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[198170] 冷たい風と靴音
詩人:猫のあし [投票][編集]

懐かしい道に
秋の色付いた葉っぱが落ちてる

変わらずあるお店や
歩いてると思い出す思い出
通っていた学校からチャイムの音が鳴る

懐かしいメロディが頭に中で流れてくる

笑いあった思い出が蘇る

思い出せば、辛い思い出ばかりではなかった

泣いてばかりでもなかった

でも
戻りたいなんて言わない

だって
どんなに辛い道や罪が多い道のりでも
その中で手にしたものが

無いわけではないから

今ある思いを
捨てたくないから

今あるもの達が愛おしいから

明日が来るのが
憂鬱だったりする事もある

でも明後日はきっと笑ってる

2023/11/12 23:29



[198169] 【チャルダッシュ5】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


僕は君の堕落を願う
君の夢を根絶やしにする

君は僕に呪文をかける
だけどそれじゃ僕は死なない

泣きながら刺し殺し君を黙らす
朝の街に死体を捨てる

その瞬間に君は目を開け
低い声で僕の名を呼ぶ


僕は安い洋酒で眠る
君の夢を見たくないから

君は僕に毒素を混ぜる
だけどそれは僕に効かない

ひと筋の血が流れ
悪性の愛の花が開く胸の谷間に

最後の夢は君の未来を
裁くために成就するのだ
────
────

2023/11/12 20:11



[198163] 危ない橋も一度は渡れ
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

毎週、週末土曜日には
釣りに行く
週休2日制になったのは
ようやく5年前
幸せな事だ

子供達も
もうすぐに社会人
ここまで来た
この身体と心の奥底には
いらぬ細かな傷痕が
たんまりと
折り重なっている

餌の活き餌に
イソメと言うのがあって
ミミズの柔らかさに
ムカデみたいな足
口にも牙があって
これを掴んで口から釣り針を
差し込むのだが
これがとにかく苦手だ
筆舌に尽くしがたい
気持ちわるさがある

それでもキスが釣れると
えもいわれぬ喜びがあふれる

今晩は天ぷらかな




2023/11/04 20:42



[198161] 夕暮れ
詩人:小さな貝がら [投票][編集]

会う時は笑顔で会えるのに
何故別れる時は
又会おうねとか
又電話するねって
笑顔で別れられないのだろう

又会える日が必ず来るのに
すぐ会える距離じゃないからかな
寂しさが襲ってくるのは
この寂しげな夕暮れのせい?

そっと手を握った
帰り道のあの駅までの
短い距離だけど
それでもいい
少しでも貴方の
温もりに触れていたかった

この夕暮れは
とても綺麗で
優しい気持ちにもなるけど
どこか切なくて
何か果てなく遠く感じる

少しずつ寒くなってきたのも
理由なのかな
全て時のせいにして
自分の気持ちを誤魔化した

だけど誤魔化し利かない
気持ちが涙に溢れ
恥ずかしい位に
人前で泣いた
人前で貴方を抱いた

この温もりが好きだった
何よりも好きだった
夕暮れの中に落ちた涙は
キラキラと空に馴染み
明日の朝へと繋ぐ

夕暮れの中に
消えてく背中
愛しい背中
貴方の背中

夕暮れは
時に優しく時に切なく
私の胸を痛ませる

2023/10/30 18:03



[198159] 国語算数理科社会人生
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

自分が全て正しいわけじゃないのに
相手の些細な間違いを指摘したくなる病気
社会のテストは得意だったのに
社会に出てからの本番には弱かった
間違いの多い生涯を送ってきましたと
偉人と駄目な部分を重ね合わせて
平静を保とうとする
目に映る景色が
その色彩がそもそも違うのに
間違いだらけの劣等生のレッテルは
駐輪禁止の張り紙と一緒に剥がして破り捨てた
名前だけ書いても点数は取れない
昇る陽の美しさを味わったあの日と
眩しくてウザく感じる日々は
同じ人の日記に記してあった
人生のどこかに幸せの頂点があって
それがゴール地点より始まりに近くても
ふりだしには戻れない
修正はできないが軌道修正はできて
答案を見返す勇気は今ならあるか
間違いを指摘された後に
反省して謝ることもできる
機会を逃さなければ
答え合わせで学ぶ処世術
みんなどこかしら間違っていたのに
何故自分だけがいつまでも正解しないのか
死んでないならまだ気付けるかもしれない

2023/10/30 04:47

[198153] 目論見
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

若い頃は
とにかく
でかい魚を
釣りたかったけれど
今はさ
小さくてもいいから
とにかく
美味い魚を
釣りたいな

2023/10/21 21:08



[198152] 透けて見える
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

悩みも痛みもないが苦しい
不安も恐れもないが虚しい
ぽっかりと空いた穴だ私は
空洞は拡がって
本当はもう
皮膚も臓器も骨も失っていて
人から見ればクリアで
鏡には映らず
自撮りでは映えない
何もないのに苦しくて
生きているだけでは虚しくて
SNSでお気持ち表明
すれど見向きもされず
されどそれに安堵し
投稿を削除する
何がしたいんだか
何かしたいんだが
何もないんだが
苦しい虚しい苦しい虚しい
心に声を当てるも
棒読みにしか聞こえず
見えていないのに
淀んで見える
これ以上続けても仕方がないと
言いながら続きを望んでる
途絶えない絶望の先を渇望
空虚なんだから
もっと謙虚になれよって
さっきから誰と喋ってるんだ

2023/10/21 02:52



[198150] 【こんなに愛していた】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


夕暮れになると道で足を止めて

祈りを捧げるように頭(こうべ)垂れた

やすらいのなかはすべて無色だった

謙虚な人の溜め息あつめていた

いつでも「かたち」が心を乱すらしい

語られぬ悲しみが影のように寄り添う

瞼が重いだろう
その重さに逆らうな

しゃがんでしまえばいい
この場所で膝を抱いて

さあ




薄明(はくめい)の町を一人ゆるく歩き

優しい人の残り香そっとなぞる

涙を流せるならば終わるだろう

こんなに愛していたと言えるだろう

いつでも「ながれ」が心を変えるらしい

減らせない苦しみに僕は慣れていくのか

目を閉じてもいいのなら
正直な子供になり

寝そべってしまいたい
この場所で泣きじゃって

そう

────
────

2023/10/19 20:38



[198147] 私の生
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

空を何色で表しても良いじゃないか
それがアートだとお前は言うが
青い空は青以外無いだろう
夕焼けは赤く塗り
夜空は黒くする
用意された色を混ぜもせず
既存の感性で完成させた
この絵をお前は何と言う
誰も見ていなくても
法定速度をしっかり守って
敷かれたレールの上を走る
人並みの波風立たぬこの人生を見て
何と言う
誰に問う
見向きもされない人生の端っこで
腰を下ろして空を見る
あの空は何色か
青い空を青く塗り
星空に星を描く
私の描いた私の絵を
私だけが見ている
答は無い
何も無い
それでも描くのをやめなかった
それでも歩むのをやめなかった
私の人生

2023/10/16 01:02



[198146] 自我の来し方
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

ハリボテの空に溜め息をぶつける
水色を塗ったくった棺の中
振り返れば短いものだったねと鶯が鳴くから
お前に何が分かると噛みついた
もう陽は沈まないし
昇ることもないだろう
名も知らぬ花の匂いが多少疎ましいが
一度眠ってしまえばまぁここも悪かない

思えば短い人生だった
鶯なんぞに言わせてたまるか

それを言って許されるのは
私だけだ

2023/10/14 22:45
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