詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
冷凍されて
カチンコチンのカルピスの
ペットボトルを
金城さんにお礼で渡した。
朝、夜、朝、夜
夕日、朝日夕日朝日夕日、週末
集合住宅の廻廊の排水口に
子猫が居座っていて
いられても困るし
仕方がなく
その前に
練ニンニクを絞り出してやると
翌朝には
居なくなった
天然素材の
良し悪しの要らない
責任転嫁らしい
でも俺
金城さんに貰った魚より
やっぱり
カチンコチンに凍ったカルピスを
やっと溶け始めたそれを
飲みたかった
灼熱の防波堤の釣り場で
詩人:EASY | [投票][編集] |
背比べしないどんぐりや
ごっこを笑顔でやるイタチ
会社の利益や損得は
角砂糖とかき混ぜる
権力主義者の孫たちの
3時のおやつによく似合う
いかにも正しい響きを放つ
努力とかいう言霊は
自由の前にひれ伏して
猫の瞳を丸くした
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
川のなかを見てごらん
野をゆく川を
透明な水のなかを
泳いでいるよ
覚めたくない夢だよ
つかまえようよ
たぶんみんなこうして
歩いてるよ
・
・
人の汗を見てごらん
貴い汗を
愛する家族のために
働いてるよ
気高すぎる夢だよ
なんにも言わず
疲れている瞳で
笑ってるよ
・
・
流れる血を見てごらん
慈悲深い血を
命の重さを伝え
チューブを走る
かけがえない夢だよ
生きていこうよ
分けられない痛みも
分けたいんだよ
────
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詩人:EASY | [投票][編集] |
部屋の窓から見えている
所在地不明のアパートは
少し斜めに傾いて
僕の心を映してる
中途半端に降る雨と
確かに聞こえる鳥たちの
鳴き声みたいな演出が
異世界くらいの残像を
希望みたいに差し出した
砂漠で喉が渇いた夢を
見るならそんな日なのだろう
ゴミを捨てに外に出て
近所の人に会釈する
その時見せた微笑みは
小雨に妙にマッチした
詩人:EASY | [投票][編集] |
花と星の2世のハーフ
突然変異でダーウィン調
生きてる意味を雑誌に載せて
いいねを貰う真骨頂
動物たちの撫で方を
習う塾をぶっ壊す
それに恐がる親たちが
育てた子供が通り魔だ
詩人:EASY | [投票][編集] |
命を主役に仕立ててる
お金みたいな残像が
歩きスマホをする人を
無表情な顔にする
添加物の結晶で
トリップしてる大人達
妖精達と戯れて
普通に遊ぶ子供達
雨が降る確立と
デモが起きる確立の
原稿を読むお姉さん
それを笑顔にさせるのは
落書きくらいの親父ギャグ
詩人:梅宮 蛍 | [投票][編集] |
しゃがみ込みたい
そんな時分に「立て」と言われると
心が折れる
もう一度歩き出す
そんな物語は 今の僕には重いんだ
ちょうどいい音楽が見当たらない
しゃがみ込みたい
そんな時分に「休んでいい」と言われると
胸がささくれ立つ
世界を呪うだけの
そんな叫びは 今の僕には辛いんだ
ちょうどいい音楽が見当たらない
寄り添わなくていい
誰も構うな
今は独りで居たいんだ
詩人:梅宮 蛍 | [投票][編集] |
ひきつめた髪の襟足から
こぼれる後れ毛の色香
惑わないあなたの優しさに
すべての刻が頭を垂れる
赦されたと思うのは
赦されたいと願うから
卑しく怯えるぼくは
その輝きをあなたに押し付ける
今日も きっと明日も
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
少女は
母の持ち物の指輪を
そっとはめてみる
誰もが
そんな悪戯を
通って生きてきたんだね
臆病とか怯懦とか
どうでもよかった航跡
・
・
扉を開けた 三面鏡
禁忌と慚愧 交差する
残酷よりも甘美な血
蒐めて輝く宝石
恭順とか彌縫とか
どうでもよくなる光量
─────
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詩人:EASY | [投票][編集] |
雨の日に聞こえてる
低空を飛ぶ飛行機の
音は小さなランプの様な
優しい光りを放ってる
取り返しのない切なさの
崖の途中に咲いている
紫色したその花は
生存しない存在だ