詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
厚い雲が空を覆い
白く乾いた草が地面を飾る
雲と雲の間からは
朱に染まる夕日の光
田んぼには
白い霧がしっとり降る
モノトーンの空と
霧の田んぼに
冬を感じた
厚い雲の上
朱なる光が
とても温かく
とても 優しく思えた
そんな景色が
無性に淋しい
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はっきりしない痛み
曖昧な違和感が何より辛い
このまま
痛みの恐怖に捕われるなら
いっそ
壊してしまいたいと思うしまだ
未練があるようにも思う
ねぇ
もう動けなくなったら
曖昧な苦しみから解放される?
もし動けなくなったら
自分を責めて許せなくなる?
壊れかけのブリキ人形は
止まることに
動き続けることに
怯えている
止まれない
踏み出せない
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僕は猫
手がかじかむ季節は大嫌い
だから
守ってくれる毛糸のナイトがいないと駄目なのさ
僕は猫
少し待ち遠しかった
手が赤くなる季節
手は
毛糸を纏わず裸のまま
でもいいのだ
ねぇ何でか分かる?
それはね
君の手が温かいから
君の手に甘えたいから
なんだよ
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私は
生きているのでしょうか
涙はとうの昔に氷結し
空しさだけが
脈々と流れています
そして
何を見るでもなく
何を考えるでもなく
ただぼーっとしている方が
長いように思えます
友人と談笑してても
どこか冷めていて
上面だけの笑いを浮かべていたりします
超然ともとれる
他への興味の示し方
諦観にも似た
常に魂底にある感情
こんな私は
生きていると言えるのでしょうか
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ようやく
紅葉が始まりました
木々のそれや
あたたかな日溜まりは
まだ秋のものなのに
走りゆく車窓から
見上げた空は
もう冬のものでした
あぁ
もうすぐ年も暮れ
新たな年がやって来る
そう思うと時の経つは速く感じられます
あと半年で部活を引退し
あと一年で高校を卒業
何だか寂しい
今日この頃です
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空気が冷たさを増すほどに
空は純度を極め
月の光は四方に広がり
星は強く瞬く
山は靄に包まれ
街は深く眠り
息は白粉を纏う
私は
首にマフラーを巻き
手には手袋をはめ
背を丸めて世界に立つ
雪が降るなら傘を差し
寒いなら上着を羽織り
静かな世界を感じる
やって来る明日を
明日であう人を
愛せるように
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強さと弱さは紙一重だから
わからないんだ
痛みにたえることが
どちらにあたるのか
本当のこと隠して
゛自分゛を創っているのは
弱いから?
痛くても
動き続けるのは
弱さ故?
辛くても
泣けないのは
本当に強さなのでしょうか
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僕は小さな六等星
君は
僕の光よりも
お月様の光よりも
強い光に囲まれているね
君が
生きている世界は
いつも明るくて
夜になることはないよね
ねぇ
そんな君を
僕は
見てるけど
そんな君に
僕は
見えていますか