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中村真生子の部屋  〜 新着順表示 〜


[130] きっとそんな風に…
詩人:中村真生子 [投票][編集]

実家から自宅に向かう
午後5時前の国道9号。
431号が交差する信号で止まる。
左側に止まっていた車は
友人の車。
おそらく彼女も
生まれた町から
自宅へと帰る道のりだろう。
先に気づいた私が
手を振り
彼女も気づいて笑みになる。
信号が青になり
互いに手を振り
それぞれの岐路につく。
きっとそんな風に人は出会い
きっとそんな風に別れていくのだろう。

2012/06/10 (Sun)

[129] キッチン
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水と、火と、風と

地の恵みと…。

キッチンは

大地の女神

ガイアの手のひら。

トントントン…

キュッキュッキュッ…

フツフツフツ…。

包丁や野菜やお湯が

女神の手のひらで

踊りながら

いのちの糧を紡ぎ出す。



2012/06/08 (Fri)

[128] フリーパス
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昨日まではなかったのに

今朝は蕾が生まれ

昨日までは蕾だったのに

今朝は花が開いている。

庭で、道端で、野で、山で…。

自然の営みの

なんと素晴らしいことか。

ありがたいことに

この心ときめく自然の

ステージ・チケットは

すべての人に配られている。

いつでもどこでも使え

使用期限のない

フリーパスという形で。



2012/06/07 (Thu)

[127] 今日も…
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地球

生命のゆりかご。

ここで

瞬間(とき)を

過ごすことの幸せ。

空を眺め

海を眺め

緑を眺め

あなたを眺め。

今日も

こうして…。



2012/06/05 (Tue)

[126] 山に登る
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神様は

山の上に住んでいる

と考えた古代の人たちは

正しかったと思う。

重力に逆らって

神の御許に向かう時

苦しみの中で

見えてくるのは

神からもらった

いのちのほどばしり。

汗となり、呼気となった…。

そして

頂に佇むと

その存在を垣間見せてくれる。

それぞれの中で

湧き上がる喜びとなって…。



2012/06/04 (Mon)

[125] 船通山へ
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天を追放されたスサノオが降り立った

船通山に日南町側から登る。

途中に杖が用意されており

突きながら登ると

くくりつけられている木札が

カラカラと山に響み渡る。

カタクリの花は終わっていたが

青紅葉やミズナラ、ブナの若葉が

幾重にも重なって緑の天井を作っていた。

その緑の天井へ向かって

地の底から歩みを重ねる。

次第に頭上が明るくなり

ついに緑の天井の上に出る。

見渡せば

山々が幾重にも連なり

いつもと異なる風景の中で

石の小さな鳥居をくぐって

お社にお参りをする。

『古事記』では

スサノオはここから奥出雲へと向かう。

そして八岐大蛇の物語へと続いていく。

2012/06/03 (Sun)

[124] 逢魔が時
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曇をまとった空が

フェイドアウトするように

光を失っていく。

道づれにするように

すべてのものの

光も奪っていく。

石につまづいた拍子に

すとんと違う世界に

落ちてしまいそうな

逢魔が時。

息をひそめて窓辺に佇む。

東の空には

涙で滲んだような月明かり。


2012/06/02 (Sat)

[123] 心地よい不思議
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すくっと立って

手を回しながら

深い呼吸を繰り返す。

呼吸と体が

ひとつになって

満たされた時間が

流れていく。

何も持たない手に導かれ…。

ここに

こうしていることの

心地よい不思議。



2012/06/01 (Fri)

[122] 梅雨の気配
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梅の木を見上げれば

大粒の緑の実。

梅が実れば

梅雨も間近。

バラたちは

ドレスが濡れないうちにと

かしこで着飾り舞踏会。

風よ

今しばらく雨を連れ来るな。

どんなに田んぼのカエルが

雨乞いの歌を歌っても。

いまだ蕾の

スキャボロフェアーが

踊り終わるまで…。



2012/05/31 (Thu)

[121] 山の社と湖の鳥居
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山道をうねうねと車で上がり

急な石段を歩いて登る。

拝殿のガラス戸を開けると

小さな鳥居があり

その向こうは山になっている。

この神社は

山そのものがご神体なのである。

古代の人は

神様は山の上に住んでいると

考えていたという。

そして死ぬと魂は

山の上の神のもとへ行くのだと。

一方、宍道湖には

南北にある

四つの山を結ぶ線上の湖底に

石の鳥居が沈んでいると伝えられている。

その昔

地上より高いところも低いところも

神の領域だったに違いない。

それは

きっと今も変わらない。

ただ私たちが忘れているだけで。

あるいは勘違いをしているだけで。


2012/05/30 (Wed)
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