詩人:黒夢 | [投票][編集] |
白い白い雪は全てを覆い尽くしていく。
全てを白く染め変えて、世界は白くなる。
それだけでいい。
僕の目に映るのはそれだけでいい。
それだけでいい。
そのまま全てを白くしてくれたら。
それだけでいい。
君の姿がよく見えるから。
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嘘を嘘と言えずに。
真実を真実と言えずに。
本当のことを話せばただの言い訳になりそうで。
貴方の射る様な視線が怖い。
ただ
貴方には分かっていてほしいだけだったのに。
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守りたいものがある。
かけがえのないものがある。
きっとその為なら、僕は悪魔にでも魂を売り渡す。
消せない想いがある。
譲れない願いがある。
きっと命をかける理由なんてそれだけ。
伝えたい言葉がある。
まだ果たしていない約束がある。
きっとそれだけが僕を生かしている。
きっとそれだけで僕は、生きていける。
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見上げた空は、鉛のように重い色をしていた。
このまま生き続ける先に、青い空はあるだろうか。
『明日』という未来に、あの空はあるだろうか。
そこに僕の姿があるのだろうか。
数年先の未来を望む僕が馬鹿みたいだ。
1秒先の未来にさえ
この姿が在るかどうか分からないのに。
確証のない未来。
つかめない瞬間がただ、もどかしい。
そうやって不安を感じる夜はいつも
自分を安心させるように
空を見上げ、天を仰ぐ。
きっとその行動にさえも、意味はない。
気休めに過ぎないけれど
変わらない真っ暗な空を見ていれば
時が止まったように思えるから。
束の間の永遠を、感じていたいから。
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きっとそれは誰かの為で
決して僕の為に用意された場所ではないけれど。
きっとそれは誰かの為で
決して僕のものにはならないけれど。
きっとそれは誰かの為で
決して僕の為にかけられた言葉ではないけれど。
それを知っていて
それでも求めてしまうのはきっと
僕が弱いことを意味する。
強くなりたい。
欲に負けないくらいに。
強くありたい。
いつも笑えるように。
強くなりたい。
何も求めずに済むように。
強くありたい。
現実に負けないように。
強く、強く。
何にも負けないくらいに。
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『生』のある者への証。『生』を選んだ僕等の誇り。
僕等の居た風景。僕等が在る光景。
まるで風に押されるように生きてきて
それでも簡単に振り返ることが出来るほどの
短い道だけれど。
生きている証。生き続ける誇り。
存在意義を唱えられても、此処に在る意味を問われても
格好良い答えなんて分からない。
ただ、ガムシャラに生きているだけだから。
歩んできた道。歩み続ける先。
僕等に振り返るべき優しい過去はない。
見えない道を探しながら、未来を照らす灯を探している。
今は、整えられた道を歩いているだけ。
望む明日。数時間先の未来。
日付が変わって一日が終わる。
そしてまた、今日が始まり今日を終える。
変わらないけど変わっていく、日常というサイクル。
ただ今日を生きる。
僕等が確かに此処に居た証として。
生きるという長い旅路を。
僕等が歩む軌跡を。
生きることで此処に刻む。
それが『生』ある僕等の希望。
『生』を選んだ僕等の、たった一つの誇り。
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本当のものなんて何一つ見つけられなかった。
嘘とエゴに包まれたまま
誰もに忘れ去られた真実。
確かなものなんて何一つ僕の前にはなかった。
真実を覆い隠す為の
何重にも重ねられた薄いオブラード。
ただ
その中で僕を抱きしめる君の温度だけが確かなもの。
僕の隣に居る君だけが
僕と世界を繋ぐ本当のもの。
お願いだから
この温もりを僕から奪わないで。
君以外の真実なんて
もう僕には必要ないから。
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私はあの日、貴方に恋をしました。
貴方の存在全てに惹かれた。
理由なんてもの、全て後からだったんです。
楽しそうに笑うところ。
優しい言葉をかけてくれるところ。
苦しい時、元気付けてくれるところ。
数え上げればキリがない程、貴方は素敵だった。
全てを目にするたびに
好きだということを感じました。
それから月日は過ぎて
見ているだけだった私が貴方の隣に立てた時
最高に幸せでした。
毎日が充実していて
とても楽しかった。
それ以上望むものなど、何一つなかった。
もうあの日のように笑い合えないことくらい
鈍い私でも分かります。
貴方の一番近くにいたから
貴方の変化に誰よりも早く気がついた。
このままじゃ駄目になると言って
貴方は私を突き放した。
私はそんなものどうでもよかったのに。
私はまだ、貴方が好きです。
しつこいと言われようが
どんな風に思われても構いません。
この想いは変わらないから。
私の心はまだ
出逢った時のまま
あの日のままに、貴方に恋しています。