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[197927] 他人のカルマ
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

清濁合わせ呑むのは
さぞ不味かろう
ましてや
他人が犯した過ち
自分の業のように
飲み干すのは何でだ?
誰にも見放された俺を
見据える両眼に宿る光
茨の道より険しい針の筵を
傷つきながらも避けずに
進んだ覚悟が見える光
そこからどうやって逃れようか
考える思考さえ放棄した
人間をやめた何者かに
あたたかいミルクを一杯
その温もりを啜るのは
さぞ美味しかろう
堪える涙を零さなければ

2023/02/26 04:19



[197926] この星
詩人:EASY [投票][編集]

全てを失い失望したら
僕たちはハグする

その為に必要だったものは
必要ないものとされるんだ


この星は輝きを可視光に閉じ込めた
すごく光る星だ

その光りで太陽を照らしているなんて
何処の科学者が知るのだろうか?


疲れたら飯が旨い
簡単に言えばそんなとこ

この秘密を知っている料理人なら
少しはいるよ


悲しみはメロディーで
幸せは義務じゃない

それを知ってる人間なら
神様と友達みたいに振る舞うのさ

2023/02/25 16:59



[197925] 〜この指止まれ〜
詩人:桜井 楓 [投票][編集]

ある大国の主が手を挙げる

そこから我慢比べが始まった

従う者達と反抗する者達は何を思う
無力な人々は何を思う

一年ほど経過した今では
よからぬ国々が
少しずつ我慢できなくなってきている


静けさの中の緊張感が漂う世界の中で
裏舞台では 良い国も悪い国も慌ただしい

支援のという言葉は
良い事にも悪い事にも使われている

戦地となる地に住む人々達の元へ
大量の食料や暖を取るものが送られている
兵士やミサイルもそこへ向かっている
これから着弾するかもしれない
誰かが銃をこの身に向かって構えるかもしれない

表向きに戦っているのは二つの国だけど
間接的にそこへ向かい集まって戦っている国は
どれほどあるだろうか

この指止まれと挙げた手を下ろす時に
その人物は存在しているだろうか

世界中の人々が注目する
2人が挙げている手を
お互いが向き合って下ろしてくれれば
そこに握手が生まれ
拍手が起こり平和が戻るけれど

その為に何人の人の人生が犠牲になるのか

勇気を持てば簡単なことのように思えるけど
その挙げた手を下ろす時は
世界各地が悲惨な目に遭っているかもしれない
代わりに誰かが挙げ続けるかもしれない




2023/05/02 09:48



[197921] ナゲット
詩人:小さな貝がら [投票][編集]

揚げたてのナゲットは
サクサクで何もつけずに
頬張る美味しさがある

時に臙脂色(えんじ)のドレスを纏ったり
時に芥子色のドレスを纏ったり
君は自由だ
そして君は綺麗だ

そんな君に相応しい
僕になれるよう
小さなバーガー位には
なれるかな

そんな君の横に
居れるような
ポテトフライには
なれるかな

寒いから
君を温める
ホットドリンクに
僕はなるよ

2023年 3

2023/02/20 02:27



[197920] 雨の休日
詩人:猫のあし [投票][編集]

外で雨の落ちる音が聞こえる

窓を開けると 雨の匂いがする
1
雨が降ると外に出たくなくなる

傘をさしたくなくて 家でゴロゴロ

冬の雨は冷たいけど

雨は好きじゃないけど

雨の音は好き

地面に落ちる雨の音

傘に落ちる雨の音

とても好き

雨音を聞きながら 疲れた体を休めようか

家から出れない ちょっと寂しい休日

2023/02/20 00:10

[197919] きび
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

たくさんの人の心の機微が
風のような出来事に
揺らされながら
ひしめき合い
わななき合っている

互いに翻弄されるがまま
そっとしていることも
そっとしておいてあげることも
どうにもならないままに

笑ったり、泣いたり
蔑んだり、敬られたり
命を絶ったり、永らえさせたり
こんな果てしのない
どうにもならない話しは
もういい

サトウキビは
とにかく硬い皮だけど
それより硬い歯で
やっと噛んで、引っ掻き裂くように
剥いてやると中に
甘い茎の部分があって
そこもやっぱり固くて仕方ないのだけれど
噛み締めると青臭い汁が出てきて
それがとにかく甘い

そんなサトウキビ畑の
ひしめき合う景色が
風に揺れている

しかるべき様子が

この心の拠り所

2023/04/15 23:44



[197918] 国東半島
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


石に刻んだみ仏は

いつも静かに笑ってる

時は無慈悲な鑢(やすり)です

知らず知らずに削ります

誰のせいでもないし
誰を恨むでもないけれど

人よ覚えていてほしい

こんな小さな祈りだけれど

──────

2023/02/19 06:08



[197916] 今ふるさとでは
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


今ふるさとでは
夏の日射し浴びて

人々が歩き
挨拶を交わしてる 

昔の仲間たちは
それぞれの町に帰り

なつかしい歌と
ざわめきを愛してる

晴れた午後には退屈なほうがいい

東向きの部屋で
ごろりと横になる

さあ思いきって
雄渾にペンをふるえ

空に手紙書こう

今ならば届くから

──────
──────

2023/02/17 07:00



[197915] 見えない夜景
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


秋の夜更けは数多(あまた)の流星

吐く息白く闇に躍った

いつもあなたは夕刊越しに

見えないはずの夜景を見ていた

遠い町の空港では定刻に発つ飛行機が

赤 緑 きらめかせて

自由な町を目指してる
─────
─────
※旅客機の主翼の両端には赤と緑のライトが光ります。(翼端灯)
───── 

2023/02/17 05:42



[197914] シフォン色
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


思い出をたぐり 息をひそめてる

ガラス細工の手本のような
一輪の花に

笑いかけながら
声を分けながら

絵の具を混ぜて筆を走らす
シフォン色の午後

水が飲みたいときは
この手を休めていい?

こどもみたいに華やいだ
じだらくな夢を見たい

意味のないこと積み上げて
それでも輝いていたい
──────

2023/02/17 05:12
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