詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
教室を駆けていく風
冷たく湿っていて
少し雨のにおいがした
窓から見える空
白の多い灰色で
重たそうな雲が過ぎていく
寒くなっていく空気
紅葉はもう少し先だけど
冬はすぐそこまで来ている
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キレイな
大輪が咲いたハナも
蕾が咲かなかったハナも
後悔も
羨望も
散って始めて想い出になる
儚い恋
人々は
地面のハナに
興味なんて持たないけど
散ってこそ美しい
儚い恋
だって
想い出は
淋しさによって
美化されるのだもの
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甘い香りが包む道
その香りの正体に気付いた時
記憶のカゴを開け
想い出が解き放たれる
―君がいたあの頃
きっと
来年も再来年も
新しい想い出ができるまでこの香りとともに思い出すのだろう
―君の笑顔を
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ぽろぽろと堕ちていく
カサカサと消えていく
まだ花も盛りの年頃なのに
得るよりも
失う方が断然多い
潤い
活気
美しさ
あぁ蝶よ
そんな褐色の花びらに
滑りゆく空の屑を
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上手くなりたくて
辛いのも我慢した
もっと楽しみたくて
痛み堪えていた
なのに
どうして観ていることしかできない
抑制は身体を蝕み
無理は
好きな事を取り上げた
頑張ったのは
強くなりたかったからなのに
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大切な今も
些細な今も
同じ速さで流れていく
忘れてしまいたい自分も
色褪せさせたくない君も
同じ速さで流れていく
流れは全てに平等で
よくも悪くも
同じ速さで流れている