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黒夢の部屋  〜 投稿順表示 〜


[11] 神様
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まだ少し、雨の匂いが残る 雨上がりの午後に。
僕はすれ違おうとした男に問われた。

「貴方は神を信じますか?」

僕は何も言わなかった。

『神様がいれば、こんな辛く悲しい現実はないだろう』
そう思ったけれど、僕は心の中に止めておいた。

僕だって時々神頼みをするから。
都合のいい時だけ、名だけの神様を利用する。
なんて身勝手な生き物だろう。
こんな人間が多いから
【神様】は何も叶えてくれなくなったのかもしれない。

僕は、話しかけてきた【神を信じる】男を無視して
ぼんやりとそんなことを思った。

【いつも通り】の街の光景。

誰かが泣いていて、誰かが笑っている。
誰かが不幸になって、誰かが幸せになる。

僕はそれにも目を向けず、ただ自分の道を行く。

誰にも平等で、全能な【神様】という名の存在が
少し嫌いになった雨上がりの午後。

顔を出した太陽が、ひどく眩しかった。

2004/12/24 (Fri)

[12] 僕は君の支えになりたい
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涙を流す前に、君の痛みを少しだけ僕に分けてほしい。
そして僕も涙を流すから。

きっとその方が、独りきりで泣くよりいいと思うから。

僕の自己満足でも偽善でも、エゴでも。
君が僕を拒んで罵っても、それでも
『君ガ楽ニナルノナラ、僕ハ構ワナイ』

君の苦しみも悲しみも、全部僕が背負うから。
怒りをぶつけたっていいから。
だから、どうか。
『独リデ泣クナンテシナイデ』

僕が此処にいるから。
何時だって何処にいても、君の所へ行くから。
だから、どうか。
『泣キタイ時ハ僕ノ胸デ泣イテ』

君の心の中を少しだけでも僕に教えて。
僕にどうにかできる事ではないと解っていても。
それでも
少しでも君に笑っててほしいから。
だから、どうか。
『涙ヲ流スソノ前ニ、心ノ中ヲ教エテ』
そして、どうか。
『独リデ震エナガラ泣カナイデ』
 
君の弱さも、涙も、苦しみも、悲しみも、憎しみも。
その震えも、全ての感情も。
まとめて僕が抱えて歩くから。
君の全てを、全部。

2004/12/28 (Tue)

[13] 新たな年
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新年を迎えて。

それでもいつも通りの生活を送る僕。

きっと年が変わろうと僕には何の関係もないんだ。

だから今年もいつも通りに過ごしたい。

いつも通り

キミと笑って過ごしたい。

2005/01/02 (Sun)

[14] 生きる=死ぬ
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嗚呼、また今日が終わっていく。

嗚呼、また繰り返していく。

いつも通りが一番好き。

それでも

嗚呼、僕が此処にいたという証さえも残せずに。

嗚呼、昨日の僕は、死んでいく。

矛盾したやるせない心を鎮めるのは

やはり今日を生きるということだけ。

嗚呼、時間が過ぎていく。

嗚呼、何も遺せなかった僕が死んでいく。

消えていく。



2005/01/04 (Tue)

[15] 未練
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『さよなら』

そんな言葉で、それまでの日々全てを
忘れることなど出来るはずがなく。

僕は多分、まだ君の事が好きだよ。

あと少しだけ、君を想うことを
どうか許して。

2005/01/04 (Tue)

[16] 
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空を見上げて青いと思った。

君を見て眩しいと思った。

空に手を伸ばして遠いと思った。

君の背中が遠いと思った。

君と空は紙一重だなんてやけに女々しいことを考えた。

でも今はそんな事さえもう、どうでもよくて

ただただ、空が青いことを

ぼんやりと再認識した僕がいた。




2005/01/06 (Thu)

[17] 生きるだけで。
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今、僕が此処にいる意味なんかないとしても。

理由が見つけられなくて迷ったとしても。

昨日を後悔して涙を流したとしても。

生きる意味が解らなくなったとしても。

例えそれでもいい。

ただ、僕がこの道を歩いたという

確実な足跡を此処に残せたなら。

2005/01/08 (Sat)

[18] 雨の夕方
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大きな音がして、ぼんやりと顔を上げた。

ドラマで見るように、水色の傘が宙を舞った。
それにあわせて、ゆっくりと、本当にゆっくりと
実際は一瞬なんだろうけれど
人の身体も宙を舞った。

心臓の音が、自分にもよく聞こえて。
『コワイ』
考えるよりも先に、僕は事故現場を通り去った。

何度も何度も
宙を舞う傘と、人の身体が、頭の中で再生されて。

救急車を呼ぶべきだった?
人を呼ぶべきだった?
それよりあの人は無事だった?

『ボクハナニヲスベキダッタ?』

僕は僕が大嫌い。
判断力のない自分が大嫌い。
他人任せになる自分が大嫌い。

『ナニモデキナイボクガ、ダイキライ』

また頭の中で、あの日の出来事が再生される。
こうなることが分かっていたら
別の道を歩いていたのに。

そんなことを考える自分が
世界で一番、大嫌い。


2005/01/08 (Sat)

[19] 君と居たから、君が居たから
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迷う苦しさも、些細な悲しみも、小さな疑いも

会えない辛さも全て、君が居たから。

鬱陶しいぐらいの醜い感情も
嘲笑したくなるぐらいの女々しい感情も
全部、君と居たから。

全部きっと、君と居たから。
全部きっと、君が居たから。

2005/01/11 (Tue)

[20] 
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生きる中で何度躓くことがあっても
辛くて何度立ち止まることがあっても。

それでもまだ、僕はこの歩みを止めはしない。
ひたすら歩き続ける。
例え血を流すことになろうとも。

此処に居る価値が僕になくても
この命に意味がなくても。

それでもいつかきっと、歩き続けてそれを見つける。
僕の存在の意味。
例えその先が地獄か天国であろうとも。

この身体が動き続ける限り。
この心が生きている限り。

血塗れた道でも構わない。
絶望が待っていても構わない。
意味なんかなくたって。理由なんかなくたって。

この身体が動き続ける限り。
この心が、僕である限り。

2005/01/13 (Thu)
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