詩人:大示 | [投票][編集] |
手探りの道と
最初から決められている道
確かなのは
『きっと、どちらも楽ではない』
たった、それだけ
どうせ楽でないのなら
一本、作ってみよう
足跡の無い道を
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独りの世界で
生きる意味を探しにいったまま
帰って来ない
鏡の国を覗いた君
閉じ込められて、ずっとそのまま
君に似た、たくさんの民
万華鏡の花が咲き誇る
間違いだなんて思わない
触れないなんて気づかない
君が作り出した世界に
友も
僕も
父母さえも入れない
君が作り出した世界なのに
君自身が冷めた目で見ている
そんなに気に入らないなら
帰っておいで
少しでも物足りないと思うのなら
帰っておいで
君のために帰っておいで
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おうちへ帰ろう
赤く燃える夕焼けに
全部呑み込まれるまえに
おうちへ帰ろう
見馴れた公園が
知らない場所になるまえに
おうちへ帰ろう
小さな子猫が
とぼとぼ、ついてくるまえに
一緒に帰ろう
僕の他には誰もいないけれど
一緒に眠ろう
寒い寂しい世界で凍えないように
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その裏側に何を隠しているの
曖昧なタトゥーを
白い身にわざと焼き付けて
『この模様、何に見える?』
模様の答えなんて
初めから無いのでしょう
知りたいのは裏側
その輝きの、その反対
はぐらかさないで
こっそり、教えて
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雲の狭間から流れる光よ
暗い水底のような
この心にも降り注いでくれ
何かを見ることも忘れ
全く真っ暗な世界で
安寧を求めようとしている僕に
それは間違いだと
一筋、照らしてくれ
ここは冷たすぎる
ここは暗すぎる
ここは誰もいないと錯覚させる
僕が今、腰掛けているのは
誰の骨
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ほろ苦い夕闇の中
僕の部屋を覗きこんでいた
あなたと目が合い
あなたの死期を知りました
季節は、とうに過ぎ行き
風に拐われて
落ちる種
あなたの涙の様に見えて
胸が、ざわついた
だから僕は、こうして
あなたを抱いています
いつしか
僕の亡骸を苗床にして
夏の忘れ形見が
のびてゆく
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それぞれの過去
十人いれば
似たような過去
羨むような過去
想像もできない苦しい過去
十が百になれば
その分、いろんな過去が増える
誰もが羨むような過去と
誰もが逃れたい苦しい過去
もし、過去を交換できたら
僕は幸せになれるだろうか?
君は
君のままでいられるだろうか?
でも結局
そんなことは不可能で
だから僕は
ひねくれた僕のままで
そして君は
甘ったれの君のままで
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勝手に忍び込んだ
『咎』
それは、誰からも疎まれた
ツギハギだらけの心が
彼にすら気付かせることなく
成長した姿だった
ツギハギはまだ必要だろうか
心に焼き付いたものは
もう、きっと剥がれないから
誰にも気付かれることの無い
法に触れることも無い
いつの間にか勝手に背負った
精神的な『咎』
追い詰めないで
一言
自分に『許す』と呟いて
心の傷は眠る前に開くから
背中を擦って
『痛かったね』と
見えない傷を和らげて
少しずつ一緒に治そう
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生きていれば
きっと会える誰かへ
君の姿も、何処にいるのかも
わからないけれど
僕は今
生きようとしています
生きていくのは
言葉以上に大変だけれど
『いつか、会える』
それを夢にした時から
覚悟は決まりました
どうか、まだ見ぬ君
今、独りぼっちでも
どうか、諦めないで
どんな時でも
ささやかな幸せが見つかる様にと
僕は祈っています