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[198742] ひとつめ
詩人:さみだれ [投票][編集]

広いといえば
海を思い出す
貧しいといえば
どこかの国のスラムに
良いことは忘れがたく
豊かになれば
忘れやすく居心地よい
貧困になりさえすれば
大事に思えるものが増える?
減らないことが
忘れがたく居心地よい?
居心地のよさは
私の太古の記憶から
指を吸うことが
居心地のよさと言った

狭さを呪う
そんな胎児の胸に
管は繋がれ
呼吸は地球に波を立て

手がある理由を知り
広さを確かめた
手に取るものがないと
諦めてしまった
広くなくていいから
海を見たいと
望む君こそ
居心地よいのだと
そこに理由を持たないように
君は軽やかに指を鳴らした

楽しくなって私も鳴らした

2025/07/01 00:06



[198740] 【滑石】かっせき
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


生まれてくるとき
母の声を聞く

洗礼(先例)をうけて
ひとの世に入る

幸あれと
祈りの声

平穏(やすらぎ)は
二度と来ない




滑らかな肌をもって
生まれれば

不幸せなどは
知らずにいたものを

休めよと
産土(つち)が告げる

「滑石の色をあげる」

欲しいのは
滑石の‖‖‖

────
────

2025/06/29 20:38



[198735] 感謝
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

冷凍されて
カチンコチンのカルピスの
ペットボトルを
金城さんにお礼で渡した。

朝、夜、朝、夜
夕日、朝日夕日朝日夕日、週末

集合住宅の廻廊の排水口に
子猫が居座っていて
いられても困るし
仕方がなく
その前に
練ニンニクを絞り出してやると
翌朝には
居なくなった

天然素材の
良し悪しの要らない
責任転嫁らしい

でも俺
金城さんに貰った魚より
やっぱり
カチンコチンに凍ったカルピスを
やっと溶け始めたそれを
飲みたかった

灼熱の防波堤の釣り場で

2025/06/21 22:36



[198732] 柔らかい道理
詩人:EASY [投票][編集]

背比べしないどんぐりや
ごっこを笑顔でやるイタチ

会社の利益や損得は
角砂糖とかき混ぜる

権力主義者の孫たちの
3時のおやつによく似合う


いかにも正しい響きを放つ
努力とかいう言霊は

自由の前にひれ伏して
猫の瞳を丸くした

2025/06/17 15:24



[198730] 【夢の狩人】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


川のなかを見てごらん
野をゆく川を

透明な水のなかを
泳いでいるよ

覚めたくない夢だよ
つかまえようよ

たぶんみんなこうして
歩いてるよ


人の汗を見てごらん
貴い汗を

愛する家族のために
働いてるよ

気高すぎる夢だよ
なんにも言わず

疲れている瞳で
笑ってるよ

・ 
流れる血を見てごらん
慈悲深い血を

命の重さを伝え
チューブを走る

かけがえない夢だよ
生きていこうよ

分けられない痛みも
分けたいんだよ

────
────

2025/06/15 20:58

[198728] 梅雨入り
詩人:EASY [投票][編集]

部屋の窓から見えている
所在地不明のアパートは

少し斜めに傾いて
僕の心を映してる


中途半端に降る雨と
確かに聞こえる鳥たちの
鳴き声みたいな演出が

異世界くらいの残像を
希望みたいに差し出した


砂漠で喉が渇いた夢を
見るならそんな日なのだろう

ゴミを捨てに外に出て
近所の人に会釈する


その時見せた微笑みは
小雨に妙にマッチした

2025/06/14 16:59



[198726] プレアデスのワイドショー
詩人:EASY [投票][編集]

花と星の2世のハーフ
突然変異でダーウィン調

生きてる意味を雑誌に載せて
いいねを貰う真骨頂


動物たちの撫で方を
習う塾をぶっ壊す

それに恐がる親たちが
育てた子供が通り魔だ

2025/06/13 20:56



[198725] 令和の売り方
詩人:EASY [投票][編集]

命を主役に仕立ててる
お金みたいな残像が

歩きスマホをする人を
無表情な顔にする


添加物の結晶で
トリップしてる大人達

妖精達と戯れて
普通に遊ぶ子供達


雨が降る確立と
デモが起きる確立の

原稿を読むお姉さん

それを笑顔にさせるのは
落書きくらいの親父ギャグ

2025/06/13 19:05



[198723] トラジェディ。アンチ・シェア
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

しゃがみ込みたい
そんな時分に「立て」と言われると
心が折れる
もう一度歩き出す
そんな物語は 今の僕には重いんだ

ちょうどいい音楽が見当たらない

しゃがみ込みたい
そんな時分に「休んでいい」と言われると
胸がささくれ立つ
世界を呪うだけの
そんな叫びは 今の僕には辛いんだ

ちょうどいい音楽が見当たらない

寄り添わなくていい
誰も構うな
今は独りで居たいんだ

2025/06/11 20:22



[198722] 崇拝と罪
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

ひきつめた髪の襟足から
こぼれる後れ毛の色香
惑わないあなたの優しさに
すべての刻が頭を垂れる
赦されたと思うのは
赦されたいと願うから
卑しく怯えるぼくは
その輝きをあなたに押し付ける
今日も きっと明日も

2025/06/11 12:52
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