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[197453] 話し声が聞こえる。
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

話し声が聞こえる

夢は現
微睡みに割り込み
咳き込み逆流するのは
目先の欲

コンビニの袋に
さっき買って
食べた全てを戻した
代金は戻ってこない

六畳一間の夜
眠気も失くして
寄り添ってくれるのは
空虚だけ
だなんて
想像上の概念を
詩的に表現してみても
表に現れてはくれない

街中を彷徨って
ひとり大きな声で
怒鳴っているように
誰からも
相手にされなくても
ひたすら
声を荒げているように
もう持たなかった
だとしても

堪え兼ねて
嘔げた吐瀉物
誰にも見られず
捨てに行く

おい空虚
何とか言えよ

ただのことばは
こだましない
沈黙が目の前を流れる
それをじっと見ている

気持ち悪さが収まって
お腹が空いたら
またコンビニで
好きな物を買えばいい

実際
並んでいるのを見ると
何も選べずに
時間だけが過ぎる

ああ、もう
無作為に手に取って
買って帰る

未来を濁すのに
丁度良い味がする
カップ麺をすする

涙もすすれば
詩になるか
うまくもないし
誰からの返事もない

食欲を満たせば
再び眠気がやって来る

遠くの方から
話し声が聞こえる



2021/12/26 06:13



[197452] 心象風景
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

夕映に
翼をひろげ
背中を向ける
白い鳥の
片翼の先が
コリドーのように
どこまでも続いていて
光の加減で
淡い紫陽花色にも
羽毛がさんざめき
振り返りもせず
ただそこにある

そのことの意味合いを
知ろうともせず
我慢してるわけでもなく
ひたすらなぞるように
歩み続けている
こんな静寂が
そんなにいやでもない

けれど
嫉妬だけはあって
例えば
点描画の黄色い一つの点や
トライアングルのただ一度の響き
なんかにだ

優れた画材や楽器があっても
要はその使い手なら
紙面に文字を
這いつくばらせたままに
しているのは
私自身に他ならない

できることなら

翼のいらない
消えない流れ星を
したためてみたい
夜空を見上げた
瞳に映る
東の地平線から
西の水平線にまで
満天を横切る
またとない
閑寂な一筋を

天の川のせせらぎのたもと
繊細な白磁器のような
指先を握りしめ
自分の鼓動とは違う
魂の高鳴りを抱き
星々のはざまをぬうように
繰り返し、繰り返し
ターンしながら舞踏会を踊る
よどみない
旅路の残像を
焼きちらしながら

そんな
まんべんなく
精錬された
命の切っ先の
あらわな感触の創意を
紙面へ穿ち続ける

エンドロールの終わりまで
名もなく
過ぎ去ろうとも

「なにを書いているの」
「詩さ」
「そう」







2022/02/11 01:25



[197451] 好きという感じは女性の特別な最終着地点
詩人:万田 海斗 [投票][編集]

地球社会でバランス良く男は出て行く
みたものを女性に伝えて
良いルートを選ぶ
夢はこうして出来上がった

宇宙時代は女性がバランス良く星に出てゆき
みたものを男に伝えて良いルートを選ぶ

鼻とクチコミと手触りに詳しくなってゆく

2021/12/24 21:17



[197450] 地球の空気を宇宙局へ運んでると疑惑する社会
詩人:万田 海斗 [投票][編集]

確実にこの五十年
地球の空気が浅く早い動きになっている
仕事も機械的に合わせられ
忙しく窒息する密封社会
二股に別れた自然現象と科学現象がどこでつながる?
宇宙から来た私たちの祖先を呼び込み
肉欲の排泄が無い静感物として
霊魂と合体して
宇宙から地球の真ん中にやって来たルートを発見する目的が有る

2021/12/27 16:27



[197448] もしも明日が来ないなら
詩人:理恵 [投票][編集]

もしも明日が来ないなら
毛布に身体いっぱいくるまって
じっとその時を待つだろう


先週の休日も
先々週の休日も
この重たい身体を引きずって
やらねばならぬことを成さなかったように
あれもこれもと描きつつ
ただ毛布にくるまっているだろう


どうせ今日までだからだなんて
わざわざ疲れることしなくたってと
じっと岩のように丸まって


もしも明日が来ないなら
0時ちょうどに毎日がなくなるのなら
23時には目をつむり
知らぬうちに消えるように
眠りへと落ちていくだろう


やっと終わる安堵に浸りながら
消えぬようにと祈る人たちだけ
残ればいいのにと願いつつ
眠りへと落ちていくだろう




もしも一つだけ成すのなら
あなたへ手紙を書くだろう


いつかまた会うかもしれないと
思いながら生きてきて
それが絵空事だと知ったとしても
きっと私は書くだろう


空のあなたへ宛てた手紙を
こんな時ですら思い出す
太陽のあなたへ宛てた手紙を







2021.12.23.

2021/12/23 20:57

[197446] 客観的な内面なんて無いのさ
詩人:万田 海斗 [投票][編集]

医者も第三者から見た あなたの内面をみてやろうとはしない

日本らしい視線の盗み癖は昭和時代の製品成功と平成時代の機械化に突っ込んだ流れから今の授かり物


苦しくなったらーー こっちが見てる時はあっちは目を反らし
こっちから見て無い時にあっちがこっちを盗み見てる

お互いに裏が無いのについ考えすぎてしまいます

自由に成れ無い縛りは幻の完璧主義

これで やれやれ 羽ばたける

2021/12/22 09:10



[197445] 客観的な内面
詩人:万田 海斗 [投票][編集]

人が入り雑じる社会
理論は度を越して
第三者から考える内面を四苦八苦させられている
機械がせつつく
急いで答えを出して欲しいと

君は君以外のなにものでもない
気晴らしし過ぎて分かって苦しむ
また苦しい
もう分かって来た

2021/12/22 08:14



[197444] 常とは常ならざるもの
詩人:アルバトロス [投票][編集]

通夜へ行く
帰る、そして風呂に入る
飯を食う
酒を飲む

非日常を日常に組み込んで
私は今日も生きている

2021/12/21 19:04



[197440] short trip
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

足首まで海に浸かって
感じるエモーショナルは
略して気軽に口にできるほど
浅くはなくて

子どもの頃に作った秘密基地
誰かと分かち合ってさ
後から思い出して
みんなの前で
懐かしむセンチメンタル
それとは真逆の
秘して語らず
この感動は自分だけのものだ

本当は首元まで
いいや
頭からどっぷり
夜が更けていくように
深く深く沈んで
息も忘れて
抱いていたい

ふやけた足の指を見て
口元が緩むのを
肌で感じた
そこには何の
情緒もなくて冗長

弧を描く心臓
誰も知らない海の触感
誰にでもある内省の

2021/12/18 03:00



[197439] 北風
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

深々と
深々と
首もとのマフラーに
鼻先を押し当てて
胸いっぱいに
吸い込んだ
冷たい空気を
耳にも聴こえながら
しっかりと
吐き出すと
いくらかでも
暖かな吐息が
首もとにまでに
広がって

このさき
どうにもならない
わけでもないような
どうにかなるような
そんな僅かな期待が
やっと
感じとれた

2021/12/19 17:02
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