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黒夢の部屋  〜 新着順表示 〜


[127] どう表そうか、この想い。
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『好き』という気持ちが理解できなかった。


きっとそれは
理解できなかったのではなく
理解したくなかった。


その想いを自覚して、認めたら
嫌な人間になりそうで。
醜い人間になりそうで。


心に決めた。
見ているだけで幸せだと。
この想いが届かなくてもいいと。


ある人に言われた。
「聞いているこっちが痛くなる」と。

「純粋だ」と。



そんな綺麗な想いなんかじゃない。
嫉妬もした。
妬んだりもした。
それのどこが純粋というだろう。


過ぎていく一日一日の中で
忘れたいことも、新たに見つけたことも
何でか君に繋がっていった。


伝える事と、黙ったまま忘れる事。
どちらが自分にとって楽なのか。
どちらが自分への悲しみが少ないのか。


自分なりに考えて、現実に流されて。




結局、君には何も言えなかった。
この想いを、恋だと認めた。


それでも
この想いをどう表せばいいか
君の姿を見なくなった今
もう分からない。

2005/07/27 (Wed)

[126] もう何も望むまい。
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互いを温めるかのように繋ぎ続けた手が
離れて、空いた手が冷え始めた頃に
世界の理不尽さを知る。


『続き』なんて知りたくなかった。
『これから』なんてほしくなかった。


素敵な物語を描いてたまま
『そのまま』を誰よりも僕は望んでいた。


『明日』などいらなかった。
君がいなくても明日がくる事を知っていたから。


泣いても、いつか笑うのを知っていたから。




僕が全てをなくしても


明日が来るのを


知ってしまっていたから。

2005/07/19 (Tue)

[125] 臆病者
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君の思いが綺麗過ぎて。


君の言葉が真っ直ぐ過ぎて。




君があまりにも他人の事に必死になるから


今まで作り上げた自分が壊れてしまう気がする。


僕自身がどう変わろうと


僕が僕である事にはかわりないのに。





ただ。


差し出された手を握るのが怖いんだ。


変化するのが怖いんだ。




だって。


こんな簡単に変化して


新しい自分に成れた時


これまでの自分を忘れてしまいそうで。


もがいて、足掻いて。


頑張って、格好つけて。


後悔して、我慢して。


そうやってきた前の自分は


変わってしまえばもう終わり?




そう思うと


どうしても君の手を取る事を躊躇う。




君の心が綺麗過ぎて。


君の全てが真っ直ぐ過ぎて。




君はその心の変化を


どうやって受け入れた?




2005/07/15 (Fri)

[124] 夏の夜
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命儚き夜の虫。



命の消えるその刹那、全てが僕の為にあれ。

命輝くその刹那、全てが僕の為であれ。

きっときっと、最期まで見ていよう。

その亡骸を拾い上げ

もう一度この地に還してやろう。



いつかもう一度、誰かがお前の姿を目にするまで

その命が再びこの世に戻るよう、願っていよう。



お前の灯火が消えるまで


命を


己を


その姿を


誇っていれば良い。



命儚き夜の虫。


永遠の命が無くとも

短いお前の一生を、僕だけが見ていよう。



だから


僕の為だけに。

2005/07/08 (Fri)

[123] たまには
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いくつも、数え切れないくらい

気付く暇も与えずに、時間は過ぎていった。



そして、後になってから

その時間を愛しく思う。



かえってこない時間を、惜しむ。



それじゃなんにもならない事は分ってる。

今が何よりも大事だって事も

振り返っても意味は無いことも。



それでも、時々考える。

今だけが本当に大事なのか、と。



振り返っても意味は無い。

それでも

そこにあった瞬間は本物だから。

それだけは覚えておかなければ。



過ぎた時間からしか学べないことだってある。

今の僕を成長させる為の

忘れてはいけない場面がある。



だからこうして

過去に囚われない程度に

後ろの方を振り返る。

2005/07/03 (Sun)

[122] 君だから
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聞きたくない言葉なら
幼い子供のように耳を塞げば良い。


それでも
その声が貴方だから。


貴方の言葉は優しいものと信じていたから


私は何の躊躇いもなく


貴方からの別れの言葉をすんなりと


耳に入れていた。

2005/06/26 (Sun)

[121] 隠したまま
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ホントは、本当は



伝えたい想いで溢れていたよ。



ただ、捨てたくない言葉がたくさんあったよ。



それでも、全部隠して私は笑うよ。



きっと、これからも私を苦しめるだろうね。



胸を締め付ける理由なんてすぐ解るよ。



出かけた言葉を必死になって抑えたあの日。



持っているものなんて何一つ無いよ。



無いはずだから、涙は流さない。



何も知らないフリをして



時間だけが私を傷つける中で



心の伴わない笑顔で貴方と笑うよ。



私は、自分が信じた想いを裏切った。

2005/06/21 (Tue)

[120] 追い風
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風が吹いた。


僕の背中を強く押す。


耳に届いた声。


その唇がつむぐ言の葉。


僕にだけ吹くその風はきっと。


風に身をゆだねる。


風に声を重ねて。


遠く

そして、誰よりも近い場所で笑う君に。


『ありがとう』と。


せめてこの言葉だけ


伝われば良い。

2005/06/20 (Mon)

[119] 夜を愛す
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星が囁く、声が消える。

夜は続く、月が笑う。




闇に手を伸ばせば

僕は音もなく消えていく。

少しでも此処に在ると言いたくて

僕は歌う。




誰かに届けようとは思わない。

少しだけでいい。

少しだけ音の無い闇の中に

この声を響かせてみたいだけ。




声が生まれる、星が消える。

太陽が輝く、朝が始まる。




また、夜が訪れるまで

僕は眠る。



僕は夜を愛す。

そして

僕は夜の闇の中で、歌い続ける。

2005/06/16 (Thu)

[118] 海に還る日
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揺れる意識。

頭が考えることを拒否する。

耳に届く穏やかな波の音。

このまま目を閉じれば、君が見えるかもしれない。





水というガラスを透して見た、歪んだ太陽。

零れ落ちていく水を、この想いと共に

すくい上げることができたら。

流れるままに、波に身を委ねていれば

君の元に辿り着くだろうか。





命の還る場所と言われるその場所に

僕も

長く短い『生』を全うした後

還って来たい。

そして

ようやく君の手を掴むんだ。





全ての命が還ってくるその限り無い海原で

僕等が

僕と君の魂が

もう一度、出逢えることを

切に願う。

2005/05/31 (Tue)
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