詩人:黒夢 | [投票][編集] |
君がオレンジ色の折り紙で。
僕は青色の折り紙で。
笑いながら紙飛行機を作る。
そうして2人で空に飛ばそう。
きっと何処までも飛んでいく。
僕が君を何処までも飛ばせて見せよう。
僕等が持つ
不安も、希望も、傷ついた痛みも、悲しみも
きっと、消えることなく僕等を苦しめる。
それらを少しでも消して楽になりたいと
僕等は紙飛行機を飛ばしている。
君が太陽の色の紙飛行機を。
僕が空の色の紙飛行機を。
何処までも飛んでいけ。
空の僕が、太陽の君を包んでいるから。
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今、僕が必死になってやっていることも
僕が残した傷跡も
全ては、あの闇に飲み込まれる為の準備。
現実に逆らい、もがくのも
君に伝えようとしている想いも
愚かなことしかできないのも
全てが、あの闇に飲み込まれる為の準備。
昨日を、過去を
遠い昨日や、ずっと昔を振り返ることも
全ては、あの闇に飲み込まれる為の準備。
明日を、未来を
未だ来ない明日や、遥か遠い未来を夢見ることさえも
全ては、あの闇に飲み込まれる為の準備。
生きるという鎖に縛られながら
僕を飲み込む為に大きくなっていく闇の中に
ただ曖昧に見える光の方へと、僕は歩き続ける。
全ては
いつか僕が
あの闇に
飲み込まれ、消えてゆく為の準備。
僕が『死』という闇の中に
飲み込まれていく為の鎮魂歌。
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一生、望むものは手に入らない。
僕が望んだものは
違う世界にあることをようやく知った。
きっと手に入らないことを知っていて
それでも
諦めきれないまま、望み続けた。
ほんのわずかな希望にかけて
それのみに頼って、自分からは動かずに。
望むだけで手に入るほど、世界は簡単ではないことも
全部解っていたけれど
自分から絶望に近づいて行けるほど
僕は強くなかった。
傷つく事を恐れて、失う事を恐れて
前に進めないまま、時間が過ぎて。
もう手に入ることのない僕の望みは
きっと、他の誰かが手に入れている。
自業自得。
納得しないこの心を
その一言で片付けて。
僕の望み。
それは物ではなく、それ以上の価値があるもの。
否、値段などつけられるはずがなく。
ずっとそれだけがほしかった。
それだけあればいいと思った。
君の心が、僕の望みだった。
君の心が、何よりもほしかった。
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ずっと見ていて。
もうすぐ目を閉じるから。
ずっと見ていて。
もうすぐ手を離すから。
子供の様な
酷く幼い心は枷になり
刃のような
狂ったこの手は棘にして
罪人の様な
馬鹿みたいに情けない瞳を籠に変えて。
僕の物にならないのなら
全部、僕の中で壊れてしまえ。
僕の中で、乾いて粉々になってしまえ。
ずっと見ていて。
もうすぐ手を離すから。
ずっと見ていて。
もうすぐ目を閉じるから。
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涙を流すのは
恥ずべきことではないと
貴方はそう言って美しく笑った。
「君の涙は綺麗だ」と
貴方は私の涙を拭った。
ならば何故
何故、今
貴方は眼を背けている。
貴方が綺麗だと言ったこの涙から。
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彼の手から
彼女の手が離れた。
満足な言葉も
愛情も
伝えそびれ
言えなかったまま。
もし
伝えられたら。
彼はそう思い
ずっと涙を流した。
もう2人の時間に
『もし』
なんて都合のいい言葉が
有る筈ないのに。
伝えられなかった
彼の想いの全てが
未練となって
後悔となって
ゆっくりと
彼を蝕む。
彼から手を離した彼女が
後になってから
彼より沢山泣いていた事を
きっと彼は知らない。
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言葉だけでは縮められない、僕等の距離を。
手を伸ばしても触れられない、このもどかしさを。
越えられない、互いの境界線を。
それでいいと思っていたけれど
君を知れば知るほど
僕は欲張りになっていく。
もっと、君を知りたいと
もっと、もっと、君のことを解りたいと。
少しだけ、なけなしの勇気を出して
今日は君の隣に座るよ。
いろんな話をしよう。
僕の事だけじゃなくて、君の事も沢山、話して。
言葉だけでは縮まらない僕等の距離を
手を伸ばしても触れられないもどかしさを
越えられない僕等の境界線を
少し空いた僕等の隙間をなくしたのは
僕の小さな勇気と、君が僕を信じてくれたこと。
今日もまた一つ、新たな君を見つけたよ。
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世界は廻る。
暗く長い夜を越え、陽が昇る。
始まる日常に不変を感じ、少々の変化を期待する。
きっと、此の場所に僕が居なくとも
日常は正しく過ぎていき、不変だ。
僕の日常だけが、少し変化しただけ。
世界は廻る。
相も変わらず、僕等に変化を悟らせずに。
窓から見下ろす景色も変わらない。
ただ、そこに僕が居るか居ないかだけ。
日常は流れて、形を変える。
満たされる日も、そうでない日も
全て、不変の日常となり
僕の中に残る。
きっと、いつか忘れてしまうだろうけれど
少しの間、僕の中に残る。
僕にはそれだけで十分。
昨日の事は過去にして、今日の変化を望む。
どんな小さなことでも、くだらないことでも
僕が変わったと思ったのだから
世界は今、変化を遂げた。
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何も、掴めやしなかった。
何にも、触れやしなかった。
君の手も、夢の形も。
募る想い。
形にならない理想。
捌け口は無い。
何かが悪い訳じゃない。
ただ、何か理由がほしい。
手を伸ばした理由。
君の手を掴もうとした理由。
夢を追いかけた理由。
納得できるような理由は無い。
それでも
理由を探すことを理由にして
何度も僕は
飽きることなく
大空へと手を伸ばす。