詩人:綾 | [投票][編集] |
小さくなっていく君に
途方に暮れていた私を
優しく笑ってやるんだ
味気ない便箋に並ぶ
癖のある君の字が好き
海の香りがしたのは
気のせいでしょうか
机の上で描いていた
なんてことない明日が
懐かしくなるなんて
ふたりの時計は
今も動き続けてるから
私もここまで頑張れた
今度帰ったときには
サイダーの代わりに
お酒でもどうですか
変わらない波の音を
聞きながら
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優焼け空に
交わる白い跡
あの飛行機は
どこへ行くのですか
あの鳥は
どこへ帰るのですか
同じ空の下で
それぞれ生きてきた
似てるところもあれば
違うところも沢山で
そんな二人が
巡り会ったことを
奇跡と呼んでも
恥ずかしくはない
ひとりで泣いた日さえ
温められてしまう
あなたが見つめる先に
私もいたなら幸せです
この胸の鼓動が
さよならを告げるまで
共に歩んでいくことを
許していてください
その道が私という
人生の軌跡になる
笑ってください
一秒でも長く
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空から降ってくる
優しすぎる雨は
誰かの願いのよう
いつもの道も
魔法がかかったみたい
いつもと違う
時間に出会えるみたい
葉っぱの雫が
すべりおちる音
土の柔らかさと
森のささやく声
重ねた手の温もり
守ることの強さ
こぼれそうな想いは
この雨空にあずけよう
あなたが好きな映画は
今では私のお気に入り
あなたなら
わかるでしょう?
私が思っていること
みんな誰かを待ってる
私はあなたに会いたい
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頬を伝う涙は
君の言葉がぬぐった
伸びた君の影に
ついて帰る
子供になったみたい
君の背中が大きくて
何度思ったことだろう
やっぱり好きだと
横断歩道の信号が赤になって
追いついた私
さっきまでの不安は
どんな風がさらったの
空の青が長くなって
もうすぐ夏が来る
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水風船が弾けるように
潔く声をぶつけたんだ
若葉は日差しを味方に
強がりな青葉になった
よくやったと
私を褒めながら歩く
凛々と新しい靴で
だんだんと胸が痛んで
ゆっくり歩けと
大人は言うけれど
やっぱり今は走らせて
水たまりに映る空を
ジャンプして
上り坂に負けないで
階段を軽やかに下りて
そのうち涙も忘れて
君への気持ちも
私から離れて飛んでく
両指で作ったカメラで
どんな瞬間を残そう
私だけの景色を
手に入れてみせるから
見上げれば誇らしげな
コバルトブルーの空
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寂しさは夜に残して
春が舞っていく
指の間をすり抜ける
淡い花びらの様に
気持ちをひとつ
こぼしていいですか
気持ちをひとつ
聞いてもいいですか
内緒にしてきた
君への恋を反芻する
後悔しないから
言葉にさせて貰います