詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
高速を走る車の後部座席で
じっと外を眺めた
ービルやマンションなどの建築物を敷き詰めた街
人々は日光を嫌い
建物に身を潜めた
壁やアスファルトも
日光を拒絶している
日光を受け入れるものなどここにはいない
受け皿を失った日光は
それを奪った人々を
苦しめ始めた、という
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薄い雲のフィルターで
夕闇が
少しだけ優しい夏の空
くっきり浮かぶ月は
いつもより温かいレモン色
深く深く澄んでいく空と
温かさを増す月が
秋の訪れを感じさせる
8月の終わり
涼しくなる夕刻の
穏やかで幸せな一時
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いろんな人がいる
今もたくさんの人が
生をうけ
死を迎え
長い旅路を歩いている
僕もその一人だ
いろんな人がいる
今もたくさんの人が
死に怯え
生を望み
混沌と生きている
僕もその一人だ
いろんな人がいる
どの人も例外なく
世界に参加し
世界を構成し
主人公を演じている
君もその一人だ
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残暑の昼
蒸し暑い廊下から
湿気と気温を吹き飛ばす風
秋の夕刻
部活で熱った体から
優しく汗をさらっていく風
僕たちの先の未来でも
大空を吹き渡っていますか
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大切な今も
些細な今も
同じ速さで流れていく
忘れてしまいたい自分も
色褪せさせたくない君も
同じ速さで流れていく
流れは全てに平等で
よくも悪くも
同じ速さで流れている
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上手くなりたくて
辛いのも我慢した
もっと楽しみたくて
痛み堪えていた
なのに
どうして観ていることしかできない
抑制は身体を蝕み
無理は
好きな事を取り上げた
頑張ったのは
強くなりたかったからなのに