詩人:大示 | [投票][編集] |
自分が正しいと信じて
疑わない
狭く
そして浅い知識に何の疑問も
感じない
いつもすれ違いの会話に
嫌気がさしても
ぶつかろうとしない
いつから、なんて考えて
あげく批判しても何も無い
つらつら見てくれだけ賢そうな
単語を並べたって無意味だよ
あぁ、どうせバカならば
小気味の良い
バカになりたいものだ
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水面に背中を預けて
凍り付いた夜を見上げる
傾いた月が
独りの寂しさに震えているころ
星と夜鳥がサヨナラも言わず
太陽を迎えようと流れていく
僕はここで、動かなくなった
魚の様に
水のざわめきと
遥か向こうの遠吠えを聞く
朝になれば水は消え失せ
街の鼓動が蘇る
夜のすべては
太陽の裏側へ隠されて
道行く人も
知らないふりをしている
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心の壁を越えて届く声
これは誰の声なのか
疎ましく、しかし大事な声は
私の人としての部分を静かに
揺さぶる
それはまるで
長すぎる眠りから覚まそうと
呼び掛けている様で
何故、無視できないのだろうか?
何故、苦しいのだろうか?
何故、景色が揺れるのだろうか?
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愛だとか恋だとか
本当は
知らない方が良いのかもしれない
知ったと同時に
いつか失う日が来ることも
知らなければならない
「失う苦しみが人を強くする」
そんな使い古しの綺麗事が
万人に通用する証が何処にある?
かといって
かといって独りで生きられるほど
僕は器用じゃなくて
あぁ、
今ならサンドイッチの具になれる
・・・気がする
詩人:大示 | [投票][編集] |
あまりに高すぎて見えない
あまりに遠すぎて見えない
あまりに近づきすぎて見えない
目標
夢
心
「君が望むものは彼処にあるよ」
そんなふうに教えてくれるのは
好きな人だったり
大嫌いな人だったり
独りきりではヒントすら
見付からないのかも知れないね
だから今日も出会うんだ
大嫌いな、あの人に
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祈りが呪いになる
それは本当に一瞬の出来事で
気づけば
自分も他人ものみ込まれている
呪いが祈りに戻る
それは本当に気の長い話で
気づけば
誰もいない場所に一人佇んでいる
呪いは集い
いつか誰かを傷つける
祈りは孤独で
他の誰にも分からない
私のこの心が
いつか誰かの目に止まるならば
孤独で在りたい
もちろん祈りの為に
詩人:大示 | [投票][編集] |
君の心の奥で生きているあの人は
どんな姿をしていますか
僕の心に眠っているあの人は
いつも怒っているよ
いろんな顔をしていた筈なのに
思い出すのは、いつも同じ顔
少し語ってください
君の中にいる、あの人の顔も
僕は知りたいから
星空を旅するあなたよ
愚かだと思いますか?
いろんな人の中にいるあなたを
思い出の欠片を
大きなパズルの欠片の様に
かき集め
あなたを組み立てようとしている
完成したあなたは
本当のあなたには成らない
それでも「忘れたくない」
この個人的な我が儘が
僕を突き動かしている
我が儘ついでに、もう一つ
願わくは
パズルのあなたが
笑っていてくれますように
詩人:大示 | [投票][編集] |
いつも、そう
黒く歪んだ思想に浸りきった後は
たくさんの言い訳を飲み込んで
人知れず誰かに赦しをこう
いったん沈んでしまった
どっち付かずの心は脆いけれど
あなたの暖かい声を聞く度
僕の心は定まる
冷たい夜に灯る家の明かりの様な
ジワリとする響きに
いつでも人に戻れるよ
懺悔と救いの間を
幾度、さ迷うのだろう
それでも
迷うのは決して無駄ではないと
僕は信じたい
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誰の為の私?
つまらない言葉に踊らされ
誰の為のあなた?
同じ髪型、 同じ服
誰の為の世界?
心無い争い、騙し合い
私は今、私ですか?
あなたは今、あなたですか?
この世界は
誰が望んだ世界ですか?
詩人:大示 | [投票][編集] |
旅の途中、夢探し
疑心暗鬼を住み着かせ
人を見る眼は疑り深く
邪魔はするなと
言の刃をばら蒔いて
歩きづらい、この道を
更に酷く荒れさせた
君が望んだ、その夢は
更に向こうに遠ざかる