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弐號試滅 【実動風紀】 肉之章C 推敲中
2011/01/04(Tue) 風紀委員会の井浦基樹副委員長とその護衛を務める保呂瑪瑙(ほろひかり)委員、田安劉真(タヤスリュウマ)委員は武装した化学部員達の余り愉快でない歓迎を受けた。 井浦基樹一同は化学兵器で武装した部員たちに専用のマスクを着けさせられ、やっと科学部部室に入室を許可された。 「よおう」 白衣を羽織り顔面をマスクで覆った空田誅如(ソラタセゴト)化学部部長だ。 「物々しいですね」 保呂が気持ち悪そうに呟く。 「なんだ、あの大砲は」 井浦が問う。 「零式撒絶(サンゼツ)の事かな?」 「報告に無いぞ」 「してないからな。お前には少なくともな。委員長には話を通してあるよ。あれは凄いぞ、廊下とか校内での使用を想定したものだ。一艇で一クラス水酸風呂に変えられる事を目標に今一式の完成を目指している」 「僕は蚊帳の外か」 「そういうことだ。何しに来たのかな?」 保呂はギリと歯を食いしばるが、井浦はさり気無くそれを制して言う。 「…野犬群の事だ。町に人食いの獣が溢れている。知らないのか?」 「知っているとも、外のあれは野犬対策の自衛だよ。失礼だったのかもしれない、だがしょうがないだろう? 敷地の隅にこんな張りぼての部室しか宛がわれていない不遇な俺たちは、こうやって自衛するしかないのだよ」 にやにや嘲いながら空田が無茶を言う。事故を起きれば人が死ぬ危険な空間を校舎内に置くわけにもいかない。 「実動部三番班の班長代理から依頼だ。犬が好んで食うような毒入りの餌を作ってほしい」 「浜川君か。井浦君、あの子は本当にいい子だよ。もっと待遇を良くして上げなさい。がださいとぼやいていたなあ。装飾品の類の支給を」 「副委員長は毒入りの餌の話をしているんだ」 押し殺したような声で、田安が言った。ちっ、と空田は不満そうに舌を鳴らした。 「頼まれたがな」空田誅如の白衣の下に組まれていた手が、物乞いがするように伸ばした。「サンプルが必要だな」 「サンプル」井浦が繰り返す。 「そう、サンプル。犬とはどういった種類の毒をどのくらい盛れば死ぬのか。どういった毒を使えば犬に感づかれないのか。実験するから、モルモットに野犬を捕まえて来て欲しい」 「何匹要る」 「三百匹と言いたいところだが、そうだな、とりあえず三十匹ほど」 「多いな。まあ、善処する」 「そうしてくれ」 浮浪霊
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