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荒書
2010/05/22(Sat) 痛い人目指してます。 ☆★☆ *読む前の注意 作中に登場する呪文はモノホンの呪(アートク)なので、 良い子の皆はくれぐれも声に出して読んだりはしないでね! 変なものが召喚されても知らないよ! ※※※ 「もう一人」 「もう一人」三人の反濡膏(アンチキリスト)が動いた。 「居るってのか!?」 ばある之御名に於いて。 暗い尽くす黒光が神殺しを呑み込んだ。 「ちッ、貧弱だ。やはり匈土は駄目だ、異教徒共奴」威誉(ロラン)が嘆息する。 「やっちまったよ!」 「けど、利点も有るわ。ばあるの喰闇も濡膏圏を外れると神性が滲んで中々神々しいじゃない。私は好きよ」擲鑓(フラン)がニコニコしながら応える。 「確実にパパに殺されるwwww」 「たしかに闇にいかづちが奔(ハシ)るのはいつ見ても好いものだ」 立上る殺塵に戦列を組み、頭を抱え身体を捻らせ悶えている濡膏子(クリスティン)を挟んで、絶大な悪意を立上らせる威誉と擲鑓。邪悪な視線を朦朦と立ち込める埃壁の一点に集中している。彼女達には明らかに何かが見えていて、それを警戒していた。 「どうも面白くないな。異教の地で、殺神騎(ディーサイダー)を相手にこちらは僅か三人とは。おい濡膏子、いつまでも頭沸いてんじゃねえっ!」 「はひ!?」 「ヘリを離陸させて対人砲で援護して、でないと親父の手を煩わすまでもなくなるんだから!」 「来るぞ!」 立ち込める煙碍のうち声がした。 「『無神/ Nincsen Isten』。」 = 神はい無い びりびりという劈(つんざ)くような異音と共に、ばあるの神域が端から端まで破れ去って破綻した。喰闇の呪われた食い残しが固定され中空に静止し、殺神騎を見失い反濡膏たちの視線が動揺する。 「無神論で来るか」 「好いわね、私大嫌いよ、無神論者」 「いくか?」 「いこう!」 双子の反濡膏(アンチクリスティナ)の冒涜的な詠唱が始まった。 「「耳有らば呼びかけに応えよ、 貴方を呼び召し来たれば祝い、 見得ざる様に慄き拝もう! 虚ろな御座に巣食う鬼、 汝霊的太陽よ! 仇(サタン)よ、眼(マナコ)よ、欲望よ! 張り上げよ! 轟け! 声を大にして叫べ!! 車輪を巡らせろ父ばある、この落魄(おちぶ)れた太陽め!!」」 アーメン!! 見得ない獣が前方一帯を根こそぎ食潰し、空に釘付けられていた塵芥が霧消するように呑み尽され視界が拓けた。更には既に先ほど一舐めされ剥き出しに成った地面がまるで液体が沸騰するように貪られてゆき、見る見る が下がっていく。 「さすが」舌を巻く威誉。 「流石だね」あきれ返る擲鑓。 その絶体絶命の死地の中心に、殺神騎は立っていた。 ばあるの暴食する車輪さえ食い尽くせない煮え滾るような鬼気を漲らせ、今や台のようになった食い残しの地片の上に立っていた。 「『全失眼汝前/ Minden Vesszen a Szemed Elől』。」=汝眼前より全てはみ失われよ 神殺しの呟きで周囲土壌が起爆するように弾け飛び、束の間一掃された煙碍が復元される。 「「っ撃(て)えッ!」」 がらららら、という転がり落ちるような音と共に、対人バルカンが火を吐く。射線が二人の頭上を掠め、神殺しが一瞬露わになった辺りを抉り掃い、ガラスを引っかくような鋭い音が響いた。 『擲鑓! 威誉! 当ったか!?』 「命中だ。干渉音がした」 『打神撲了(Guta Ütné meg)、熱探知機がノイズで真っ黒だ!』 「だが仕留めては居ないわ、排神圏が健在だもの。クックッ」 『今ぜぶぶ之視界を詠唱完了、神域展開・神源捕捉…… おい! 神源が増えてるぞ!!』 瞬間、威誉が旋回・後退・抜刀するのと同時に、真っ黒い塊がその一瞬前の位置を掠めていった。斬撃は硬い音を響かせ撥ねのけられ、彼女の肩からは血が迸りその口が歪み声が漏れた。 「ちッ……」 「威誉っ!?」 「ぃたぃっ・・・!」 浮浪霊
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