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[197360] 餌食
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

骨に
僅かに肉が
こびりついている

死んでしまった
理由は
食べられた

もうすぐ臭くなる

一昨日、切り傷にした
バンドエイドを剥がしとると
白くふやけた指先は
まだ、鈍く痛みもあり
乾いてもいない傷口は
かまってやる
余裕もないと
視線すら感じる
卑屈さがある

「もう、いいよ」
なんて
言うじゃあなかった
誰が食べてしまったか
なんて

どうでもよくはないけれど
どうでもよくならないと
どうにもならなくなって
しまうから

2021/10/03 13:58



[197358] ema
詩人:gof [投票][編集]

一太刀 一雫
一和音の狭間に
過ぎる真摯さよ

エレクトロに彩られた街で
孤独なエマニエルは
ひたすら研いでいる

車の排気ガス混じりの側道雑草さんよ

人知れぬ煌めきは幾多の流星に
生を享けた名もなき命の様に
ただ そこにある

主体性よ ひたすら貫いて
迷い彷徨いながら 迷わずゆけよ
人のカタチをした僕らなら
未だに性を受けられぬ色々を
呼び起こし 名付けることが
出来るはずなのだから

2021/10/02 13:17



[197357] capricorn
詩人:gof [投票][編集]

この掌に うらはらな
深淵と星 太陽と月
きみの笑顔なら 
花束といつかの海に捧げた

言い訳は 常套手段
本当は 誰にも
知られてはいけない

季節の変わり目に
胸に手を当てた誓いは
金砂のように闇に散らせて
ガラス細工に塗して
まだ 未だに 隠し持っている

いつかの海 いつかの町
いつかの恋 いつかのキス

まだ 未だに 追憶に
今日に 瞼の裏に
隠し持っている

2021/10/02 12:51



[197356] 晩秋
詩人:tabelnsky [投票][編集]


ほのかに煙る冬隣
愛しき君の灯ひそか
 
切れかけの街の灯
最後の木の葉

消えゆく蛍に 
泪濡れつ
古きラヴレターを破く

2021/10/01 17:09



[197355] 台風とかふぇヱ
詩人:tabelnsky [投票][編集]

揺れる銀杏(いちょう)
吹雪く雨水
窓を伝う滴り
灰色の空とジャズの音に
クルクル回す銀スプーン
にゅーよーくかふぇヱの
ココアの温かさ

2021/10/01 11:14

[197352] 『ピンク髪の君へ』
詩人:tabelnsky [投票][編集]


君の歌声は美しい
沢山の人の心を潤す
君の魂は麗しい
真っ直ぐで力強くて
過去に忘れてきた何かを
思い出させる

美しき薔薇に隠れた闇の
傷ついたBEASTの姿
何が正義かも分からず
混沌としたこの世の中に

ピンク髪の君へ
もう一度、心を震わせておくれ
SNSをも凌駕した
素顔の君とその歌声で

2021/09/28 00:08



[197350] 降る
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

集合住宅は
敷地の壁ずたいに続く排水が
突き当る壁に開く排水溝へ
流れる込む仕組みなのだが
最近は雨が
降らなかったからか
その排水溝が
猫の家族の住処になっていた

駐車場で
車から降り立つと

まるで塹壕からのように
仔猫の頭が、ひょっこりと覗いて
こちらの様子を
覗っている

飛び出した幾匹かが
じゃれ合いはじめ

立ちすくむ

仔猫や仔犬を見て
自然と触れようとして
近づいて
もう触れてしまっていたのは
いつまでの頃だったのか

分かりきった事は
どうしていつも
この内にとどまらず
気がつくとすり抜けて
こちらを
見つめてくれるのか

夜空からは
雨が
降りはじめていた

2021/09/30 23:33



[197347] 馬鹿の杜
詩人:あいく [投票][編集]

世の中
いろんな分類で
人間をわけて
損だとか得だとか
ご意見様々
そんな中
わたくし思うのわ

「あたま悪いけど
  馬鹿でわない」

と言うのが
一番とわ言いませんが
すごく損で可哀想
と考えています
なんならそれが
わたしですから
まぁ
自身を可哀想扱いするあたり
論外なんですけどね。。。

2021/09/22 12:02



[197343] 音の自由
詩人:万田 海斗 [投票][編集]

音が束縛する
やかましい職場のオバサンの騒ぎ
静かな内面を散らかし壊す

テレビの不満
下らない歌
格好付けだけの

離れて考え続ける
遥か上空の静穏
大海底の静寂

純白の声を抱きしめて暮らす

大事な音を丁寧に持ちたい

2021/09/18 07:59



[197340] 別れ
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

プラスチックやら
ビニールやらのゴミが
まだ
あまり無くて
ささいなものなら
どこへでも
投げ捨てられた頃

港で見上げると
圧迫感さえ感じる
客船が出港する

「ボーーーーーー」っと

汽笛が轟き
幾つもの色鮮やかな
紙テープが
空を背してたなびき
岸との狭間に
満開の
色とりどりの想いを
細長く撒き散らす

要らなくなったから
離れていくわけではない
握り締めた
紙テープの両端を
互いに

一度でもいい
血みどろの
殴り合いの喧嘩でも
やってみるべき
だったのかも
しれない

ちぎれて
捨てさるしか
無いくらいなら

2021/09/12 14:17
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