詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
少女らは今日も空へ(まぶしい空へ)
繰り返す飽かぬ調べ
透明な時を待って(記憶を冷まし)
かき鳴らせ風のハープ
──強い意志あらわにし
姿勢をただして
──あっさりつかんだ
夢を僕には教えてくれないの?
少女らは今日も空へ(まぶしい空へ)
繰り返す飽かぬ調べ
輝きをほしいままに(一人占めして)
かき鳴らせ風のハープ
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
光が髪に透けて
夏の空を切り取るとき
泣きたいほどの緑
きみの町にあふれる
信じている 信じてない
それはつまらない問題
言葉よりも綺麗な花
きみに見つけてあげる
◆
◆
言葉も耳も辞書も
すべて意味を失うとき
迫力のある緑
きみの町を飲みこむ
根拠がない 理由がない
やはり陳腐すぎる定義
真実より強い愛を
誰も見つけていない
――――――――――
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
ありとある
知恵を集めたら旅立とう
世界の果てに導かれ
まなざしの
涼しい人々のいる国
憧れの地は西方に
おお 優曇華よ
道を見失うときに
三千年の約束を果たせ
スヴァーハー ※
善と悪
混じりて棲みたる世界こそ
我が浄土なれ
破れざれ
──────────
※成就あれ(梵語)
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
海が泣く
風が鳴る
鳥が飛ぶ
人が来る
風早の地名をもった
この入り江を風が走る
鳥は翼をちぎられて
海の蒼さに消えていく
人は望みを断ち切られ
海の深さを憧れる
海鳥の歌にあわせて
波は呪いを繰り返す
人のまなこは射抜かれて
風の速さに見失う
風早の地形をもった
この入り江は風の宴
風の
――――――――――
風早(集落)……長崎県西海市に実在する。
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
しあわせのクロワッサン
ふたりならカンペキ
君の悩み引き受けるよ
三日月が傾き
窓越しに微笑む
君はおちこんでちゃダメだよ
しあわせなんて どこにでもある
思い出して 今夜
あきらめないでね
夜空の女神は
いつでも君の味方
しあわせのクロワッサン
ふたりならジョウデキ
君の祈り引き受けるよ
三日月が輝き
照れながら微笑む
君も顔をあげてごらんよ
涙がにあう なんてイヤだよ
背伸びしてよ 今夜
無理してでもいい
笑ってみせてよ
願いはただそれだけ
しあわせのクロワッサン
何度でも歌うよ
君の笑顔見てみたいから
君の笑顔守りたいから
――――――――――
――――――――――
【しあわせクロワッサン】という声優二人のユニットが実在しました。
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
キララキララキララ………
キララキララキララ………
鏡の反射が指にからみつく
初恋の頃を思い出させたね
愛してる 愛してる
てのひらに散らばる 雲母を見た
愛してる 愛してた
悔やみはしないから 終わりの日でも
■
■
着替えをすませば知らぬ女性(ひと)になる
はじまりの頃を思い出させたね
愛してる 愛してる
くちびるに散らばる 雲母を見た
愛してた 愛してた
悔やみはしないから 裁きの日でも
雲母雲母雲母………
雲母雲母雲母………
────────────
――――――――――――
【オリジナル小説「雲母」あらすじ】
少年の望遠鏡の視界に偶然入った少女(女子高生?)の部屋。
その清楚な少女への淡い憧れは、彼女が質素ながらも化粧をし、同級生らしい彼を部屋に迎え入れた日で終わる。
終わりの日、きららかな光をまとい、少女は、少年が知らない女性(ひと)になった――。
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
もう 昨日と別れなさいよ
もう 靴紐むすびなさいよ
失うものたちは
いつでも多いけど
選びとったものと
不等号ならいい
さあ 船出のとき 錨を上げろ
帆を張れ 帽ふれ
「コンパスはどっちだ!?」
さあ 向かい風も味方につけろ
信じた未来をこの手につかむまで
さあ 船出のとき 錨を上げろ
帆を張れ 帽ふれ
「コンパスは未来だ!!」
もう 向かい風は味方につけた
信じた未来をこの手につかみとれ
─────
─────
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
小さな川は流れゆく
遥か海を目指して
還ることのない旅なら
私のくるぶしも濡らせ
毎夜大空に飛び交う
幾千の騎士たちよ
さびしい時には数えなさい
つながった心の色
はるか――国境と宗教を越えて
遠い町に住む友の胸のなかで
文化を運ぶものよ
社会を映すものよ
せめて今だけは やすらえ
■
■
光のない世界に住む
彼の名前を叫べ
自分の夢で歩けない
彼女の深い窓を打て
はるか――障碍と限界を越えて
遠い町に住む友の胸のなかで
歴史を語るものよ
希望を抱くものよ
もっと今よりも かがやけ
――――――――――
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
森を駆けまわる娘たちは
美しい脚と心を持つ
光れ ほとばしれ 森のいぶき
肌をさらす娘たちの髪を揺らせ
真実のいぶき
二畳紀の夢を見ているよう
人類はやがて愛に届く
■
■
歌をくちずさむ娘たちは
美しい指とかかとを持つ
とがれ 透きとおれ 森のいのち
胞子たちが娘たちの姿を借り
真実を語る
隕石の夏を繰り返して
人類はやがて神を殺す
■
叩け 焼き尽くせ 森のいかり
とり憑かれた娘たちの罪を清め
真実が笑う
贖罪の闇に森が沈む
人類はやがて自我を閉ざす
――――――――――
――――――――――
二畳紀…ペルム紀とも。恐竜が絶滅したといわれる。
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
窓際に肘をつき 月影に身をまかせ
癒されぬ傷もあると 私は知った
年上の貴女には 片手間の恋なれど
癒されぬ傷もあると 私は知った
現世(うつせみ)に生きるゆえに
悲しみは波の宿命(さだめ)
満ちる月 欠ける月に 心なごませれば
慰めの言葉になる
■
■
この思い 幾百に砕ければいいのにね
せめて ひとかけらぐらい 貴女に分けたい
陽ざかりの夏の日に 散る花があることに
貴女がたじろがぬよう ひそかに分けたい
季節(おりふし)に感じるまま
悲しみを友と迎え
昇る月 沈む月に 心響きあえば
ひとり寝の夜を過ごす
■
一瞬(たまゆら)の時を生きて
刹那の恋を夢みる
照る月に 曇る月に 心許しあえば
ひとり寝の夜を明かす
――――――――――