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剛田奇作の部屋  〜 投稿順表示 〜


[230] 洗脳
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

進歩とか
最新とか
努力とか
結果とか
運命とか
時間とか
カネというものを
使うつもりで
使われている民族

心を縛られて悶々とするのはやめたほうがいい

この世界が生きやすいと感じる人こそ
病んでいるんじゃない
私はインディアンの村に行って

彼らに死に場所を教えてもらうまで

生涯を彼らと共に生きたい

守るものがなくなったらそうすることに
決めています

だから英語もペラペラにしました
旅費もちゃんとあります地図も
彼らに逢うのに失礼のない服も


あとは一人になるのをまつだけです






2009/04/13 (Mon)

[231] 拘りを捨てた猫
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

大家さんが追いかけてきた早朝


遠くでトランスミュージックが流れていると思ったら

キッチンの蛇口から水滴が高速で 滴っておりました

最近
スッポンに似た人をみました

朝ご飯は クリームソーダ

昼ご飯は レゲエ

夕ご飯は カシューナッツとぺんぎんの枕

キスをしてほしくてさ

生チョコを作ったの

夢で見た
広くてきらびやかな
デパート

扉を開けると

昔バイトしてた
古臭いバーだった

暗いバーの壁紙の
どこかの外国の森

占いのおばさんも
疲れてやってくる

夢は叶いますか

おにぎりが食べたいんです

兄は おむすびと言います

カーテンコールが響く夜
みんなでグランドキャニオンの端っこに行こう

ペヤングソースやきそばとヤカンを持って行こう

明日は曇りのち絵本
傘をわすれずに


背中に絵本を刺したまま歩かないで下さい




2009/04/15 (Wed)

[232] カーニバル
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

海岸の近くの公園にいくと

タンポポが
歩道にぎっしりと咲いてた

たかがタンポポ なんて 今まで思ってて

だってタンポポじゃ
花壇だって作ってもらえないじゃない

でも
びっくりしたの

何かのカーニバルみたいにね

彼女たち
華やかで 美しかったの
今まで花なんかにじっくり見とれた事なんてなかったけど

その時は別だった

美しく
強く
笑ってたの

強い潮風に煽られて

忘れられない想い

私の理想はタンポポ

真夜中に鳴くニワトリ

雨に散る葉桜

コンビニの真上を飛ぶ
鷹のツガイに

誓うわ




2009/04/16 (Thu)

[233] 優しい小石
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

ずっと遠くの
一瞬を求めて


君の瞳の中を探したんだ

あの朝方だったかしら
酷く懐かしい香りが

君の去った助手席に寝そべっていたの

それはもう
退屈そうに


手紙の向こうで
私が真剣だからと
笑うのはやめてよ


清らかな緑の側に
ネオンテトラの青い春


水槽にだって
音楽が流れてる


君は知らないけれど


明日、洗濯物を干す前

下ごしらえしたマドレーヌをオーブンに入れとこう

誰にあげるわけじゃないけど

これは君からもらった紅茶のおトモにするだけ


熱帯魚が好きになったと言った

ガランとした駐車場で

らしくないなんて目で瞬きしたね

でも君は
しっかり私を見てくれた

いつかのキノコのキーホルダー

色違いをね、見つけたの
タンポポの花束の強さ 陽気さ

明日
風が強くても
晴れていたらいい


錆びた自転車こいで
遠くの君に逢いに行こう

たまの現実逃避
バスは使わなくて大丈夫




2009/04/21 (Tue)

[234] 雪山の詩人
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

たとえば
雪山の美しさを知らずに
死んで行くのは不幸ですか

たとえば
モーツァルトを知らない音楽家は
幸せですか


たとえば
今から
愛する人に

なにもかもを放りだして

逢いに行くのは
間違っていますか


まだ届かない未来に

あの人の姿を思い浮かべるということ


たとえば
事実になることは
すべて奇跡

数え切れない可能性のなかから生まれた

たった一つの今こそ
選ばれた必然


どんなに雪山が寒くても

それは
この宇宙に一つの
戦利品

一塊の
この儚い紙屑さえ
戦利品


晴れていれば良い
わたしが天に召されるいつかの朝

きっと今朝のように
小鳥はさえずるだろう


そして
戦利品たちを
枕元にならべ

そうして
ただ

照れくさそうに
キスをしているだろう

その時にきっと
あの人の優しい溜め息になれるから


やがてくる
最期の朝に





2009/05/04 (Mon)

[235] ヘンタイ
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

たぶんそれは
おそらくそれは

焼けるような
君の体にまだ
充分に 触れていないかった為

いやおそらく
知ったことによる
事故か


愛はなくても
喉は渇くの
無償にね


おかわり無しじゃ
すでにもういられなくなってる


あともう一匙だけ
ミルクをちょうだいって
子猫が泣くの

今はもう
捨てて来たはずの子猫


飽きるほど
君に触れていれば
よかった
フォアグラ
食べ過ぎたら
嫌いになれる?


私の触手たちが
食べてしまおうとする

人間ってこんなにも
低俗なもの
こうして出来上がる歌も低俗極まりない

もうまるでお笑いよ

だからそんな甘い匂いで側にたっていないで

君の部屋のシーツは
君の体温で暖かい

生渇きの髪は枕をしめらせてる

ヘンタイって

君になら
呼ばれていいかな

どうしても
触ってみたくなっちゃったの




2009/05/05 (Tue)

[236] マチガイサガシ
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

マチガイサガシと検索すると


明け方
ジャングルで残したカルボナーラが出てきます
タイムの香がしていたのです


解らないなら解らないと言ってくだされば良いのです


それでもあなたと朝日を待ちましょう


夢の続きがしおりと一緒に落ちてしまうのです



君の右腕が私の胸に突き刺さって行う


優しい愛撫には
耐えられないのです


海岸の貝がらを代わりに刺して下さい


レイニームスクという黒い香水はもう売っていませんでした


君の視覚の名前


私の味覚の名前


ケチャップまみれはアメカジショップ


フランス文学のマヨネーズあえ


さしずめコントロール不能な君のロックオン機能


百円ショップがサポート


大切な名前
あるべき場所に帰して


僕らのマチガイサガシ


はじまったばかり


終わり無く


早く始めよう
マチガイサガシ


となりのおじさんの
鼻風船
弾けないうちに






2009/05/06 (Wed)

[237] 白針の風車
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

草原がある

見ると

数本の風車がたっている
真っ白な真ちゅうに

真っ白な針のような長い羽が

三本

風もないのに ゆっくりと回っている

無言で食卓についているパパとママみたいに


それぞれゆっくり
回っている


世界中の質問を無視して
魂がどこから来て

どこへ行くのか


じっと見ている

ただ 見ている


秋の片隅のどんぐりみたいに


地球の真ん中のどんぐりみたいに


大きな羽は

はたん はたんと

回って





2009/05/16 (Sat)

[238] 脳みそは海水によく溶ける
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

僕がまとった鎧だからね

僕にしか外せないのさ

こんな形でしか自由になれないけど

ほんの一瞬でも息継ぎできたら


海の底まで潜れるんだ


どんな温かい言葉も冷たい魚も


リズミカルな隕石の粒子だって


僕の体を擦り抜けていくんだ


説明もなしに襲ってきなよ


カレーライスのなかに溶かしちゃうからさ

どうせ 休むなら

裸になろうよ

矢があちこちに刺さっているんだろ?

知ってるさ


被害妄想?
悪くないね

海水は染みるけど
癒してくれる


まるでおふくろみたいにさ


パズルみたいに事故ればいいさ


積木みたいに崩しやすいのが有利


セロテープで止めたら やることないだろ?

さっきからどこみてるの


同じところを
見てない?

そこじゃな
いよ言葉?
鎖バラバラ会議?
クスクス遊泳
わかった?
見つかった?


再生
完了


違うペンを使うならキャップは閉めてから


補色の魚に挟まれて
苦笑いする前にね






2009/05/18 (Mon)

[239] レントゲンの刺客
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

大好きな君には
新聞紙の飛行機
ハネムーンに行こうよ

愛してる 嫌い 嘘つきには塩飴

初めだけ 冷たい 時間 前髪には
ジンギスカン

カラオケボックス
にタイカレーと言魂

離婚した朝には
豆ごはん


自家製煮干しふりかけが喉にひっかかる期末試験

意外と気散る

再婚日には
プルタブを集めて貰った車椅子が届く予定


なんとなく買ってしまうのはサランラップ


地球に優しい素材でもまとめ買いしたら意味ないし


おや
これ詩じゃないよ

実話だ

だって詩の核はため息なんだから





2009/05/18 (Mon)
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