詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
木々が葉を落とす頃
街で流れ始める
Chrismas Songs は
メールアドレスに隠された
想い出 と
大切に想った気持ち と
成就しない期待 を
巻き込んで嵐となり
総てを掻き乱す
嵐のあと
荒廃した心 に
浄化の涙は流れない
季節の風にのって
新しいメールアドレスが
街を駆ける
その時までは―
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11月の冷たい雨
灰色の空から降り注ぎ
山々の葉や通学路とか
総ての存在に等しくもたらされる
時には
その存在を美化し
時には
その存在の哀しみと同調し
総ての存在に優しさをもたらす
しかし
雨は僕を通り抜けていく
雨が
僕の肌を濡らすことはなく
胸の熱を奪うこともなく
今日も
総ての存在を包んでいる
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暗く深い闇を照らす
遠い彼方にいる
熱い暑い君
眩しいよ
とても
淋しいかい
ひとりぼっちで
確かに
君の隣には誰もいない
だけど
みんな君を見てるよ
どうか
忘れないでほしい
だから
今日も君の光を受けて
輝くよ
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僕は突然白い世界に迷い込んだ
辺りは見渡すかぎり白くて
遠くもなければ近くもない
さっきまで見ていたはずの
見慣れた
空
山
人々
自分自身さえ
見当たらない
確かに存在する不確かな世界に立って
どうすることも出来ず
なのに気付けば
必死に叫んでいる
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一日で降り積もった雪は
一週間経った今でも
土を見せる気配もなく
僕を囲んでいる
空より舞う
白き花の間
温かく切ない
想い出を見た
旅立ちの日
銀世界となった大地は
空気を冷やし
懐かしい想いを
反射している
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りんごや
ルビー
サンタクロースに
ポインセチア
この世界には
数多に存在する赤いもの
それなのに
僕が一番に思うのは
赤いトレーナー
と
後ろ姿
実際に見たことはない
だけど
まるで世界にはそれしか存在しないかのように
強く強く心に残る
赤いトレーナーと君の背中
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ある人は言う
「しっかりしてるね」
と
その何気ない一言に
僕は考えてしまう
「しっかりしてなくてはならない」
と
また
ある人は言う
「大人っぽいね」
と
その誉め言葉に
僕は感じてしまう
「“大人”でなければならない」
と
僕は
人を頼る事ができなくなる
そんな僕は
“子供”なのだろうか