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[197410] とどのつまり
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

たいしたことのない
たいしたことのない
たいしたことのない
つよがりを
たいしたことのように
たいしたこともなく
たいしてよくも
書けてきた

惨めさが
私の敷布団
情けなさが
私の枕
せめて
慎ましさの掛ふとんに
肩までくるまり

恥ずかしさ
恥ずかしさが
恥ずかしさだけが
この私の脳内から
我慢のならない
しょんべんみたいな
自虐的な勢いで

吹き出され

情けなさの
恥知らずのままでもよいから
まっさらな
まっさらだった
あの頃に
すがりつかないように

どこへも
とどこうりなく
うしろめたさもなく
わだかまりも承知で

寝小便を
書きちらす


2021/11/21 16:37



[197409] STONE
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

満月の
手配りで
鍵を落とし

石膏の
肌足しに感触が残る
右周りに坂を登っている

あたりには
何も見えはしない

どこからか
遠く
マリンバの音が
していて

たとたどしいような
忘れがたいような
とりもどしようもない
気持ちになっていった

途中の断崖に
魚の目をした
トドが四頭いて
中でも一番デカイのが
ゆさゆさ動いて
こちらの方へ
向かって来ても
逃げ場は
登るしかなく

あるといい
しっかりとした
綱引き等に使われる
綱が
頂きまで
のびている

きっと
しゃにむに
たぐり寄せたなら
たどり着いた
頂きからは
高所から見える
下りが
努力してきたぶん
大変そうに

そう言えば
鍵は
どれほど
そんなに大切だったのか
どうなのか
「お願いだから振り返る、ふりをして」
「そうしないと、どうなるの」
「月のような、ひとつ石になるの」

2021/11/14 15:50



[197407] nobody's fault
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

夕方に起きて
迎える朝
切り替えが
うまく行かずに
混濁する脳
何も上手く活かずに
選択するNO
うまいこと言うねと
拍手をくれる
誰かは居らず
行き交う人たちは
僕の前を
素通りしていく
ピエロの格好をしていても
無駄だ
身の回りに
危険が及ぶまで
僕は透明
メイクを落とす
涙のように
高評価
言い値で買うから
こっちを向いて
それくらい
冗談ぽく
上手く笑って
言えたらなあ
季節の変わり目に
風邪を引く
そんな簡単な苦しみで
人の気を引こうなんて
使えない頭だ
早く横になれ
そして
死んでから
三ヶ月後に
見つかった

2021/11/12 07:48



[197406] 救い。
詩人:もとり [投票][編集]




誰かが言った

死ぬくらいなら逃げ出せばいいじゃない



先の事を考えて絶望して

雁字搦めに囚われるから

逃げ出す力も無くなるの



誰かが言った

そこだけが世界じゃないのにね

他にも選択肢あったのにね




不遇な立場を嘆く事で

自分を保つだけで精一杯で



でもきっと変われたかもしれない


誰かの言葉でなく

誰かが手を差し伸べるだけで


2021/11/11 10:50



[197405] 空き缶
詩人:アルバトロス [投票][編集]

僕は今
悲しいのだけれど
それは瞬間を切り取っただけで
仕事には行かなくちゃいけないし
ご飯も食べなきゃいけないし
歯も磨かなきゃいけない

悲しいと思うことを
バカらしいとは思わないけれど
悲しいと思うことに
支配されるのは癪だなとは思う

別に後ろ向きでも良いじゃない
この瞬間に留まることはできないのだから
悲しい、は続かないのだから

塗装の剥げた道路を
空き缶がコロコロと転がっていく
からんからんと
寂しそうな音を立てて
誰にも見向きされずに

空き缶はどこへ行くのだろうね
秋の冷たい風に吹かれて

僕はどこへ行くのだろうね
気がつくと空き缶は見えなくなっていた

2021/11/10 23:24

[197404] 代打
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

ゴミ山に流れる流行歌
蹲って君がいる
間違って捨てられても
後悔しない
みたいな顔で

それが君の表現か

違うだろ

彩付く生も
モノクロの死も
一新されて
知らないワードで
埋まるトレンド
どれも良いから
どれでも良いから
立ち上がれない

新しい細胞が芽吹く
瞬く間に枯れていく
皆が踊ったあの唄は
先週だったか
昨日だったか
誰の上に跨っても
ノれるんだ
最高じゃんか

それを盗み見てる
表情が
ねえ
向き合う課題にならないか

何もしないなら
何もしないから

下ろした利き手を
差し出せよ




2021/11/10 21:45



[197402] 恋する季節
詩人:アサスケ [投票][編集]

ボーダー柄のシャツと
ワンウォッシュのデニムがよく似合う
あの子の虜になった僕は
毎日心がバタバタ騒がしい

いつも僕の前を
ひらりひらりと駆けていく
手をつなぎたいのにあと少しが届かない

いつだって前を向いて
ワクワクを探しているから
見えるのはつむじだけ
もどかしい夏の午後

赤いカーディガンと
チェックのスカートがよく似合う
あの子と微笑みあうようになった僕は
毎晩明日が楽しみでしかたない

いつも僕の少し後ろで
ぱたんぱたんと歩いてる
手を差し出せば伸びてくる小さな手

お気に入りの本を隣で読む時に
よく見える長いまつげが
愛おしい秋の公園

2021/11/10 12:30



[197400] スカイブルー
詩人:猫のあし [投票][編集]

心細くて泣いていた
14歳の僕は
いつも人を
傷つけていた

何であんなに孤独
だったのかは
分からないけど

生きてて良かったよ

自分を傷つける事を
やめて良かった

今の僕の生きている道は
間違ってないって言えるから

僕の人生を生きてるって
言えるから

2021/11/08 14:36



[197398] 待人
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

いつでもいい
どこであろうと
呼んではくれないか

俺の名前を

狭い路地裏
鈍い音がして
尻もちをつくくらいに
出っ張ったコンクリートに
頭をしたたかぶつけて
見上げると

俺の名前を
呼んで
腹が千切れそうな程
笑っていた

そんなに
可笑しかったか
ふらふらしながら
嫌では
無かった

俺の名前を
呼んでくれないか

そんなに
そんなに俺は駄目か

深夜に
闇鍋を外でして
低く垂れ込めた鰯雲が
大空を覆って
沈む月が
雲と水平線の間に差し掛かる
あんな荘厳な景色は
二度と見たことがない

また
俺の名前を
呼んではくれないか

2021/11/07 02:22



[197396] 晴れて
詩人:46 [投票][編集]

大丈夫だよが苦しい

大丈夫ですか?と聞き返したくなるほど

貴方の頭を撫でれるくらいの余裕がほしかった

余裕って何?って聞かれて
余裕ってなんだろうねって見つからない

こういうことだよって教えてあげたい
どういうことですか?が続く

2021/11/03 20:40
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