詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
悩みも痛みもないが苦しい
不安も恐れもないが虚しい
ぽっかりと空いた穴だ私は
空洞は拡がって
本当はもう
皮膚も臓器も骨も失っていて
人から見ればクリアで
鏡には映らず
自撮りでは映えない
何もないのに苦しくて
生きているだけでは虚しくて
SNSでお気持ち表明
すれど見向きもされず
されどそれに安堵し
投稿を削除する
何がしたいんだか
何かしたいんだが
何もないんだが
苦しい虚しい苦しい虚しい
心に声を当てるも
棒読みにしか聞こえず
見えていないのに
淀んで見える
これ以上続けても仕方がないと
言いながら続きを望んでる
途絶えない絶望の先を渇望
空虚なんだから
もっと謙虚になれよって
さっきから誰と喋ってるんだ
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
夕暮れになると道で足を止めて
祈りを捧げるように頭(こうべ)垂れた
やすらいのなかはすべて無色だった
謙虚な人の溜め息あつめていた
いつでも「かたち」が心を乱すらしい
語られぬ悲しみが影のように寄り添う
瞼が重いだろう
その重さに逆らうな
しゃがんでしまえばいい
この場所で膝を抱いて
さあ
◆
◆
薄明(はくめい)の町を一人ゆるく歩き
優しい人の残り香そっとなぞる
涙を流せるならば終わるだろう
こんなに愛していたと言えるだろう
いつでも「ながれ」が心を変えるらしい
減らせない苦しみに僕は慣れていくのか
目を閉じてもいいのなら
正直な子供になり
寝そべってしまいたい
この場所で泣きじゃって
そう
────
────
詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
空を何色で表しても良いじゃないか
それがアートだとお前は言うが
青い空は青以外無いだろう
夕焼けは赤く塗り
夜空は黒くする
用意された色を混ぜもせず
既存の感性で完成させた
この絵をお前は何と言う
誰も見ていなくても
法定速度をしっかり守って
敷かれたレールの上を走る
人並みの波風立たぬこの人生を見て
何と言う
誰に問う
見向きもされない人生の端っこで
腰を下ろして空を見る
あの空は何色か
青い空を青く塗り
星空に星を描く
私の描いた私の絵を
私だけが見ている
答は無い
何も無い
それでも描くのをやめなかった
それでも歩むのをやめなかった
私の人生
詩人:梅宮 | [投票][編集] |
ハリボテの空に溜め息をぶつける
水色を塗ったくった棺の中
振り返れば短いものだったねと鶯が鳴くから
お前に何が分かると噛みついた
もう陽は沈まないし
昇ることもないだろう
名も知らぬ花の匂いが多少疎ましいが
一度眠ってしまえばまぁここも悪かない
思えば短い人生だった
鶯なんぞに言わせてたまるか
それを言って許されるのは
私だけだ
詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
新しい食事を買ったよ
そこのコンビニで
食べにくかったけど
歯を一本抜いたくらいじゃ
味は変わらない
食欲はありのまま
汚い箸の持ち方で
腹を満たす
昨日と同じように
それ以上でも
それ以下でもなく
心は動かず
脈を打つだけ
ただそれだけ
詩人:2ちぇ | [投票][編集] |
色々忘れて
悪戦苦闘
エントリナンバー1
語るしすがうんこ臭かった
思い出した
あの頃スプンは黄色かったね
ひもじの姐さんとは108回やった
わたしは人間だった
ありがとう
詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
平等に
平等に
等分に
寸分の狂いもなく
切り分けられた
あなたの狂気が
甘味を含んだ錠剤みたいで
噛まずにぬるりと喉奥へ
入り込んでゆく
明日
苦しむとしても
やめられないこの行為
ドカ食いなんて
ダサい呼び方はしないで
名前を言ってよ
甘い甘い
甘ったるい声で
濁音のつかない
私の名前を
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
片思いはいつでも
風が運んだ花粉
指にからむためらい
あなたのせいで──
出会ってしまったから
こんな思いを抱いて
一人で森にいるよ
あなたのせいで──
緑に降る光にまぶしそうに笑った
あの無邪気な笑顔が
今も忘れられない
だけど光あふれて みどりは目に痛いよ
僕の小さな影は消されてしまう
◆
◆
白いショートパンツで
あなたはシャトルを追う
低くそして鋭く
サーブを返す
僕は歌を作って
何かを確かめていた
時々襲う挫折
楽しんでいた
緑に透ける髪をバレッタでとめていた
それは僕の心もつなぎとめたと思う
だけど光うすれて 夢は冬に移るよ
たぶん僕のせいだよ
僕のせいだよ
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詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
緑ヶ丘に 優しい風が
わたし誘うように吹き寄せてくるわ
もしも あのとき素直だったら
光さす処へ行けたかもしれない・・・・・・
ためらう言葉ではなにも伝えられないと思うの
だから
お・ね・が・い・よ
このまま
す・て・な・い・で
せっかく言えそうになったところよ
「アナタガ好キ」
で・も・だ・め・ね
青空
み・て・い・る・と
あなたの大事な彼女(ひと)を思い出すの
◆
◆
緑ヶ丘に 月影さえて
眠り破るように囁いてくるわ
窓の外では 模様のない蛾が
光に魅せられて躍り続けているわ
逃げ腰の恋ではなにも創りだせないと思うの
だから
な・り・ゆ・き・で
あしたに
さ・せ・な・い・で
せっかく言えそうになったところよ
「ヤッパリ好キ」
で・も・だ・め・ね
満月
み・て・い・る・と
あなたの大事な彼女(ひと)を思い出すの
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詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
夕暮れまでに帰れよと
我が子に叫ぶ母がいた
故里の冬
帰ろうか
帰ろうよ
帰ろうか
今のうち
東北へ
地面の匂い
時となく
雪をちりばめ
混じりあい
指を凍らす
雪が降る
雪が降り
昔いた
人を呼ぶ
東北へ
心に深く
突き刺さり
敗れた者を
認めない
故里の冬
心を遠く
突き離し
敗れた者を
許さない
故里の冬
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