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浮浪霊の日記

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プロフィール
詩人名 : 浮浪霊
詩人ID : strayghost
年 齢 : 23歳

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メモ 硝子の珠、日矢神判
2010/06/20(Sun)

貴方の瞳って、虚ろでまるでガラス玉みたい。そういって笑って、彼女は私の頭をワシャワシャとなでた。私はその詩的な表現に感心した。その夜私達は寄り添って眠り、翌朝彼女は荷物をまとめ去っていった。 私は一人残された。

狭い住居だったが、一人になった私には厭に広く感じられた。散らかし魔の彼女がいないと部屋も片付くから余計にそうだ。恋が終わっても、人生は続くことを痛感する。 八時間が過ぎ、午後四時になる。何をするでもなく、全くの無為の内に。 

それはあまり例の無いことだった。普段は落ち着き無く、常に何かしら立ち回っているように思う。最後にこんなふうに無意味な時間を過したのは一体いつだったろう? 陽気にうつらうつらしながら考える。私はちゃんとショックを受けれているのだろうか?

それとも、嘗て言われたように、フリをしているだけなのだろうか?眠ってしまうのは厭だった。私は起き上がり窓際を離れ、台所でお茶を沸かせる。見ると、急須のお茶ガラと三角コーナーの生ごみが処分されずに残っている。「駄目だなあ、発つ鳥跡を濁さずって言うのに」私はその両方を処分する。

感慨は無く、そしてそれはいつもの事だった。人生が味気ないのではない。私の味覚がイカレてるだけなのだ。彼女も味はしなかった。ただ傍にいると、少し、よく眠れる気がする。それは確かに替え難いことだったが、居ない所で不眠が酷くなるだけだった。私はお茶を手に、居間の机に突っ伏した。

再び眠気に襲われる。眠るのは厭だ、怖い夢を見るんだ。眠るのは……


私は大学も半ばになってやっと、真似事では本物の感情の代りにならないということを理解した。友情の醸成にはともに過す時間が、運営には此方からも働きかけることが必要で、他人なら悦びを覚えるその両方が私には異質な作業だった。

定期的に接触して優しい言葉を繰り返さないと愛しては貰えない事に私は気づかされ、そして私が他人というものにたいし如何に無関心かを知った。強制的な共同生活ならば誰にでも好かれる私だっが、わざわざ拒絶される危険を冒してまで興味も無いのに他人と関わるのは酷いストレスだった。

他人の苦痛が、歓喜が、どうでも良かった。苦しみを分かち合いたいとも喜びを与えたいとも思わなかった。私は求めるだけだった。相手の与えてくれる善意や温もりが欲しいだけだった。旧知の友人達や家族とは疎遠になり、私に一二年以上付き合いの長い人間はいなくなった。

私は彼女等の温もりだけが恋しかった。彼女等が友達甲斐の無い私のせいで感じている筈の孤独や苦痛は、どうでもいい事だった。

私は可笑しくもないのに笑うこと、愛も無く人を可愛がることを識っていたので、大学時代底の浅い友達が沢山できた。彼女らは皆私が見返りのみを求める確信的無関心の権化、怪物的欺瞞であることに気付かないか、気付いて離れていくかした。

ただ優しさに餓え渇き、人を欺き友を誑かし、無責任に惑わした挙句私は彼女らを離れることが多かった。居心地のよい距離感というものを見失うわけにはいかなかった。近づきすぎるのは恐ろしいことだった。私は責任感という概念を知らなかったので、友情の代価を負うことも考えられなかったのだ。

私は急速に夢に堕ち込んで行く。視界が雲濁し、自我が崩律し、再構築され晴渡る。夢が始まり、私の世界は再び鮮やかに存在を始める。私の経てきたあらゆる時代と空間が混在するのがわかった。そこは学校だった。あらゆる時代の友人たちが一同に帰す教室で、私は前に出てその視線を一身に浴びている。

哂い声が聞こえる。私は何が起こるのかを知っている。人間の悪意を喰って地獄がぞわりと立ち上り、数百人が整然と着席する教室を一種の冒涜的な絨毯の様に覆って行く。私は口を半開きにしてその様を観察する。それは蟲だった。人面の、歪な蟲の奔流が、人食いの人罰が迫ってくる。哂い声が聞こえる。

或る者は縮こまり狂ったように祈りながら、或る者は怒り狂い罵声を張り上げながら、又或る者は泣き笑いながら、狂奏するように地獄に挽き潰されて行く。私はそれを呆然と見ている。哂い声が聞こえる。

唐突に、私はぎくりとする。私の恋人はどこにいるのだろう。地獄に喰われてしまうのではないか。地獄に喰われてしまったのではないか。私が呆としてる間に、精肉され悪鬼の養分になってしまってはいないか。私は何千何万という人間が、のたうつ地獄から逃れようと雪崩を打って逃げ惑ってくるのを見る。

溶合う万色の人声が怪神の咆哮のようになり、練り上げられた悲鳴で世界は崩れ空へ向けて落下を始めた。私は恋人の姿を見つけることが出来ない。名前を呼ぼうとした時、彼女の名を思い出すことが出来ない事に気付く。哂い声が聞こえる。

何時の間にか天地は地獄に喰らい尽くされて、緑色に発光する蟲どもの暗室に私はいた。薄暗いそこで、大きさが人の頭蓋ほども有る美しい蟲が私を見ている。それは人面を私に向け口を開いた。「何か探しているの?」「『何か』じゃない、『誰か』だ」私は答えを求める「私の恋人はどこにいる」

「私を愛しているあの女はどうなった!」暗室にくすくす笑いが起こり、私はそれを不快に思う。「居ないよ」「なんだと?」まったくの無音だった暗室に、哂い声が充満した「あなたに恋人なんて居ないよ」げらげらという下品な笑いに私は打ちのめされた「あなたを好きだった人なんて」

「居たことも無いよ」

サーッと血の気が引いていき、気管が閉塞するのがわかった。何時の間にか、恋人の顔さえ思い出せなくなっている。暗室が解けて散り、地獄の構造が展覧する。無数の蟲によって築かれたその惑星規模の空間に、億兆という人間の死体が並べられていた。哂い声が聞こえる。

「お前を愛してくれる人間なんて、何処にいるというの?」


夢我が張り裂け、私は現に舞い戻った。ひょっとしたら悲鳴も上げたかも知れない。心臓が割れんばかりに打っていた。時計を見ると、三十分も寝ていない。悪い冗談だ。私は口元を拭う。恋人と別れるなり久々の発作に見舞われるとは、私も分りやすいやつだ。可愛いじゃないか。

急に夜が、一人で迎える夜が怖くなった。夜はもうすぐそこまで迫っている。飛び起きて自宅を右往左往し、私は精神の均衡を徐々に失っていった。人は夜が、闇が、夢が、孤独が重なるのを恐れる。何故夜が怖いのか?夜を恐怖し逃げ惑った者は夜闇の孕む数々の危険を回避でき、多くの子孫を残せたからだ。

なぜ人は孤独な夢を恐れ、眠りに就く時身を寄せ合い、温もりを求めるのか? それは例え外襲の時眠りに堕ち夢に捕われていても、愛する者と共に在れば生き残れる可能性があり、その生存の助けとなれるからだ。では私が恋人の傍らでさえ夢を恐れるのは何故か?哂い声が聞こえる。

「いないよ」「だまれ」私は耳を塞ぐ「居たことも無いよ」「うるさいっ!」「身を寄せたところで、お前なんかを助けてくれる人なんて」哂い声が聞こえる「誰も」視界が狭塞まり、私の世界は破綻した。


# 2010年6月22日 21:39:28 webから

* 削除

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八歳くらいだったろうか。私を溺愛していたおばあちゃんは居なくなり、預け先の無い私を父が家に置き去りにして出張したあの夜(澄はしっかり者だから好い子でお留守番できるよな?)。私は誤ってクーラーを切らないで電子レンジを付けてしまい、家のブレーカーを落としてしまったことがあった。

当時私は配線用遮断機の概念を持っておらず、徐々に暗くなる夏の宵を発狂するほどの恐怖と戦いながら、部屋の隅で縮こまり体を揺すり震えて過ごした。『しっかり者』でなければならなかった私には、誰かの助けを求めることなど考えられない。やがて帳が落ち暗黒が充ち、悪夢が現を汚染した。 2010年6月22日 21:20:49 webから

壁を這い引き出しに潜り込む不定形な物、発光し群生する醜怪な小人、窓や鍵穴や隙間から覗き込む歪な人面、異様な長さを持つ人の腕に似たもの、テレビやパソコンや鏡に移り込む有り得べからざる物、それらの物の息遣いや視線が、私を一晩かけて壊していったのを覚えている。

私は母がいなくなった日のこと、祖母のいなくなった日のこと、あの暗かった夜の明ける瞬間のことを憶えていない。夜を徹しているとほんの時々、ひょっとして祖母はまだ生きており、あの夜はまだ明けておらず、母など私にはそもいなかったかのような想像に捕われることも有った。

永遠の夜に祖母と共に孕まれ、母は存在したことは無くそして父も助けに来る必要はない。私は温もりに包まれ護られながらまどろみ、死者のみが私にやさしくしてくれるのを知る。それは病的な錯覚に過ぎないかもしれないけど。私は友情や恋情を与えてくれる人間を無差別に受け入れる一方、

私は友情や恋情を与えてくれる人間を無差別に受け入れ彼ら彼女らにしがみ付く一方、愛を与える能力の無い自分がいつでも棄てられ得る事に奇妙な確信を持っていた。それは不信と恐怖の澱だ。私が彼ら彼女らに対して感じるのは、一方的な愛の給与についての感謝と欺瞞の成功への満足感に過ぎなかった。

夜毎傍らで束の間眠りを貪れたところで、朝起きたときにはもう居ないに決まってる、居る筈が無いという観念を隠し笑う私は、孤独を確信する余り去るものにしがみ付く事さえ出来ない。私の如き人外と共に居てくれる酔狂者に感謝を。 去るものにはその無駄だった犠牲に謝意を。

私には、声が聞こえる。お前は人間を擬態し獲物に近づき、愛情を演じて誘惑し、心を肢体を開かせ犯す獣、愛される価値など無くそれを自覚しながらなお愛を騙し取る獣、愛を貪る獣だ。蟲どもは哂う。騙し取った愛は瞞しだ、お前に向けられた物ではないのだから。獣であるお前を愛する者など居るものか、

お前は愛されうる者を騙っているだけだ、お前に向けられたように見える温もりは結局お前の演じる愛すべき何者かが持って行ってしまうのだ。あの女はお前を愛していないしお前を愛していたことも無い、お前が騙っていた別人を愛していたのだ。彼女はお前に失望したのではない。

なぜならお前と共に居たことなどないからだ。人違いだったことに気付いたに過ぎないのだ。お前と共に居るように見えて、実際には別の誰かと過ごしていたのだ。実際にはお前は最初から最後まで一人だった、お前は、始終一人で他人が愛し合う様を視聴していたにすぎないのだよ。

唐突に能天気な旋律が私を現実へと連れ戻した。彼女の設定した着信音だ。そういえば、もう数週間はこの着信音なのに、私はこの局の作者の名も知らない。もし私が彼女を本当に愛していたら、或いは彼女の好みにももっと興味を示していたかもしれない。私は電話を取る。

「もしもし」ああ、誰か私を好いてくれる人でありますように。「紺野澄、です」「……澄? え、澄だよね?」 「回線が悪いのかな、澄の声じゃないみたい」

「随分散らかってるね、澄の部屋じゃないみたい」私の部屋を見渡して、京野美智は言った。「今朝振られたばかりでね」私は疲れを前面に押し出して言った。「まだ片付ける時間が無かったんだ」「道理で声が掠れてると思った」「飲み明かそうぜ」「澄お酒飲むようになったんだ」そんな事実は無かった。

私の作戦は単純だった。傷心の私に同情する友人の善意に付込み、潰れるまで飲ませて一晩だけでも『温もり』を確保して安眠する。私は、酔うだけでは眠れないのだ。「どんな人だったの」「暖かい(体温的な意味で)、人間の出来た人だったよ。淡々と別れた」「どうして別れたの」

「…… 私の目が虚ろで」「え?」「なんでもない。閏は今誰か付き合ってる人はいないの?」「丁度いないなあ。私も別れたばっかでさあ、ほんの三週間前。何、サークルの活きのいい小僧でも紹介しろっての?」「いいねえ。てかさあ、もう閏が付き合ってよ」「うおお、いつからそんな危ない人にっ!?」

友人とくっちゃべっていると考える。私はこうした時間が退屈だと。私にとって閏の恋愛事情など、限りなく如何でもいい事柄だった。遠く哂い声が響く。彼女を欺いて近付き、情の深い人間を擬態する獣。身も心も開かせ強姦する獣。「どうしたの?澄、顔色悪い」「何でもない。お酒、ちょっと久しぶりで」

蟲どもの哂い声が、閏の笑いに重なる。怖気が私を捉える。私も笑う。神様。

私は彼女がすっかり酒に呑まれた頃合を見計らい、布団を敷いて彼女を寝かし、その傍らに寝そべり、その胴に手を回した。(…)翌日私が目を覚すと、見知らぬ女が私を見下ろしているのと、あと澄にしがみ付かれているのにぎょっとした。澄は寝惚けるか酩酊し昨日別れたと言う恋人と間違えでもしたか。

謎の女鼻白んだ表情で私たちを見下ろしている。二秒ほど見詰め合ったあと、彼女の方から目を逸らした。無言のまま、私たちのことなど無視して箪笥の引き出しの中を調べたりしている。「…あんた、誰」「はあ?」いや、はあ?って。私のほうなど見もせず、その無造作に束ねられた長い髪を揺らしている。

「… 押入り?」「ハアっ!?」いや、ハアっ!?って!「ちょ、ねえ澄」「……」「起きてよ変な人が居るよ」「……」二日酔いでコンディションの酷い澄は私に揺起こされ、半分だけ拉げた蛙みたいな緩慢な動作で頭を上げ闖入者を見、驚いて口を開いた。「久、ちゃん?」『久ちゃん』は不快そうに笑った。

「忘れ物を取りに来ただけだよ、あと合鍵を置きに」久ちゃんは地面に転がる酒瓶を足先で小突いいて続けた「何飲んでんだ、弱い癖に。好きでもない癖に」私は事情が分り始めて青褪めた。「……きそう」「?」澄は顔を伏せて何事か呟いた。私たちは聞き取れず問うようにして見やる「吐きそう」「「げ」」

時計を見ると、まだ八時だった。私は息を吐く。澄は吐くだけ吐くと再び布団に倒れ込み死んだ。私に謝りながら。私は急に疲れて、居間のテーブルに腰かけ煙草に火を点ける。澄の新しい彼女(?)が私のほうを見ているのに気付いた。如何したものか迷うが、結局聞くことにした。「吸ってもよかった?」

「あ、ははい」「吸う…います?」「え?あ、いや。じゃあ、ええと。はい、頂きます」一本だけ受け取った。二人して沈黙し、気まずく煙をくゆらせる。「あの」彼女が口を開いた。「私、京野閏って言うんですけど、その、ええと…」「射水久那」「その、射水さんが誤解されてる気がして」「はあ」

なんだなんだ。彼女は私を意識しすぎてしどろもどろだった。目も合わせない。「その、私、澄の友達ですけど、その、それ以上じゃないです。彼女多分、酔払って分んなくなって、射水さんの積りで抱きついたとか、そういう事だと思うんです。昨日、振られたって凄い落込んでたし」私は黙って聞いていた。

「もう起きてきた」(…)私が射水さんに促されて振返ると、相変わらず半死半生の澄が寝室につながる戸の所に立っていた。「よく眠れた?」錆びた声色で射水さんが問う。「蟲が」私は驚いた。澄が顔を覆って泣いている。「哂って…」澄がぐずぐずと泣いている「久ちゃん、戻って来て」

だが射水さんは頭を振った。その酷く残酷な無表情が、私の胸を打つ。「久ちゃん」私は初めて聞く澄の縋る様な声に動揺した。「好きだよ、澄」射水さんは無感情に言い放ち、次の瞬間希望を打ち砕く。「澄の事が好きだからこそ、澄にとって私が換えの利く存在であることに耐えられない」

「久ちゃん、どうか…」なおも懇願する澄に、射水さんは疲れた様子で、だが明確に話は終りだと言った。「だめだよ澄、諦めは良くなくちゃ駄目だ。御仕舞いの時が来たんだよ、澄」その時だった。澄は唐突に泣きやみ、冷めた表情を浮かべだろうね、と誰へとも無く呟いた。三十秒程の沈黙の後、

今度は射水さんが涙を流している事に私は気付いた。「ご免ね」彼女は掠れ声で言った。「一緒に居てあげられない、もう耐えられないんだ。私は」彼女は立ち上がり、荷物を取る。「私はあんたの愛が欲しかった」(…)

極単純に友人として、私は澄の事がとても好きだった。いや、私だけでなく、大学時代彼女は先同後輩に酷く人気だったように思う。彼女があらゆる人間に頼られ、彼等彼女等にかまけて私に構ってくれない事に、私は滑稽にも嫉妬すら覚えていたのではなかったか。

☆★☆

二人で愛し合いましょう お互いさえ居れば、もう誰も要らない、そう思い合える関係を持ちましょう 唯一永遠の絆を結び永久に 死が二人を別つまで。 (そう呼びかける声に応えて覓征は嘲笑んだ) それは違うよ 愚かなひと
愛し愛される事は強く生きていく為の支え それが究極的には手段に過ぎない事を否定しあたかも生に代わる根源として目指す事は瞞しだ。自分を騙せ人を騙せても、いずれ避け難く破綻するだろう、伝子の復讐に遭うだろう。その終りが一年後なのか百年後なのか はたまた一万年後なのかは分らないけれども
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キリスト教徒の従妹が、キリスト教を好きな無神論者なんてものはありえないと言い出した。これまでこんなことはなかったんだけれど。これはつまり、彼女が無神論者のキリスト教徒に対する敵意という構図を必要としだしたことを意味する。世界観が動揺して、維持に敵が必要になったのかもしれない。
でもそれは非常に有害なことだ。そもそも人間はキリスト教徒だから誰かを愛するのではなく、愛するに値するから愛するに過ぎない。キリスト教がシンパシーを感じさせる宗教なら無神論者でも好ましく思うし、逆もまた同様だ。
彼女が無神論者はキリスト教を嫌うことを前提に生きていくなら、知り合っていく無神論者の面々にもそれを踏まえて接していくことになる。それは無神論者たちの多くにとって不愉快なことだろう。また全く好ましくなく、彼女がそれをキリスト教に結びつける以上キリスト教に対する心象も悪くなるだろう。
それは相手にとって好ましい存在になろうという努力の放棄だ。そして無神論者達を異質なものとし友好を拒絶する思考だ。自分に愛される価値は無いかもしれないという不安を、キリスト教徒だから愛されないのだとすり替える欺瞞だ。また、人としてではなくキリスト者として愛してもらおうという弱さだ。



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