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[198397] 【和楽団地】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


夢の入口だね
あなたの住む町は
過ぎた日の優しさを思い出す午後

そして笑い声が
光とたわむれる
悲しみが遠ざかる そして温もり

──人が学べることは
あまりに少ないけど
──人が愛せるものは
数えきれないほどに

この町のあちこちにあるよ
和楽団地


愛を試すものは
いつでも多いけど
永遠の約束も信じられるね

弱気になるときも
未熟を恥じる日も
あなたを思い出せば
うまくいくはず

──僕が歌えることは
あまりに少ないけど
──歌いたくなるものは
数えきれないほどに

この町のあちこちにあるよ
和楽団地

──────────
長崎県西彼杵郡長与町
──────────

2024/07/16 21:41



[198395] マチルダ
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

ねぇ マチルダ
きみの笑顔が 今日の日を鮮やかに 染め替えるよ

白く濁った目は総ての景色をぼやかしてしまうけど
きみが笑ってくれる日は
なんだかくっきりとして見えたんだ


ねぇ マチルダ
きみの笑顔が 世界を鮮やかに 包み込むよ

悲しい事ばかりが耳に飛び込んでくる インターネットも 現実も
きみが笑ってくれる日は
距離を置いて息をつけたんだ


僕達は こんな時代に生まれたね
とても便利で とても豊かで きっととても恵まれてる そんな時代
知らないままではいられなくて たくさんのものを持て余して 疲れ切った そんな時代


ねぇ マチルダ
僕は今でも きみを探して時々泣くよ

街角に 道の向こうに 街路樹の影に
見慣れたワンピースが見えた気がして
走って近づくけど誰もいないんだ


ねぇ マチルダ
きみの笑顔が 僕の時間を鮮やかに 止めてしまったよ

ねぇ マチルダ
悲しいニュースは 今も流れてる


ねぇ マチルダ


ねぇ マチルダ


愛してたよ

2024/09/18 00:50



[198394] 【コン・ソルディーノ】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


弦(いと)に滑らす指を見ていた
風になろうと弦は泣いてた

光の庭で都会を忘れ
無邪気な心取り戻そうか

コン・ソルディーノ
君の声は小さすぎるよ
少し硬いし

コン・ソルディーノ
君は音楽


青いドレスを褒めてみようか
それとも細い脚にしようか

画家も詩人も出番がないよ
君は君だし 今は今だし

コン・ソルディーノ
君の声はかき消されるよ
少し痛いし

コン・ソルディーノ
君は音楽
──────
──────
コン・ソルディーノ・・・弱音器をつけて

2024/07/15 06:44



[198392] 藍より青い群青の空、水面に揺れる朧の月(仮題)
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

ミナソコノアオニ ポツリ オボロヅキ

今際の際に流すエンドロールに使いたいな
眼前に広がる景色はどこまでも続く地平線と
藍より青く塗られた群青の空
放物線を描く七色の向こう側から光が射し込む
自然のステンドグラスだ

神々しさを感じて訪れる涙
自分にもこういう感情があったんだと
気付かせてくれる絶景に
どれだけ人生の旅を重ねようと度々は出逢えないが

同じ道を辿っていてもふとした時に見上げた夜空が
心に残っていたりする見慣れた景色のはずなのに
ネオン街から離れてもまだ白む都会の夜に浮かぶ月が儚い
それは自身の大切なバックグラウンド

心象に残る風景 一番奥の奥にあるのは夜を描いたレイヤー
深層に潜む背景 それはフェイク動画のような
湖のほとり 水面に揺れる朧の月 思い出は写し絵
良いように改竄されていたとしても誰も迷惑しないだろう?

昔に浸るのは夢を見るまで 過去の切り貼りは夢の中で
スクリーンに映し出される物語のピースはまだ足りないか
席に着くのはもう少しあとかな

朝の隨に 白昼も其処其処に 黄昏は徒然に 宴も酣に
今宵もひとり
帰り道に振り返るとそこには

The ephemeral Oboro moon, shimmering against the backdrop of the watery depths of my chest, bluer than indigo, dwells in the very core of my being.
(藍より青い胸の奥の水底を背景に揺蕩う儚い朧月が僕の根幹に宿っている)

2024/07/14 02:46



[198391] 無垢
詩人:遥 カズナ [投票][編集]


たまに、なのだが
だいたい8時頃に
車を大通りへ、乗り入れようとすると
ちょうどすぐ左の路地から
オバーが日傘をさして
メガネをかけた
中学生くらいの女の子と
寄り添うように
歩いて、出てくる

出勤時間を最近
遅らせたせいか
よく見かけるようになった

度々、観察していたのだが
どうやら、少女は
視力が弱いようで
こちらの車の前を
横断歩道で
二人が横切る時には
オバーは右手で彼女の左手を抱えるように
手をひいて
そうして道路を渡って行く

どうしてなのかは分らないが
二人を見かけた日は
元気づけられて

なにかしら楽になって
その日を一日を安らかに
始められる

2024/07/13 22:55

[198389] 色たち
詩人:EASY [投票][編集]

正しいことは
正しいことではなくて

正しいことは
間違ってるって

思わないことだ

2024/07/10 17:39



[198387] 【闇の果てへ】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


泣き濡れた町を
出れば逃れられる

行き先も知らず
飛ばせ 闇の果てへ

アクセルを踏み
悲しみこらえ
逃げる逃げるセリカ

養鶏場の前のカーブで
猫をはねたけれど

咎める人もいないのね


未練だけ残し
砂を噛んだタイヤ

反射して襲う
デリニェータの光

追いかけないで
あなたとわたし
今日で終わりだから

暴力さえも沈黙さえも
追いつけない彼方

取り戻せないあの影絵

泣き濡れた町を出ても
泣くと思う

行く先も違う自由な人でさえ

平成〇〇年の誕生日まで有効──

わたしの免許では
追いつけない彼方
追いつけない明日
追いつけない

あなた

────
デリニェータ・・・ガードレールやトンネルの側壁にある小型の反射板
────



2024/07/09 21:21



[198385] ──弔辞───
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]

深妙院華生日芳信女。

あなたは私のたったひとつの自慢でした。

────
────

2024/07/07 07:08



[198383] 想像の風船
詩人:EASY [投票][編集]

雨に濡れる理由とか
研究している博士とか

アリのいない世界での
アリ地獄という虫だとか

吸いたくないのに吸ってみる
タバコみたいなものだとか

晴れた日に撫でたくて
逃げられてみた猫だとか

2024/07/05 19:24



[198382] 【ここにないもの】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


雨だれが庭を打つ
意味のない日曜日

自転車が濡れるから
買い物に出られない

 歌は資源にならない
 心は痩せてゆく

ここに神はいない
敵もいないけれど

ここに君はいない
時間を戻しても

ここに君はいない


読み飽きたはずの本
それなのに手に取った

猫たちは会いにくる
感情のない味方

 樹々は試薬にならない
 焦りがつのるだけ

ここに祝福はない
焦土は遠いけど

ここに惻隠(そくいん)はない
救いは未定義だ

ここに惻隠はない

────
────

2024/07/04 20:47
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