詩人:EASY | [投票][編集] |
のっぺりとした青空に
夏の飛行機の残像が
想い出みたいな暑い日を
入道雲に映してる
くっきりとした太陽は
幼かった夏の日に
食べたアイスの冷たさで
温暖化を凌いでる
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
君は悪魔か
自覚があるなら
きっとそうなのに違いない
嘘って言われようが
本当の事が
なんかあんたに良いこと
してくれたことがあったのかい
正直なんて代物は
土壇場では
さいの目よりやっかいで
金にすらならない
ようするにだ
糞と同じさ
頭が悪くて
死ぬほど金が欲しいなら
死んだ方がましな
生き方をするしかない
それとも
君は天使かな
真実を軽やかに羽織り
愛を愛し愛に愛され
誰にでも誰からも
愛おしまれ
憎しみなんて
何も生み出せない
負の連鎖は世界を時代を
苦しめつづけるだけ
そうして
愛そのものになりたいのなら
全てを分け与えるといい
それでも後悔のないその時は
たとえ死すら
君にダメージを与えることは
出来ないだろう
どちらも選べない
選ぶ必要にすら
疎ましさを感じるようなら
君は人だ
善と悪を自分だけの
都合の良いように
使い分ける
全てを他人せいにも
自分の為にでも
使い分けられる
泣きたい時に泣き
笑いたい時にだけ笑う
悪魔にも天使にもなれず
なりたくもなく
行く当てもなく
孤独を埋め合わせる手段に
人生の全てを賭する
ただただ無駄に
それなら
いっそのこと
神になれたならいいのに
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
・
季節は無言で過ぎる
あなたはいつも優しく
有職故実(ゆうそくこじつ)を
正しく演じる
翻訳もののミステリー
犯人は誰でもいい
あなたも わたしも
アリバイはないわ
劇中劇を演るのなら
しっかり抱きしめてほしい
呼吸も髪も乱れたまま
さあ
最後のページまで
・
・
熱くしすぎた珈琲
あなたは平気で飲んだ
今夜の序破急
満足したのね
複数の罠をかわし
わたしに手錠をかけた
動機も凶器も
あなた次第なの
劇中劇を演るのなら
しっかり見届けてほしい
あなたに貫かれたままで
さあ 最後のページまで
劇中劇を演るのなら
しっかり感じさせてほしい
汗に光る素肌を滑り
さあ 最後のページまで
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詩人:アルバトロス | [投票][編集] |
明日は何時に起きればいい?
気のせいにしては大きな独り言が
ベリベリと壁の紙を剥がして
小さなゴミ箱へと捨てる
心の声を全て言葉にしたならば
言葉がこの世界の真実ならば
一体世界は何度滅びているのだろう
丸めた紙を広げても
しわくちゃな紙がまたそこにあるだけ
不格好な紙はもう真っ白とはお世辞にも言えなくて
でもどこか愛おしい
だから明日もきっと
詩人:梅宮 蛍 | [投票][編集] |
爬虫類を飼っています
雌のヒョウモントカゲモドキです
名前をレオと言います
洋名のレオパードゲッコーから採りました
彼女は時折卵を産みます
無精卵です
放っておくとカビるので
私はそれを生ゴミに出します
ゴミに出した卵はとても臭いです
きっと栄養価が高いのでしょう
だから私は早々に
三角ネットごと紙袋にくるんで
他の燃えるゴミとともに
集積所へと持っていきます
爬虫類の卵は 食べられません
無精卵なので 孵化もしません
卵を産んだ彼女は
いつもとても痩せてしまいます
私は甲斐甲斐しく餌を与えます
丸々と太った彼女は
また卵を産みます
そうしてひと月かけて4つほど
産み落とすまで
私と彼女のルーティンは続きます
排卵は
いつの時代の
どんな種族にとっても
命懸けです
そこには生命の神秘と苦しみが
つきまとうのです
卵管に卵を詰まらせ
死ぬ個体もあると聞きます
だけど
ああ だけど
私はソレを生ゴミに出します
彼女の命がけの産物を
食べられないので
臭いので
カビるので
簡単に生ゴミにしてしまうのです
いとも簡単に
そうして今日もふたつ
捨てました
詩人:梅宮 蛍 | [投票][編集] |
上の瞼が下の瞼と睦み合う時
脳は一人寂しく空想に耽っている
耳朶に届く虫の声
秋にはまだ早いと思っていたのに
いつのまに ほら
不思議な国の話をしよう
入眠と覚醒の狭間で見られる
あの世界の話を
神経の鎖から解き放たれて
小さな羽を生やして
金属の擦れ合う音を響かせながら
脳はコチラとアチラの境界を越えていく
見覚えのある見知らぬ街で
たくさんの登場人物たちが
誰とも視線を合わせず会話をしている
一方通行コミュニケーション
その重なりで
あの世界はできている
今はコチラがアチラで
アチラがコチラ
そのうちに
脳はジリジリと痩せ細り
羽根も次第に薄くなり
触覚がニョキニョキと飛び出して
キミは蝶になる
蝶が見た夢
夢が見た蝶
上の瞼と下の瞼の
長い長い性交は
何も産まずに終わるけど
頭の中には蝶が一匹
蛹になって眠っている
詩人:梅宮 蛍 | [投票][編集] |
冷房の風が
私の肌を灼く
暑い日に
寒さで凍える私たちは
寒い日に
暖房の効いた部屋でアイスクリームを食べる
南極の氷が溶けていると
テレビが言う
北極では白熊が数を減らしているらしい
この異常な気温は
誰のせいかと問われても
私たちは私たちの命のために
エアコンを捨てることなどできない
せいぜいが
太陽のせいだと宣って
あるいは
それは
自虐だろうと嘯いて
ときには
もはや
自業自得と悲しんで
こころに吹く
風の出口に
蓋をして
冷房の下
肌を刺されながら
熱い珈琲を飲んでいる
詩人:ふくざわゆいと | [投票][編集] |
思えば たくさん我慢してきました
好きな人に悪口を言われても
仕事で誰かに傷つけられても
愚痴をこぼせる相手がいなくても
笑って「また明日」といえる
友達がいなくても
ずっとひとりで…
だから多分 耐えられなくて
体が壊れてしまうのでしょうね
健康を害してまで
なんで
我慢してるのでしょうね…
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
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誰よりもあなたを愛してきたから
今日の日まで立ち止まらず歩いてきたんだ
あなたがいる日々を幸せと感じる
理由もなく根拠もなく毎日過ごすよ
ありがとう 微笑みを いつも
これからも ずっと そばにいて
昨日より 今日よりも 明日に
つながるよ きっと ふたりの
明日に
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