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これは詩ではない、詞である。55
2021/09/01(Wed) 深い緑を抜けたらきらめく白い水平線 君は香る潮風にただ目を細める 長いまつ毛の向こうが期待するように笑う 口に出さずともわかってるつもりだけど 太陽に光る薄桃色の唇に 期待してしまうのは僕のほう 理恵
これは詩ではない、詞である。56
2021/09/14(Tue) エナジードリンクの蓋を開け喉に流し込む 昨日も眠れなかったな なんて毎朝思う 気がつけばこんな気持ち 何回も繰り返して 雲はいくつも重なって 太陽は見えなくなった サンサン降り注ぐ雨の粒 私の心を洗い流してくれたら 前向ける気がする なのに窓の向こうから 濡れる街並をただ見ていた 臆病な私はまだ閉じこもったまま 発車を告げてるベルがホームに鳴り渡る 人混みに押し流されるまま 揺られるまま 自分の身体じゃないみたいな目で 眺めてた グレーの空の向こうの 光に気づいてたんだ 理想はちゃんと持ってるのに 戻れない過去の栄光みたいに 燻ってはすがりついて 騒がしい日々も忙しない足音も 現在(いま)の私なの 笑い声が街に埋もれてく 見上げたらスローモーションの 丸い水滴が見えた気がした 鋭く尖っていく針のように 思えたのはいつからだったかな 肌に触れていく雨の粒 もう傘などさせないくらいに 冷たくて心地よかったの すべてをなくしてくれたら 笑顔でなくてもいいなら きっともう怖くない サンサン降り注ぐ雨の粒 私の心を洗い流して すべてを忘れてしまいたい それでもいつかは止むことも 進むのは私だってことも 知ってるから涙をぬぐったの 2021.10.5. 憂雨 理恵
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