詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
君は、会うたび私の知らないことを話す
お蔭さまで
こっちは妄想のスパイラル
まがりなりにも張り付くプライドのせいで
君に真実を確かめることもできず
君に感づかれないよう、そっと歳をとってく
いつも初めて見る服を着ている君
私たちが会ってない、新鮮な証拠
「仕事は上手くいってる?」
「そうなんだ」
「君のお嫁さんて、相当風変わりなはずだよね」
君のアパートのユニットバス
漂泊剤…ツンとした匂い だった
殺風景な部屋の冷蔵庫の上に
私が気まぐれにあげたサボテンが枯れずにちゃんとあった
来れなくなるならメールくらいちょうだい
でなきゃこんな遠い街のパーティーなんかにこないわよ
弱くて、私からは聞けない
君だけに会いに行くほど強くもない
ねえ、
君の部屋の
願わくば、私は
サボテンの埃になりたい
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好きだ
鼻垂らしながら
好きだ
うたた寝しながら
好きだ
一人の都会で
好きだ
目をそらして
好きだ
トースト食べながら
好きだ
強く手を引いて
好きだ
歌えずに
好きだ
空港で
好きだ
キッチンで
好きだ
海で、森で、アジアで、世界で、宇宙で、身体でで、心臓で
好きだ、 好きだ
好きだ、
好きだ。
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好きな人に
腕が触れた
隠そうとする息切れ
力が抜けてく
頭が、黒目が
ぼわっとなる
心臓がづきんってなる
もっと、もっと、もっと
全然、足りない
君に泣き縋ったら、嘘でも僕を抱いてくれるだろうか
温かいなら偽りで充分
愛し合いたいなんて
言わないから
きっと、正しくはない
罪悪感じゃ救えない
傷つく準備はいつでもできてる
だから永遠の中の
君の一瞬を
僕に分けて
今すぐに
愛されようと悠長に努力できる心境ではないんだ
大人にはなれない
思考なんて
最初からどこにもない
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大通りの人込みを抜け
風通し穏やかな公園にたどり着く
強くあるために、
できることを探した
子供の華奢な背中に
大きな未来が在る
泣く強さも
笑う弱さも、見当たらず
肩を寄せ合う
夕暮れの乗客
生きてもいい場所が在りますか
寂しさはどれほどだったろう
何も知らなくて
全て知りたかった
あてもなく感じる事も
いつか
誇れるような日々
生まれる事信じて
生きる証明をしたから
どうなる訳でもないけど
ただ、それは
見届けるため
笑顔に繋がる運命でなくても
歓迎できる事
学ぶため
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
哲学や
数学や
論理学は
人間が世界を解ったつもりになるために必要だ
人間は高等生物だというプライドが非常に高く
理由がなければ、行動できない不自由な生き物なのだ
そのチンケなプライドを満たす手段として
自己の置かれている世界を、文字という二次元的なものを駆使して分析する という方法が取られた
よって文字は、人間の思考を別の人間に伝える場合においてのみ、有効な道具であり
現実世界を説明するツールとしては、お粗末この上ない代物だ
その事実を忘れ
人間が文字を組み替えることで、現実世界を説明しようと試みるならば
いわば猿がマスターベーションしている行為と同等である
昆虫や動物の方がはるかに人間より世界の核に近づいている
我々は二次元の情報伝達の便利さに馴れ過ぎ
結果、逆に二次元の世界に支配される身となった
二次元の論理の獄中から逃れる唯一の方法は、
物事の有りのまま
自然の有りのままを
ただ受け入れる事
自然を五官で感じるだけでいい
到達しえない世界の核に少しだけ寄り添えるはずだ
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気付いたら
自由でありたいと願う
不自由に
がんじがらめになっていた
自由を求めないほうが
自由だった
そっか
追い掛けて得るものじゃないんだな
自由って
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なんだかんだいって
大好きなんだよね
なんだかんだ
満たされなくても
なんだかんだ
満たされても
なんだかんだ
ねぇ、もう
はっきり言っちゃっていい?
大好きなんです!
スマートさなんて
要らないや