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[198411] 【若菜川】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


峠を下れば左手の谷間に
流れも清らな小川が見えるはず

半農半漁の小さな世界まで
ゆらゆら流れる小さな川のうた

若菜川よ 若菜川よ
誰のために行く

僕もいつか川を伝い
あの人の里へ

若菜川は 若菜川は
浅い春のいろ

そして今日も
あの人とは会えないよと

告げた


許されるものなら僕も川になって
夢見たあの人を焦がれて流れたい

若葉の光を反射してただよい
小さな憂いを集めた川のうた

若菜川よ 若菜川よ
好きな人を得よ

僕もいつか川になって
あの人の許へ

若菜川は 若菜川は
僕を待たず往く

そして今日は
このあたりで引き返せと

告げた

─────
─────

2024/07/27 18:06



[198409] 焼死体
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

誰が為のliar 己が為のliar
嘘に嘘を重ねて生まれた虚構の火種は
現実へと侵食してfire

愛想笑いに疲れる君は嘘が嫌いだ
信じる者は報われない
罪悪感と背徳感の間を行き来する
脳内麻薬が僕に苦悩と悦楽を与える
隠れてこそこそコソ泥みたいに
小さな欲望を叶える

嫌がる君の顔は見たくはないのに
バレるかバレないかのスリルを味わいながら
塵も積もれば山となる罪と嘘を重ねてゆく

作り物のエンタメにハマらない人はリア充か
といえばそうでもなくて
平日は仕事や人間関係にヤられて疲れが蓄積し
帰宅後も土日も興味のないショート動画を見続けて
あとは眠るだけ

君が悪夢にうなされている間
僕は虚構に現を抜かしながらこの手を悪に染める
昔みたいに仲良く手を繋いで遊びに行けないな
追求されれば苦しい言い訳をして
後ろ手で君から見えないようにまた罪と嘘を重ね

事実は小説より奇なりに基づく実話ベースで小説を読んで
酸いも甘いも現実も知った気になって
毒にも薬にも金にもならない妄想で毎日を潰して
小さな小さな器を満たす
溢れんばかりの汚水を啜り
分泌された脳内麻薬と共に味わって
もう終わってる人生を反芻するお前はクソだ
嘘が嫌いな君は全てを暴いて真実を突きつける
悪夢から目が覚めてもまだ悪夢を見ているような目で僕を見て
失望して涙も出ないよな
絶望するよなこの世界に
罪深い嘘を説くイエス
フィクションよりも馬鹿げたノンフィクション
この手で作り上げ 強制的に観せた
興味のないショート動画よりくだらない嘘にまみれたリアル

誰が為のliar 己が為のliar
眩しい光に集まる羽虫の習性のような欲望は
やがて我が身を焼き焦がす
だけでなく 燃え盛る黒い炎は
それでも信じた最愛のマリアまで焼き尽くす

誰が為ののliar 己が為ののliar
嘘に嘘を重ねて生まれた虚構の火種は
現実へと侵食してfear
二人幸せだった思い出まで含めて全てを焼き尽くしTHE END
あとに残るのは焼死体が二体
なんてこったい 笑止千万
しょうもないどうしようもないショータイムで昇天してBAD END

2024/07/26 07:32



[198407] 雨後の筍
詩人:里雨夜 [投票][編集]


ようやく一息つく


爆速でハイハイの音がする

眼鏡を取ろうと体を伸ばす

あごに頭が触れる


駆け寄る足音がきこえる

背を向けて座り体を預けてくる

あごに頭が当たる


腰を伸ばし立ち上がる

おずおず上目遣いで近づいてくる

抱き上げるとおでことおでこがこんにちは

2024/07/23 16:40



[198405] 蝉と人と鶴と亀と
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

蝉の鳴く一生 とても短いと
昔から嘆かれ歌い哀しまれ
エゴだろう 人間の生も短い

五・七・五のリズムに乗せて
歌を詠むあなたの姿 鏡見てんの?
型にハマった生き方をしても尚
慈悲の心で哀れむなんて

鶴は千生きて 亀なら万生きて
人は百まで生き切れば良いほうで
それぞれの時間に違いはあるけれど

五・七・五のリズムに当てて
歌を詠むあなたを見て
鶴や亀なら嘆くだろうか
ましてやさぁ?
蝉を見ながら一句
歌を作るような真似しないって

五月蠅と書いてウザいと読むのはいいとして
情に任せて情を移して情に浸っているのはね

五・七・五のリズムに合わない
僕自身 超個人的感想で感情なので
鶴や亀からすれば似た者同士
人はみな人かな

五・七・五のリズムに乗せて
歌を詠むあなたの姿 僕も作るよ
型にハマった生き方を歌にして
心の隙間を埋めて・・・

2024/07/21 22:24



[198404] 〜ノスタルジア〜
詩人:桜井 楓 [投票][編集]

雨の降る通り
街路樹から落ちていく雫

古い街並みに見えるのは
あの頃に通(かよ)ったレコード店の
閉じて錆びたシャッターが
どれだけの時間が経ったのかを
僅かばかりにズレた
記憶の断片が
必然的に頭の中に閉じ込めた…


人は誰もが
気にしまい、大したことではないと
思い続けると
かえって
古い滓(おり)が水面へ浮かんでくるように
思い出してしまうもの

本当に忘却できぬそれは
まるで
雨で溜まった水面に薄氷が張り
それを知らぬ間に誰かなのか
はたまた陽の光が溶かしたのか
一度は無くなり
しかしまた一晩にして冷えて凍りついては
再び覆い被せるものとなる…

いつかは明けるとは知りつつも
それがどのような姿であるのかは知らず
たかだか知れた人生に於いては
この街並みの歴史に刻まれる事はなく
だがしかし
確かに触れた雨の雫は
古の内心とは差異もなかった…

2024/11/27 08:52

[198403] らんたん
詩人:とーれぱすて [投票][編集]

何かどこかで繋がっていたくて
できることはやってみた
全部が中途半端で
どこにも繋がりやしなかった
探せるものは探した
全部をみんなが知っていて
何もなりやしなかった
誰も知らないきみを知りたい
きみさえ知らないきみを知りたい
僕のことはいい
きみのことだけでいい
全てが一つも許されないこの距離に
今日も手を伸ばす
抗うように

2024/07/21 00:54



[198401] とりあえず
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

真っ白なパレットに

白い絵具をチューブから捻り出す
筆洗いに筆を浸し
どうにも気持の良い気持ちが
気持ち良く水面に広がり
頭の先より
真っ白だらげな心地が雲よりも
理由のような衝動となって
広がって行く

とりはいない

これは
航海なのか後悔なのか
旅だけが、ありのままにつづく
「あてどない」か
そんな事はない
行く先はある、行く先しかない

間違いなく
なんにもならない

ためらいも、容赦も寛容さもない
ごく普通

まっ白いを
愛しているを、愛してはいる

画紙もいらない



2024/07/20 15:18



[198398] やきそば
詩人:EASY [投票][編集]

懐かしさを太陽に
重ねた音を聴いてみて

肌色に染み込んだ
モンゴロイドな僕の耳


肌触りは青くって
耳障りな感触は

480ヘルツら辺の
角を曲がったアパートの

下町風味な味がする

2024/07/17 18:00



[198397] 【和楽団地】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


夢の入口だね
あなたの住む町は
過ぎた日の優しさを思い出す午後

そして笑い声が
光とたわむれる
悲しみが遠ざかる そして温もり

──人が学べることは
あまりに少ないけど
──人が愛せるものは
数えきれないほどに

この町のあちこちにあるよ
和楽団地


愛を試すものは
いつでも多いけど
永遠の約束も信じられるね

弱気になるときも
未熟を恥じる日も
あなたを思い出せば
うまくいくはず

──僕が歌えることは
あまりに少ないけど
──歌いたくなるものは
数えきれないほどに

この町のあちこちにあるよ
和楽団地

──────────
長崎県西彼杵郡長与町
──────────

2024/07/16 21:41



[198395] マチルダ
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

ねぇ マチルダ
きみの笑顔が 今日の日を鮮やかに 染め替えるよ

白く濁った目は総ての景色をぼやかしてしまうけど
きみが笑ってくれる日は
なんだかくっきりとして見えたんだ


ねぇ マチルダ
きみの笑顔が 世界を鮮やかに 包み込むよ

悲しい事ばかりが耳に飛び込んでくる インターネットも 現実も
きみが笑ってくれる日は
距離を置いて息をつけたんだ


僕達は こんな時代に生まれたね
とても便利で とても豊かで きっととても恵まれてる そんな時代
知らないままではいられなくて たくさんのものを持て余して 疲れ切った そんな時代


ねぇ マチルダ
僕は今でも きみを探して時々泣くよ

街角に 道の向こうに 街路樹の影に
見慣れたワンピースが見えた気がして
走って近づくけど誰もいないんだ


ねぇ マチルダ
きみの笑顔が 僕の時間を鮮やかに 止めてしまったよ

ねぇ マチルダ
悲しいニュースは 今も流れてる


ねぇ マチルダ


ねぇ マチルダ


愛してたよ

2024/09/18 00:50
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