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浜崎 智幸の部屋  〜 新着順表示 〜


[130] 【滑石】かっせき
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


生まれてくるとき
母の声を聞く

洗礼(先例)をうけて
ひとの世に入る

幸あれと
祈りの声

平穏(やすらぎ)は
二度と来ない




滑らかな肌をもって
生まれれば

不幸せなどは
知らずにいたものを

休めよと
産土(つち)が告げる

「滑石の色をあげる」

欲しいのは
滑石の‖‖‖

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2025/06/29 (Sun)

[129] 【夢の狩人】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


川のなかを見てごらん
野をゆく川を

透明な水のなかを
泳いでいるよ

覚めたくない夢だよ
つかまえようよ

たぶんみんなこうして
歩いてるよ


人の汗を見てごらん
貴い汗を

愛する家族のために
働いてるよ

気高すぎる夢だよ
なんにも言わず

疲れている瞳で
笑ってるよ

・ 
流れる血を見てごらん
慈悲深い血を

命の重さを伝え
チューブを走る

かけがえない夢だよ
生きていこうよ

分けられない痛みも
分けたいんだよ

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2025/06/15 (Sun)

[128] 【鋼玉】コランダム
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


少女は
母の持ち物の指輪を
そっとはめてみる

誰もが
そんな悪戯を
通って生きてきたんだね

臆病とか怯懦とか

どうでもよかった航跡




扉を開けた 三面鏡
禁忌と慚愧 交差する

残酷よりも甘美な血
蒐めて輝く宝石

恭順とか彌縫とか

どうでもよくなる光量

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2025/06/10 (Tue)

[127] 【星の降る街】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


混みあう国道
山に向かってステアリング

そこから始まる
蒼い夜のハイウエイ

深い悲しみを
クレスタに乗せたら

星の降る街に
さよならと言える

鈴田峠までに
君のソアラを抜こう
鈴田峠までに
星を撃ち落とそう

・ 
空港の島は
人工にきらめく

君はいつだって
僕をだましてた

ハンドルはいつも
傷つかないほうへ

溜め息にまかせ
浅く切ればいい

多良見インターまでに
君の嘘を暴こう
多良見インターまでに
夢を見限ろう

深い悲しみを
助手席に乗せたら

君がいた街に
さよならと言える

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2025/05/20 (Tue)

[126] 【廃墟の春】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


すべて燃えた
すべて消えた

深い悲しみから
生まれた「いのち」

ひとしずくの
露のなかに

ちいさな胞子が
つくられました

春がきました


・ 

誰もいない
誰も来ない

黄泉の国のような
静寂<しじま>の朝に

鳥が鳴いた
一羽だけで

たった一羽だけで
鳴いていただけ

春が来ました

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2025/05/15 (Thu)

[125] 【筑後川】on the mark
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


遠い日は広い河の
岸で悔し泣きしていた

キラキラと憎いほどに

河はまぶしく光ってた

僕はやがて ずるいことを覚える

だけど待とう
濡れたシャツを冷やす風

歌を創れ 歌に還れ

軽い羽を取り戻そう

いま心のon the mark

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2025/05/15 (Thu)

[124] 【辛夷咲く】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


ふるさとは
鳥が歌い 花が招く
山のきらめき
辛夷(こぶし)咲く
愛と人が向かいあった
妙(たえ)の国

ここに来るのなら


やみに
さぐる
しろい
いとを
こころ
のなか
うずめ


あなたに
とどくま


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2025/05/08 (Thu)

[123] 【力を欲する者たちは】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


大袈裟なほどハンドルを切る
水面に刺さる大粒の雨

いつか見た空 思い出せない
ひとりで探す私の希望

力を分けてくれるなら
たとえ悪でもかまわない


泣けばよかった 泣けた季節に
まぶしいほどに過去は輝く

切れ端ばかり集めたような
意味のない都会(まち)走り抜けたら

力でねじ伏せてしまえ
名前で呼べるもの すべて

力で滅ぼしてしまえ
言葉にできないものまで

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2025/04/16 (Wed)

[122] 【西の風が吹くとき】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


すこし 窓を開けたらいいね
あの町が見えたなら

もっと 心開いてみよう
優しさに会うために

海沿いの道を走り
トンネルをいくつか抜けて

懐かしいダイヤルで
懐かしい声を聞こうよ

西の風が吹くときは
心はやるから

これ以上無邪気には
なれない

そんな気がする 


そうさ 嘘をやめたらいいね
あの人に会えたなら

そして 大きな声で言おう
“諦めはしないよ”と

季節より早い風と
降りそそぐ星を味方に

憎いほどの自信で
懐かしい肩を抱こうよ

西の風が吹くときは
心はやるから

これ以上素直には
なれない

そんな気がする

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2025/03/10 (Mon)

[121] 【讃歌】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



【長崎弁】

アラカブは釣れよんね

こん海はよんにゅ獲るんね

こん海がいつまでん、ないどるごと

祈っとるけん



【標準語・意訳】

カサゴは釣れますか

この海は豊かですか

この海がいつまでも静かなように

祈ります

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2025/01/30 (Thu)
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