詩人:黒夢 | [投票][編集] |
初恋というものを迎えてから
随分と、長い年月が過ぎた。
消えない想いを抱えたまま
今尚、流れる涙はあの時の温かさのまま。
生温く、半端に優しい。
涙を流して流して。
それでもやはり、忘れることは出来ず。
再び出会った気まずさの中で
僕等は曖昧に笑った。
あの日言えなかった想いと
今、伝えてしまいたい想い。
きっと
その左手の薬指に何もなかったら
何の躊躇いもなく伝えていただろうに。
流れていった涙が
今度は冷たくて。
上気した僕の顔を
冷やしていった。
長い長い初恋が
ようやく終わってくれた。
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思いついた言葉達。
全てまとめて手紙を書いた。
「好き」「嫌い」「ありがとう」「こっち向いて」
「側にいて」「ごめん」「愛してる」
それでもまだ、伝えきれない想いが
僕の中に溢れている。
言葉に出来ない想いだってある。
書き表せない想いもある。
そんな想いは
時間をかけてゆっくり
言葉に変えるから。
そうして
一番に君に伝えるから。
今は
伝えたい想いと気持ちを
書き綴って
君に送ろう。
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目を閉じても差し込んでくる太陽が
僕の思考を邪魔する。
眩しいなあ。
だったら、日の当たらない所に移動したらいい。
暑いなあ。
さっさと日陰に行けばいい。
でもね、
この体が動いてくれないんだよ。
まるで僕の体じゃないみたいだ。
汗が流れて、鬱陶しい。
早く拭けばいい。
頭ではそう考えてるのにね。
倒れそうだ。
頭がくらくらする。
早く、早く。
そう考えるほどに僕の体は重くなる。
疲れた。
めんどくさい。
そう考えることすら
労力を要するなんて。
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君は一体、何を望んでいる。
そんな血にまみれた
強い想いを抱えて。
僕は一体、何処にいるのだろう。
こんな叶うはずのない
儚い願いを抱えて。
互いに
今にも壊れてしまいそうな
小さな十字架を握り締めて。
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僕は言う。
「永遠」なんてもの所詮はその場限りの鎖だ、と。
僕は言う。
きっと「永遠」なんてありえない、と。
繰り返す日々に思い始める、「矛盾」。
ありえもしないものを追い続ける、「虚しさ」。
誰かを想う事で安定する、「心」。
誰かを憎むことで成り立つ、「精神」。
全ての感情をもつ僕等が望むのは、「永遠」。
ただ、それだけを望む。
僕は思う。
「永遠」があるかないかなんて誰も知らない、と。
僕は思う。
「永遠」を「永遠」と思うかは個人の思いの違いだ、と。
それを承知で僕はまだ言う。
「永遠」なんてものは
人の思いを一時的に満たす薬でしかない、と。
「本当の永遠」なんてきっと
僕等の手には届かない、と。
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夢は儚く、現実はすぐ側に。
想うは永く、現実は一瞬。
憎しみは強く、現実は脆い。
所詮、そんなもので
夢見るのは何よりもの虚無。
僕は偽物にすがらないと生きていけない。
夢という名をかりて、瞬間から逃げている。
今という現実から、目を背けたいだけ。
僕の心は弱い。
想うことで強くなる心も、終わりを迎えれば弱くなる。
心を信じられなくなり、想いを憎しみに変える。
心が真実を知れば、きっと簡単に壊れてしまう。
痛みは残るのに、安堵感は刹那に消える。
残酷なほどに優しい言葉でさえも
僕の中には残らない。
何もいらない、一つだけ。
僕の心に強く残る夢を頂戴。
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『さよなら』
そう言った君を
僕は黙って見送った。
それから
君からの連絡は一切途絶え
僕からの電話も繋がらなかった。
君が言った言葉の意味を
僕は未だ理解していない。
理解しようともしていない。
なんとなく
話はわかるから
僕は
いつかまた
君に偶然会える日まで
『さよなら』の言葉を
胸に留めておくよ。
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その短い一言に
私の3年間の思いを全て込める。
蘇るのは
あの日の残像。
私がこの学校にいた証として
精一杯の声で
私はここだと主張する。
私の学校生活最後の
晴れ舞台。
『はい』
そう短く
強く
思いを込める。
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遠い思い出の中に置いていこうとした
微かな願いが蘇る。
中途半端に
ただ忘れようと躍起になっていた苦い願い。
あの時それを言葉にすればよかったと
今更になってから思う。
あの頃、僕が抱えていた
沢山のもどかしい思いは全部
可愛らしい、子供の願い事の領域だったことに
気付いたから。
子供ながらにその思いと闘おうとする
自分の姿を思い出し、思わず嘲笑をうかべる。
大きくなるにつれ
持っていた夢も、かざした理想でさえも
一つずつ踏み躙られて
消えていった。
そうして僕の中に残ったのは
酷い倦怠感と、軽い眩暈。
昔の自分に対する、罪悪感。
今の僕にとってはくだらない
あの頃の僕にとっては何より重要な
切実な願いを抱えた僕が
記憶の片隅に存在する。
後悔したって過去が変わらないことは知っている。
頭の中では理解しているのに。
忘れたいのに、忘れられないあの日の願い。
消したいのに、消えることない自責の念。
頭の中では、解っているんだ。
ただ、それを否定したい自分がいることも分かっている。
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何度も、何度も。
僕等は出逢っていたんだ。
思い出せば後悔ばかり。
涙を流してばかり。
どんな言葉で伝えられただろう。
涙が止まらないほどの悔しさの中で。
冷め止まぬ興奮の中で。
言葉に出来た思いなんて、本当は何もなかった。
準備していた単語を寄せ集めて
作り物の言葉を。
不安だった。
僕の言葉が伝わったか。
こんな安っぽい言葉で、作り物の言葉で。
それでも解ってくれると。
作った言葉の意味を解ってくれると信じていた。
それを確かめる術を、僕は知らないけれど。
僕等が出逢ったのは、運命なんかじゃない。
行き着く先、目指したものが一緒だったから
だから
僕等は出逢うことが出来た。
進む道で出逢った。
それこそ何度も。
僕等の出逢いは、ただそれだけのこと。
目指した先で、行き着いた先で
僕等は何を見ただろう。
それをどんな言葉で伝えよう。
その思いを、感動を、悔しさを、喜びを、涙の理由を。
きっと僕等はこれからも出逢い続ける。
幾つもの日々と、瞬間と
別れと、思いを重ねて。