| 詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
いつの頃からか
仕事柄
普通の絆創膏では
直ぐに剥がれ落ちてしまうから
指先に痛みを感じたなら
テーピングをしている
作業の只中
絆創膏よりタフでも
薄汚れて
ヨレヨレのテーピングをした
指先を
よくよく眺めてみると
ゴツゴツとした
もう石鹸で洗おうが
どうしようが
爪から指紋の隅々にまでに
黒い煤の汚れが染み込んだ
右掌くんと、左掌くんは
断崖みたいに荒れすさみ
擦り切れそうな痛みを
和らげるためだけに
テーピングをしてやっているが
ついでに右掌の親指先生様は
ばね指で
もう手術するしかない
そう言えばと言えば
そうなのだが
「痛み」を
ただの「痛み」と
まだ感じとれるのは
不幸ではきっとない
| 詩人:EASY | [投票][編集] |
玄関先のカマキリは
子供と大人の狭間くらい
誰かの怒りと悲しみの
関係性を奏でてる
言葉では伝わらない
気持ちを誰かが訳したら
眩しすぎる太陽が
瞳に綺麗に映るんだ
| 詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
夏の夜は水も冴え
叶わぬ恋を慰める
浅い眠り誘う楽(がく)の声
偽りの言葉 すでに無く
この胸の痛み 懐かしく
我もまた ひとつ あかり点す
・
・
心騒ぐことは熄(や)み
億万の目が閉ざされる
寄せて返し 時は滞る
渇仰(かつごう)のくびき すでに無く
素足の天使が舞い降りて
浄められた窓 そっと叩く
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| 詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
銀の鈴を拾いました
名も知らぬ花の陰で
それは二度と帰ってこぬ
夏の恋の夢でした
好きと言えないままに
散り急ぐ野の花よ
恋が終わったならば
次の恋待ちわびよ
銀の鈴を拾いました
捨てられた口紅(べに)のそばで
それが美しいなら
私でも涙する
蛍 身を焦がすほど
文殻をもてあます夜
銀の鈴を拾いました
捨てられた櫛のそばで
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| 詩人:十七夜 | [投票][編集] |
早く大人になりたかった
いつまで子供なんだろう
いつまで不自由なんだろう
うんざりだった
子供でいる期間はものすごく短くて
永遠と思われた時間は人生のほんの小さな一部分でしかなくて
不自由ではなく守られていたのだと
気付いた時
私は大人になってしまっていた
| 詩人:EASY | [投票][編集] |
上手く行く為の方法を
世界は宣伝している
これを広告と共に乗せる事が
世界のトレンドだ
上手く行かなきゃいけない事は
権力みたいな響きを奏で
農薬を照らす太陽みたく
この世界を映してる
幸せなら何でもいいの?
不幸じゃいけないの?
上手にくすぐったら
君は簡単に笑うのに
自転車に乗りながら
自転車の鍵を探したのは
教訓じゃなくて
君を笑わせる為に
僕が話そうとしていることなのに
考えなくてもわかる事だから
考えても
わからないだけなんだから
| 詩人:EASY | [投票][編集] |
流れ星を見たら願いを叶えるんだ
そしたら叶うんだってよ
でもね
流れ星を見たら
それが綺麗すぎて
願いなんか言えなかったよ
だけど、それが綺麗だったから
嬉しいんだ
それは僕が願おうとしていた事より
ずっと綺麗だったから
| 詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
ああ わたしの好みの光
そして 響き
ああ 小さな窓にも届く
朝の希望
そこまで来た夏は
愛のように甘い
そこまで来た夏は
愛のように甘い
さあ 踊ろう 夢のなか
さあ 笑おう 今すぐに
ああ 君はスジャータですか
もうここは天上ですか
・
・
指を弾くだけで
世界中に響く
呼吸を聴くだけで
こころ全てわかる
菩提樹の枝には
迦陵頻伽(かりょうびんが)遊ぶ
菩提樹の枝には
迦陵頻伽遊ぶ
さあ 脱けよう サンサーラ(輪廻)
さあ 目指そう ニルヴァーナ(涅槃)
ああ これはサルピスですか
もうここは天上ですか
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サルピス・・・仏教でいう熟酥味(じゅくそみ、ヨーグルト味でいいかな?)。カルシウムを強化したら、カルピス。
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