詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
いちばんはじめは小学生だった
絵本が好きでエッセイが好きで
じゅぎょうで詩や俳句を習って
自分でも作ってみたいって思った
空とか雨とか自然をもとにしたり
マンガや本をさんこうにしたり
マス目のある学習ノートに書いていた
中学生になっても小説や漫画が相変わらず好きで
ルーズリーフに書いたりパソコンで配信して他の人と繋がったり
少しずつ輪が広がっていった
この頃になると恋愛だったり部活動だったり
人間関係を題材にすることが増えていた
自分の考えや想いを誰かに伝えることは
必ずしも正しいことではないと知り
誰かに相談をするということが苦手になって
そのくせ悩みや想いを留めておくことは苦しくてしんどくて
名前を変えて詩に文字に押しつけ消化していた
そんな僕も高校生になり携帯電話を持つようになった
iモードでたどり着いたのがこの部屋だった
誰にも言えない本音を素直に言える場所
綺麗な景色を綺麗だと言える場所
居心地が良くて気づけば10年居座っている
1日に何作も投稿できたり間が長く空いたり
一人称が僕だったり私だったり
10年変えなかった名前を変えてみたり
そんな自由気ままな自分を受け入れてくれている場所
声に出して言えない言葉がある限り
たくさんの人に共有したい景色がある限り
私はここで詩を紡ぎ続けるでしょう
これが私のすべて
お付き合い頂きありがとうございます
指先の僕ら
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
透明で無味無臭
少し薄まるかもしれないけど味は変えず
温度だけを奪って溶けて姿を変える
個性はなく主張も弱く脇役
夏には重宝されるけど
それ以外の季節には忘れ去られてさえいる存在
そんな人生つまらない?
それでも私は幸せよ
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
屋根を叩く無数の雨粒は
リズミカルな音色でダンスを踊っている
アスファルトを濡らす雨粒は
静寂を際立てて哀しみを包み込んでくれる
青空に降る雨は
陽射しを受けて七色の橋をかけてくれる
鼻唄も涙も願いも
知っているのは雨粒だけ
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
日中
世界を太陽が照らすとき
僕は猫をかぶり
社会にとって人畜無害であろうとする
夜
空で月が輝くとき
僕は名を変えて
言葉を紡ぎ詩をうたう
どちらも僕で
どちらも必要で
きっとバランスを取りながら
みんな生きているんだ
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
波にさらわれ消えると分かっていても
波打ち際の砂上を歩く
実世界に痕跡が残せなくても
実体のない世界で文字を綴る
大勢でなくても誰かの心に残るように
紡いだ詩に願いを込めて
朝になれば何食わぬ顔で今日を歩く
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
苺のように甘酸っぱい思い出の公園で
改めてお互いの気持ちを確認した今日
君へ贈ったネックレスの輝きも
雲間にかかった七色の橋も
僕らを祝福してくれているよう
なんて
頭の中がお花畑って思われるかもしれないけど
今日は休日で
一生に一度のことだから浸らせてほしい
僕を選んでくれてありがとう
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
歳を重ねることに抗うのではなく
歳を重ねることを楽しみとするような人生を送りたい
若い頃を懐かしみ
子供や孫に物語を読むように語れる
そんな母親にそして祖母になりたい
10y
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
この部屋のドアをノックして早10年
生活は大きく変わり
親元を離れ一人暮らしになり
学生から社会人へと進んできた
ただ月日を経ても変わらないものもある
精神年齢はあの頃も今も30代
自然を題材にすること
この部屋を訪れ続けているということ
これからの10年で
精神年齢は変わっても
きっと自然は題材にし続けるし
この部屋にも通い続けるだろう
私が詩をかきつづけるかぎり
この部屋が存在し続けることを切に願う
10y