詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
12月に入り
平年より早く雪化粧
気温も低く
冬も初頭だというのに真冬並み
今年の真冬はどんな冬になるのやら
雪やこんこ あられやこんこ
降っても降っても まだ降りやまぬ
春に恋 早く来い
炬燵でまるくなった猫が
おんもに出たいと待っている
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
冬は沈黙の季節だと思っていた
世界は雪に覆われている
多くの動物が姿を消し
空には厚い雲が常駐している
お日様の光も届かない
寒くて静かな世界
でも
雪の下には
春を待つ草木が芽吹いている
土の中では
動物たちが春を夢見ている
雲の切れ間からは
あたたかいお日様の光が射し込んでいる
あたたかくて力強い世界
冬は生命力の強い季節だと知った
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
凍える身体
冷たい指先
束の間の青い空
冷えきった部屋
開けっ放しのカーテン
暮れる黄色い夕陽
いつも聞いてる音楽も
いつもの風景も
なんだか今日は灰色で
黄色い夕陽が妙に懐かしい
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
秋の青空を渡る飛行機雲
西の山へ隠れていくオレンジの夕日
照らされる街並み
それなりに年月を重ねて
それなりにこの世の汚さも見てきた
それでも
この世の美しさを詠いたい
坂を下るバスの車窓から望むこの世の中は
心にすーっと染み込むほど
美しいから
それなりに汚れた僕でも
美しいと思えるこの世の中だから
僕はこの世の美しさを詠いたい
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
寒さが身に凍み始め
雨の日が多くなってきた
山々は紅葉が鮮やかで
朝布団から出るのが辛くなってきた
なぜだろう
毎年この時期はどこかもの悲しくなる
重たい雲が空を覆っているからだろうか
青空から滴が落ちてくるからだろうか
それとも
疲れが溜まりやすいからだろうか
少し涙でも流そうか
空だって雷付きで大泣きする季節なんだ
僕の涙も泣き声も
きっと誰にも分からないだろう
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
憧れを詰め込んだ物語
最初は順調だったんだ
でも
いつの頃から
続きが書けなくなって
今では
更新が半年に1回のペース
詰め込んだ憧れは
純粋さ
日々を過ごすにつれ
歳を重ねるにつれ
失っていく気がして
失ったことにすら気づけなくなる気がして
作り始めた物語
僕は
もう取り返しのつかないところまで
来てしまったのだろうか
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
手を伸ばしても
届かない光
そこにあるのに
どこにもない光
僕を照らしたまま
動かない光
いつ生まれたかも
わからない光
遠い物語を背中に乗せて 僕に語りかけてくるよ
憧れを翼にして
飛んで行こう
羽ばたいて行こう
思い出はもう遠い空の彼方
失ってもなお
老いさらばえてなお
輝きをましてゆく
そんな光
そんな光が僕をずっと見つめている
照らされている
いつだって僕らは
力をもらう
飛んで行くための
羽ばたいて行くための
大きな力を
だから
辛くても苦しくても
追うことをやめない
先へ行くことをやめない
いつだって僕らは
独りじゃないから
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
僕らは
だいたい うれしくて
だいたい たのしくて
だいたい ありがたくて
だいたい あたたかくて
だいたい 笑っている
でも
たまに かなしくて
たまに おちこんで
たまに むなしくて
たまに せつなくて
たまに 泣いている
しかも
ごくたまに しょぼくれて
ごくたまに ねたんで
ごくたまに にくんで
ごくたまに さげすんで
ごくたまに 立ち止まって振り返る
そして僕らは たまのたまに
同じ痛みに気がついて
あるいは いつもの朝と夜に挟まれて
ある瞬間に ふと人の痛みに気がつけて
ひとの涙を思い出して めをふせる
きみがいる
ぼくがいる
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
平凡な毎日がつまらないと感じたら
思い出してみて
その平凡な日々は
決して
当たり前ではないということ
たくさんの人に
支えられて
今の自分があるということ
そうしたら
きっと
何の変哲もない毎日にくすんでいた
たくさんの幸せが
輝き始めるから