詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
僕は走っていた
突き抜けるような青空に見守られ
切り抜ける風に励まされ
ただひたすら走っていた
何処へ向かっているのか
何を目指しているのか
わからない
何かに追われているのか
影なる自分を振りきりたいのか
わからない
けれど
息を切らしながらも
ひたすら走り続けていた
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冬の夕闇は深く
街灯が鋭く射す
いつもの街並みは
いつもより少し遠い
神聖な雰囲気に
家々は息を潜め
寂寥を纏い空を仰ぐ
好きなんだ
冬のかんとした世界
限りなく黒に近い群青の空
一人になれるこの季節が
不思議と安らぐんだ
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寝転んでも
座っても
立っても
痛くて辛いことがある
それでも
やめないのは
それでも
上を目指すのは
楽しさを知っていて
僕の一部で
何よりも
大好きだから
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今になって
あの感情が流れだそうとしている
もう3年になる暗き闇
哀しみや悔しさを餌として
涙さえ取り込んだよ
強がりを決めこんでいた僕を
セメルでも
トラエルでも
なく
ただ中にあって
増殖と還元を繰り返していた
それなのに
今になって
溶け溢れそうになるのは
何故だろう
何故だろう
溢れないように塞き止めることに
多少なりとも
懐かしさを感じるんだ
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どうにもならなくなったら
たとえば
窓の外をぼんやり眺めたり
たとえば
空や海や山に叫んだり
たとえば
足が向く方へ散歩したり
特に理由も意味もなく
思うままに
気のままに
過ごしてみようよ
そうしたら
たとえば
子供になって泣き叫べたり
たとえば
頭や心がすっきりしたり
この世界で
少しだけ頑張れそうな
この世界を
少しだけ好きになれそうな
自分になるかもしれないよ
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今は無理だけど
今は思えないけど
いつの日か
僕にも訪れるのかな
失ったものよりも
得たものが眩しいと
辛かったことも
愛しいと
海の凪のように
穏やかに
思い出語れるかな
海の凪のように
穏やかに
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強すぎることも
弱すぎることもないから
日射しと呼ぶのも
日向と呼ぶのも
何か違う
撫でるように包み込み
優しくあたためてくれる
厳しい冬からの
優しい贈り物