詩人:ユズル | [投票][編集] |
世界の中で迷うんじゃなくて
世界が迷い込んでるの
光が映らない瞳を笑う?
進めば進んでいくほど
夢は果てに近付いていく
冷え切った鎖で繋がった
軽く外せる鍵ひとつ
今こそって思ってみたら
たどり着くのは同じかな
もしもすべてが壊れたら
それが救いとは思わないけど
とどまることは出来ないから
手をとりあってみたい
大きな力で引っ張って
時間は果てないの
世界は今日もまわるよ
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きれいな世界を
使い古した筆で描いて
その幻を見ていた
ひとり揺れていた
夢のなかで知ったよ
胸に染みる物語
それは絵のむこう側
ほんとうの世界
少しだけ
ほんの少しだけ
歩いてみたいと
願いを抱いた
優しい風が
茶色い髪を揺らして
新しい靴をはいて
ゆっくりと今
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灰色の街の角
捨てられた夢が散らばる
輝かしい未来が待ってる?
たいそうな理想だなあ
君は知らないんだろうけど
炎は消えつつあるんだよ
幻想の世界を生きて
取り残されていくんだ
この汚い路地で
かかげたものは
光だと言うけれど
わかりあえないのかな
君が好きだった
君の涙がまた見たい
救いなんてこの空にはない
絶望が出口を塞いでいる
僕は蝕まれていく
それでも僕は
天使が降りてきても
希望は去ったと知っても
諦めが悪いみたい
偶然が重なったとき
君は帰ってくる
そして未来へ進む
いつか叶うと思わなくちゃ
君に会いたい
未来を生きたい
希望は絶やさないよ
いつか炎の途切れるまで
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夢のかけら
躊躇せずに踏んでいた
きっと そうだ
明るい扉なんてない
とまどいの真ん中で
見透かした振りして
ずっと待っていた
優しさを知っている
悲しみなんてもう
ひとりでは耐えられないほどに
どうか幸せに
それを難しくしたのは
誰だか気付いていても
ファンタジーから逃れて
とまどいの真ん中で
雨の中で晒し投げ
ずっと待っていた
優しさを知っている
あなたのためでも
わたしは決して蝶にはなれない
夢を見ていたのはだれ?
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とげとげになった心を
仕舞うこともせず
見せ付けるようにして
平和な通りを歩くよ
キライだな
感情論とか
深い洞窟からあざける
傷だってね
そんな深くないじゃない
簡単に塞がるわ
ただ鍵をかけただけじゃない
複雑に壊して閉じ込めよう
変わらないから
何も変わらないから
切り裂くことはせず
身を伏せながら
冷たいナイフを
イメージしながら
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子猫を見つけました
ひとりぼっちでした
雨が降る中を
気取って歩きました
子猫は夢を見ました
ママに会いました
濡れたまま
ミルクをあげました
なんでもないけれど
泣きたくなりました
心ってむずかしい
そう思いました
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飛行機が上に飛ぶ
悲しい雲をつきやぶって
金色の機体が行く
いくつもの星が降り
雨の矢がつきささり
きらきら きらきら
飛行機が空を飛ぶ
三色の宝石が輝いて
小さな羽の星も
見えるかな 君にも
遠く 遠くまで
悲しみが消えないから
綺麗に見えた
空のうえには何もないと
願いながら
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光の川を下る
ラジカセ持って
傘はいらない
帰らなくていいよ
悲しげな空まで
嘘をついた
優しさで
森をかきわけてふわふわと
そして気付く
渇いた奇跡
それは君の見てた夢
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重い足を引きずって
泥にまみれたぐちゃぐちゃを
崩れないように支えて
星の消えない場所に来たら
遠い汽笛を聞いた
畦道を駆けていった
動物の雲を眺めた
軋んだ夢を見た
青々とした樹々を掻き分けて
水溜まりを荒らしながら
ひび割れながらも飛んで
星の消えない場所に来たら
甘い飴の味を知った
還りゆく光に包まれた
蜜を求める虫と出会った
涙目でも夢を見た
ああ、
カチャリとなる
皿とナイフがぶつかる響きが
胸に染み込む度に
温かな湯気のなか
じわりとまとわりつく水滴に
くすぐったくなる度に
ああ、
夢を見た
壊れかけの夢を見た