の空気も閉鎖
一人が好きよ、と
鎖国してみるの
けれどノックの音が
雰囲気を駄目にして
曲はまだイントロ
帰ってほしいのに
重たい腰あげて
鍵を回すその手が
綺麗に見えて
見とれてしまうの

よくない気持ち
お風呂に半分
ほぐれた腰に
泡の愛撫
逃がさないように
溺れないように
飽きないように
泣き出さないように
静かな世界
小さな街
一人は嫌よ、と
声を出したの
聞こえないふりばかり
気づかないふりばかり
本当は気にして
そこにいてほしいのに
けれど嘘が得意で
雰囲気を駄目にして
100数えないうちに
出ていってしまう
一人になること
知っているから

一人になること
知っているのに


2011/09/18 (Sun)

[282] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

浮き輪のない夜
海には行けないよ
潮の香りだけ
楽しんだりして
お城が崩れないように
見守ったりして
長い時間がたって
誰もいなくなって
それからはただ
ぽつりぽつりと魚が飛ぶ音

見違えるほどに
変わったよ
生まれたばかりなのか
おぼつかない思いやりが
たくさんの人を困らせたよ
たくさんの人が喜んだよ

最後の希望
サンダルが示す
あの軌跡をたどり
今はもう銀河の外
見えなくても手を握って
ゆっくり力を弱くして
ひとりでも平気だって思えたら
軌道は大きく変わる
新しい星の引力

匂い

それはいつかの海にも似ている
気がする




2011/09/19 (Mon)
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